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食の要所だった新宿御苑の美味しい楽しみ方

2015年07月14日篠原久仁子

日本を代表する庭園として世界的に知られている新宿御苑。お花見などで訪れたことがある方は多いと思いますが、新宿御苑が日本の農業発展に欠かせない場所であったことは、意外にもあまり知られていません。私たちの大好きな、あの果物も新宿御苑で育まれたものなんです!今回は、オトナ世代なら知っておきたい、新宿御苑と食の関係に注目します。もちろん、食べて体感できる美味しい情報もご紹介しますよ。
(写真提供:国民公園協会 新宿御苑)

ミシュラン三ッ星の観光地!

日本庭園(写真提供:国民公園協会 新宿御苑)

新宿駅からわずか10分ほどという立地にある新宿御苑は、東京ドーム13個分の敷地面積を誇る都内有数の緑地帯で、まさに都会のオアシス。2009年に発行されたミシュランガイドの観光地版「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で、三つ星を獲得したこともあり、ますます来園者が増えているのだそうです。

フランス庭園(写真提供:国民公園協会 新宿御苑)

戦後、国民公園となり、日本を代表する庭園のひとつとして一般に開放されるようになるまでの間、実は近代農業の礎となる役割を果たした土地だったということ、ご存知でしたか?

では、ちょっと歴女気分で、新宿御苑の成り立ちを振り返ってみましょう。

日本初の農業総合機関から皇室庭園へ

復活し江戸東京野菜に認証された内藤トウガラシと内藤カボチャ

新宿御苑のルーツは江戸時代、徳川家康が家臣・内藤家の功績を認め、授けた広大な屋敷地です。当時、トウガラシの栽培が盛んだったそうで、大久保にかけて一面、真っ赤なトウガラシ畑が広がっていたのだそうです。そのトウガラシは近年、「内藤トウガラシ」の名で復活。江戸東京野菜のひとつにも認証されています。

明治時代に入ると、「新しい日本の国づくりには農業の発展が欠かせない」と考えた大久保利通が中心となって、屋敷跡地に日本初の農業総合機関「内藤新宿試験場」を開設。全国に先駆けて、様々な西洋野菜や果物などの試験栽培や農業の技術改良が行われ始めました。2000を超える作物が栽培され、その技術や成果が全国に広められたのだそうです。後には農学校も作られ、農業教育発祥の地にもなりました。
長く農業の要所として機能を果たした後の明治39年、日本初の皇室の庭園として「新宿御苑」がついに誕生。皇室庭園となってからも、皇室に献上する野菜の栽培は行われ続けていたそうです。

新宿御苑は国産イチゴ発祥の地!

福羽苺

新宿御苑と農業を語る上で、欠かせない人物がいます。その名は福羽逸人(ふくばはやと)。最近、どこかで聞いたなぁという方もいるかもしれません。そう、ドラマ「天皇の料理番」で、主人公の上司として登場した大膳頭(だいぜんのかみ)福羽逸人です。もとは新宿御苑苑長で、近代農業の父と言えるほどの偉業を成し遂げました。最も身近なものだと、現在のイチゴのルーツとなる「福羽苺」と呼ばれる品種を作出。新宿御苑は国産イチゴが初めて生まれた場所でもあるのです!他にも国内で初めて、温室でのブドウ栽培を手掛け、ワインを醸造したり、オリーブ栽培にもいち早く取り組んだことでも知られています。

私たちが今日、当たり前に食べている野菜や果物の背景には、新宿御苑での取り組み、福羽逸人という人物の存在があったんですね。

食の歴史を味わえるスポット

残念ながら現在は、園内に農業の名残を見ることはできませんが、「レストランゆりのき」と「カフェはなのき」(園外のインフォメーションセンター内)では、新宿御苑ゆかりの内藤トウガラシなど江戸東京野菜を使用したオリジナルメニューをいただくことができます。
一番人気のメニューは「シカ肉カレー」。内藤トウガラシのやわらかな辛みと香りが鹿肉の旨みを引き立てている逸品です。

新宿御苑らしさが詰まったイチオシのデザートは、内藤トウガラシとイチゴを用いたソースでいただく「内藤とうがらしアイス」。ネーミングと色からして辛そうなのですが、イチゴの甘さの後に、優しい刺激がほんのりで、やみつきになる美味しさ。お子様でも食べられるトウガラシスイーツです。

他に「長ネギと内藤とうがらしケーキ」など独創的なスイーツもあり、何度も伺ってメニューを制覇してみたくなります。

また、内藤トウガラシの加工品や江戸東京野菜などが買える「江戸東京野菜市場」も毎月開催されています。今月は18日(土)からの3日間。詳細は新宿御苑HP(http://fng.or.jp/shinjuku/)でチェックくださいね。

なんとなく散策するのもいいですが、知って体感すると、もっと楽しく想い出深い時間になりそうだと思いませんか?これから東京オリンピックに向けて、ますます海外からの注目も高まる日本。まず日本人である私たちが日本の魅力を再発見して伝えられるようになりたいものですね。

篠原久仁子

Shinohara Kuniko

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野菜ジャーナリスト。大学卒業後、大手番組制作会社で、報道・ドキュメンタリー番組の企画・演出を手がける。野菜ソムリエ資格取得後の2009年、人と地域を野菜果物にまつわる情報でつなぐ日本初の「野菜ジャーナリスト」として独立。執筆、講演で情報発信を行うなど、様々な形で食企画に従事。「野菜の便利帳~伝統野菜・全国名物マップ」執筆。東京を軸に全国を取材しながら、野菜に魅せられるきっかけとなった信州の古民家で執筆や畑しごとをするデュアルライフを送っている。


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