今期もイケメンが活躍。竹内涼真・中村倫也たち「夏ドラマ出演俳優」レビュー後編

マイナビウーマン

現在放送中の夏ドラマには、人気上昇中の“いい男”がたくさん出演中。

そこで、ふだんドラマのコラムやインタビュー記事を執筆しているライターが、注目の俳優とその演技の見どころを紹介します。

後編となる今回は、木曜~日曜に放送中のドラマに出演しているイケメン俳優をレビューします!

■「六本木クラス」(テレビ朝日系)竹内涼真さん小顔で8等身、モデル体型の竹内涼真さんですが、なぜか昔ながらの昭和的な復讐劇にキャスティングされがち。

「テセウスの船」や映画『アキラとあきら』(8/26公開)がそうで、親を亡くし苦労して育ったというハングリー精神のある役柄が多く、「六本木クラス」の新という役もまさにそのパターン。

それだけに、香川照之さん演じるレストランチェーンの社長と早乙女太一さん演じるそのドラ息子に対峙するときの復讐心に満ちた表情は、感情がこもっていて迫力十分。

◇韓国版に忠実な演技で、復讐心を燃やす表情に迫力あり人気のある韓国ドラマ「梨泰院クラス」のリメイクということで何かと本家と比較されがちですが、拍子抜けするぐらい韓国版のまんまの展開なので、竹内さんが原作に忠実に演じればこうなるよねというところ。

主人公のちょっと鈍感でのほほんとした性格も、うまく出ていると思います。

平手友梨奈さん演じる葵は“新ラブ”なので、年下のIQ高い女の子からアタックされる受け身の演技が、今後楽しみ。

細かい点ですが、非業の死を遂げた父親役が光石研さんで、親子の回想シーンを見た後だと、竹内さんが光石さんそっくりに見えて仕方がない。

垂れ目遺伝子がきっちり引き継がれたという裏設定を勝手に作って納得しています。

■「石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー」(TBS系)中村倫也さん中村倫也さん演じる羽男こと羽根岡は「想定外の事態に対応できない」という弁護士としては致命的な欠点を抱えながら、クライアントの前では眉間にシワを寄せて天才弁護士っぽく見せようとする見栄っ張りな男。

と言っても、かっこつけてアップルペンシルをくるくる回しては落としてしまう程度なので、中村さんがこれまで演じてきた「凪のお暇」「珈琲いかがでしょう」などの強烈なキャラに比べれば、かわいいものです。

撮影現場や取材の場でいつも愉快な中村さんの等身大の演技が楽しめると言えるでしょう。

◇現場でも愉快な中村さんが伸び伸びとした演技を披露第1話の喫茶店のシーンで有村架純さんに言った「危ないだろ、こぼれたぞ」と言うのもおそらくアドリブでは。

余裕があって対応力もある中村さんと真面目に演じる有村さんのコンビネーションがいい感じです。

また、羽根岡は着道楽らしく、バブル風の派手な服を着ているのも楽しい。

羽根岡には、写真のように見たモノを記憶する「フォトグラフィックメモリー」というチート的な能力があり、これは「競争の番人」の小勝負(坂口健太郎)と同じ。

もしかして、この設定、流行っているの?チートであり言動も不真面目という、司法試験4連敗中の石子(有村架純)からすればムカつくキャラですが、法律の力を信じ、弱者の味方になるという考え方は2人に共通しているところがグッと来ます。

この2人の関係、弁護士もののヒット作「リーガルハイ」にも似ているのですが、同作と違ってキャラも事件もリアル寄りなので、作品としてのパンチは弱い。

後半、盛り上げられるかに期待しています。

■「初恋の悪魔」(日本テレビ系)林遣都さん、仲野太賀さん「愛しい嘘~優しい闇~」のような完璧イケメンか、「スカーレット」のような“残念ハンサム”か。

どちらのパターンかと思っていましたが、「初恋の悪魔」での林遣都さんは完全に後者。

◇こじらせ男子をコミカルに演じる林、告白で泣かせる太賀林さん演じる停職中の刑事・鈴之介の家に、警察に勤めているものの捜査に加われない男女4人がミステリー同好会のように集い、「自宅捜査会議」で殺人事件の真犯人を見つけていくこのドラマ。

鈴之介は自宅から出ずに推理をする、いわば安楽椅子探偵で、他の3人がもたらした情報を基にけっこう鋭い推理を披露したりもするのですが、かなりのこじらせ男子。

メンバーの会計職員・小鳥(柄本佑)とたびたび衝突してはあっさり和解したり、同じくメンバーの生活安全課刑事・摘木(松岡茉優)のことばかり考えてしまうのにそれを恋ではなく「殺意」だと言ったり、めんどくさいことこの上ない!林さんはそんな鈴之介を他人との会話は食い気味に入る、自分の好きなもの(凶器のハサミ)については生き生きと目を輝かせて語るなどして巧みに演じ、笑いを誘います。

第3話では、小鳥にけしかけられて摘木にアプローチしましたが、案の定、撃沈していました。

林さんの相方は、もはや“令和の寅さん”とでも呼ぶべき芸風を確立しつつある仲野太賀さん。

BSで放送中の主演作「拾われた男」でもビデオレンタル店のバイトで新しく入ってくる女性に次々と恋をしては振られていましたが、「初恋の悪魔」で演じている警察署総務課職員の悠日は第2話で美しい婚約者がいることが判明。

しかし、相手は「結婚したら仕事を辞め主夫になってほしい」「(婚外恋愛ありの)オープンマリッジでいいよね?」と言うモラハラ夫を反転したような女性で、どう見ても幸せにはなれなさそう。

仲野さんは、そんな彼女についていこうとする悠日の危うさを張り付いたような笑顔で表現しています。

第2話でいつも「僕は負け組でいいんです」と言っている胸の内を摘木に語り、「(自分の)顔は笑っているんです。

でも、そんなの上っ面で……」と涙ながらに吐き出す場面はさすがの演技力でした。

悠日の兄が殉職していることもあってひたすらかわいそうですが、幸い「拾われた男」では伊藤沙莉さん演じる彼女と幸せそうになっているので、両方を見てバランスを取るのがおすすめ。

■「オールドルーキー」(TBS系)綾野剛さん若い役者に負けない共感力の高さ。

「オールドルーキー」で綾野剛さんが見せる涙、涙の演技は、彼のファンではなくても多くの人を引き込むエモさがあります。

◇40歳にしてパパポジションにシフト!? 号泣演技で全て持っていく同じ福田靖さんの脚本で同じようにスポーツ選手の再起を描いた「未来への10カウント」と比べると、木村拓哉さん演じる主人公が内にこもってどこかプライドを捨てきれない感じだったのに対し、綾野さん演じる元Jリーガー・亮太郎は、もう心を開きっぱなし。

心の声ダダ漏れで悩みや考えを伝えてくるので、妻も娘も、スポーツマネジメント会社の同僚たちも彼を応援したくなる。

Jリーグへの復帰テストを受けることなんて、受かる確率は低いんだから幼い娘たちには黙っておけばいいじゃん! とツッコミたくなりましたが、全てをクリアにして家族全体で共有し、そして抱き合って号泣する。

それが亮太郎のスタイルなのですね。

榮倉奈々さん演じる元アナウンサーの妻が「亮ちゃん」と呼ぶとおり、亮太郎は夫であり父親でありながら、“大きな長男”のようなポジションでもあるわけです。

まさにダンナあるある。

40歳になった綾野さんにとっては、この段階で父親ポジションにシフトするのはナイスタイミングで、夏ドラマで最も主演俳優を活かす配役だと思います。

■今後の展開が見逃せない夏ドラマ前編に引き続き、今回は5名の演技と見どころを紹介しました。

このコラムを通して、役どころによっていろいろな一面を見せてくれる俳優さんたちの魅力が伝わっていたら嬉しいです。

まだまだドラマは前半なので、これからの展開でどんな演技を見せてくれるのか、引き続き楽しみに追っていきましょう。

(文:小田慶子、イラスト:ヘロシナキャメラ)。

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