昭和の事務職、平成のバリキャリ、令和は……? ドラマのヒロインからみる「令和の女」の在り方

マイナビウーマン

令和という時代。

ワークライフバランスや多様性という言葉が主流となり、私たち女性の生き方や、働き方にも変化が生まれています。

それはドラマや映画の主人公でも同じ。

彼らの描かれ方を見てみると時代の変化が表されていて、とても面白い! また、フィクションだからこそ、その時代の一歩先をいく理想像が表現されていたりします。

平成から令和にかけてのヒロイン像を紐解いていくと、あなたはラストでなつかしのあのセリフを叫んでいるはず!?

■総合職がまだ珍しかった90年代古く男女雇用機会均等法を経て、女性は事務職! お茶汲み! 結婚したら退職して専業主婦! という昭和な思想から、男性と同等に仕事をする女子が憧れの対象の一つとして考えられるようになったのが平成という時代。

その中で一石を投じたのが、1990年代の大ヒットドラマ『東京ラブストーリー』のヒロイン・赤名リカ(鈴木保奈美)ではないでしょうか。

帰国子女で語学堪能、広告会社に勤め、男性顔負けに仕事をこなす有能女子。

女性の産休育休制度も今ほど充実せず、一般職や寿退社がまだまだ一般的だったこの時代で、「総合職」「帰国子女」「語学堪能」「男性と肩を並べて働く」というステータスは稀有であり、バリキャリという存在の走りの一人であるヒロインだと思います。

そしてみんなが知るあの名台詞「カーンチ!セックスしよ!」 カツオ「中島! 野球しようぜ?」くらいのテンションでセックスを誘うのは、今だってやや躊躇われますが、あの時代の地上波月9の時間帯に女子からはっきりとその単語を口にしてセックスを誘うというのは衝撃的なことでした。

まだまだ女性の出世や活躍に足枷がある平成という時代の中で、仕事も性も男性と同等の権利がある! という主張や時代の走りの現れだったのではないでしょうか。

Amazon Prime Videoで2020年版のリメイクドラマも配信しているので、見たことがない方はこちらも是非。

■男顔負け! なバリキャリが登場する2000年代2000年代初期は、バリキャリな主人公が多く登場しました。

女性の総合職は増えたものの、まだまだ男社会である会社で、女性が仕事で成果をあげ、認められるには、私生活や恋、プライベートを犠牲にしてまでバリバリ働くということが求められました。

家庭<<仕事という昭和のサラリーマンの名残をほんのり感じさせるこのスタンス。

男性に負けないためにはそれくらいの対価が必要だったのです。

代表的な作品として一番に挙げられるのが『働きマン』。

安野モヨコさんの漫画を原作にした大ヒットドラマです。

雑誌の編集部で働く主人公・弘子(菅野美穂)は男スイッチがオンになると、恋人、私生活、身なりを全てかなぐり捨て、仕事が第一優先! 女性の出世は男性よりも遅いもの、という風潮がまだまだ残る中で、ストイックさと実力で成果をあげまくっていく姿は、女性たちにとってヒーローであり痛快そのものでした。

■名作・プラダを着た悪魔海外映画の大ヒット作『プラダを着た悪魔』もそんな女性たちの憧れを受けてのヒットだったのではないでしょうか。

自分の夢をかなえるために、理不尽を受け入れながら仕事をガムシャラに頑張る主人公・アンディ(アン・ハサウェイ)。

プラダを着た悪魔と呼ばれる鬼編集長・ミランダ(メリル・ストリープ)の元で、プライベートを二の次にして全てを悪魔に捧げながら、とんでもない方角から飛んでくる要求に全て応えようとがむしゃらに頑張ります。

悪魔の要求がどれだけ極悪かというと「まだ出版してないハリポタの新作原稿を手に入れなければクビ」という、スーパーで買ってきた鶏卵を温めて今すぐ羽化させろと同格の無茶ぶり。

しかし、アンディは試行錯誤しながら応えようとします。

こんなもん令和で言われたら、「お前、アズカバンの監獄ぶち込んだるぞ!」とハリポタ全巻机にぶん投げて、即刻内部通報窓口に駆け込むか、週刊誌にネタ売りつけるくらいのスーパーハラスメントです。

最終的にプラダの悪魔に魂を売る手前で正気を取り戻したわけですが、自分のフィールド外に飛び込みながら、がむしゃらに頑張り、夢をかなえた彼女のひたむきさと、キラキラと女として磨かれていくアンディに女子は虜になったのでした。

■なんでもあり! の令和さて、現代の令和。

寿退社や25歳以降の独身女子は売れ残りのクリスマスケーキ、というクソみたいな昭和の理論は過去の遺物。

結婚する年齢も自由、仕事で自己実現するもよし、私生活を充実させるもよし、恋愛に命を注ぐもよし! もちろん子どもを育てながらキャリアを追い、二兎を追うこともよし! 欲しいものは全部求めてOK! 何かを犠牲にする必要はない! 女性のいろんな生き方が認められ、世間体に縛られない人生の楽しみ方が広がったのではないでしょうか。

■多様性のヒロインに出会えるドラマ・30までにとうるさくて例えばそんな生き方をドラマのヒロインたちに投影して提案してくれたのが、ABEMAで配信されていた『30までにとうるさくて』。

ネットでも話題になったこのドラマには、さまざまな価値観を持った4人の令和女子が登場します。

 仕事に心血を注ぎ評価される一方、性欲も男子顔負けなバリキャリ女子。

買い物や恋が優先事項! 結婚したらすぐに仕事をやめたい専業主婦を夢見る婚活女子。

仕事と私生活をバランスよく順調にこなし、LGBTであり大好きな彼女と同棲する女子。

女社長として若くして働く中、結婚はしたくないけど子どもが欲しい女子。

そして何よりすごいのが、彼らは仲良しだということです。

友情って類友というか、やっぱり同じ価値観やステータスの人と仲良くなりがちじゃないですか? 仕事、金銭感覚、既婚未婚とか、女子は大人になるとあらゆるものにおいて価値観の違いが、人間関係において相容れない要因になったりするものです。

それぞれが一番大切にするものが変わってくるわけですから、これはまるで宗教の違いばりに大問題。

しかしこのドラマに登場する彼らは全員が全く違う考えでありながら、それを尊重し合い、支え合いながら生きていく姿が素晴らしい。

ふた昔前は「結婚して専業主婦になることが女の幸せ」とされ、一昔前は「男に負けず働くバリキャリ」が新たな女性の憧れとされました。

しかし、このドラマではあらゆる幸せの形を提案し、同質性の高い日本において、画一的な幸せの形にはまることが正解のような風潮をぶち壊し、自分だけの幸せの形を見つければいいのだと教えてくれたのです。

■令和になって、バリキャリの質も変わった“バリキャリ”についても令和になって変化が。

例えば、2022年フジテレビで放送されていた『恋なんて、本気でやってどうするの?』で広瀬アリスさん演じる主人公・純がまさに令和のバリキャリ。

食器メーカーで働く洋食器デザイナーで、仕事をバリバリ有能にこなしているのですが、人生=仕事だけではないのが彼女。

美しい食器を集めるという趣味を大切にし、それらをインテリアに作り上げた部屋は彼女の好きが集まった城のよう。

働きマンの主人公・弘子は仕事モードでは身なりもメイクもなりふり構わず、といった調子でしたが、純はどんな時でもきれいでおしゃれ。

ブランド物も多数所有し、自分の人生を仕事と好きな物たちでバランスよく囲んで充実させています。

まさにワークライフバランスが謳われる現代の理想のバリキャリ像がそこにありました。

■数十年で大きく変わった女性のあり方「あ〜〜! 令和に生まれて良かった! (ブルゾン風に)」と叫びたくなるほど、この数十年での大きな変化を感じ取れますね。

令和は多様性が認められ、あらゆる価値観が認められ、ハードルとなるものも薄れつつあるように思います。

また、あらゆることを実現できる技術や環境が整い始め、私たちは人生をもっと好きなように楽しんでいいのだと、ドラマや映画のヒロインたちが教えてくれているのではないでしょうか。

これからさらに時代や技術の進歩とともに可能性も広がりそうでワクワクしますね。

これからの映像作品のヒロインたちが、また我らの一歩先の理想を表現して、私たちに新たな可能性を提示してくれるかもしれません。

(文:やまとなでし子、イラスト:タテノカズヒロ)。

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