グレープフルーツエキスの知られざる美容効果とは?光毒性は大丈夫?
フレッシュな香りと瑞々しい酸味が特徴的な、グレープフルーツ。
口の中に広がるあの甘酸っぱさ、病みつきになってしまいますよね。
そんなグレープフルーツですが、実は食べて美味しいだけではありません。
化粧品に含まれている「グレープフルーツエキス」に、優れた美容効果があるということで今大注目されているのです。
しかし、グレープフルーツエキスというと
「あれ、たしか光毒性があるんじゃないっけ・・・?」
「つけるとシミができると聞いたことがあるんだけど・・・」
なんて方もいらっしゃるかもしれませんね。
きっと化粧品について日ごろから良く調べてらっしゃる方だと思います。
果たしてグレープフルーツエキスは、お肌に良いのか悪いのか、どっちなんでしょう。
本日はそんな謎のベールに包まれたグレープフルーツエキスの真相に迫っていきます。
グレープフルーツエキスって?
グレープフルーツエキスとは、その名の通り、果物のグレープフルーツから抽出したエキスのこと。
抽出される部位によって
「グレープフルーツ果実エキス」
「グレープフルーツ果皮エキス」
「グレープフルーツ種子エキス」
などと細かく分類されることもあります。
グレープフルーツエキスは、化粧水や美容液など、実はさまざまな化粧品に含まれています。
にもかかわらず、ちょっぴり影が薄く、なかなか注目されることのない可哀そうな成分。
今まであまり取り沙汰されることのなかったグレープフルーツエキスですが、
実はさまざまな美容効果を秘めた注目すべき美容成分だということが分かってきました。
ここからは、そんなグレープフルーツエキスの素晴らしい美容効果をご紹介したいと思います。
グレープフルーツエキスの効果(1)角質柔軟作用
まずグレープフルーツエキスにおいて注目すべき効果、それは「お肌を柔らかくしくてれる効果」です。
これは、グレープフルーツエキスに含まれる「リンゴ酸」や「クエン酸」によるもの。
リンゴ酸やクエン酸は、お肌の表面(角質層)を柔軟にし、古くなった角質を排出しやすくしてくれると言われています。
それにより、ごわごわなお肌をキメの整ったなめらかな肌に導くという効果が期待できるのです。
お肌がごわごわだと角栓などが詰まりやすくなり、
吹き出物の原因にもなってしまうので、日ごろから角質層を柔らかくしておくことでニキビ予防にもなります。
グレープフルーツエキスの効果(2)ターンオーバーの正常化
私たちのひとつひとつの細胞の中には「ミトコンドリア」というものが存在しています。
そのミトコンドリアたちによって作られるエネルギー「ATP(アデノシン三リン酸)」は、
お肌が栄養を取りこんだり、老廃物を排出するために必要不可欠なエネルギーです。
しかしこのATP、加齢・紫外線・喫煙などによってどんどん減っていきます。
そうなると、お肌が正常なターンオーバーを行うことができなくなってしまうのです。
そこで活躍するのが「グレープフルーツエキス」。
グレープフルーツエキスには、お肌に欠かせないエネルギーであるATPの産生を促す効果があります。
それにより、お肌がしっかりとターンオーバーできるよう手助けしてくれるのです。
グレープフルーツエキスによってターンオーバーが整うことで、「くすみ」「ごわつき」「ハリのなさ」などを改善する効果が期待できます。
グレープフルーツエキスの効果(3)バリア機能の改善
それだけではありません。
2017年3月にファンケルが発表した報告によると、グレープフルーツエキスには「バリア機能を改善する効果」が示唆されているのです。
私たちのお肌には「ビタミンD受容体」というものが存在しているのですが、これがバリア機能と密接に関わっています。
ビタミンD受容体が正常に機能しているとお肌のバリア機能も正常に保たれるのですが、
「紫外線」「酸化」などの外的要因が加わると、ビタミンD受容体の機能が低下し、バリア機能も衰えてしまいます。
バリア機能が衰えると、お肌の潤いがなくなったり、
ちょっとした刺激で炎症を起こしやすくなってしまったり、肌の老化が起こりやすくなってしまいます。
そこで登場するのがグレープフルーツエキス。
グレープフルーツエキスは、ビタミンD受容体を増やし、
さらに活性化させることで、バリア機能の改善してくれると考えられているのです。
それにより、お肌をすこやかな状態に整えてくれるという効果が期待できます。
(参考:https://www.fancl.jp/laboratory/report/34.html)
グレープフルーツエキスの効果(4)ビタミンC増強効果
さらに、グレープフルーツエキスについてはもうひとつの美容効果がファンケルによって報告されています。
それは、「ビタミンC誘導体の増強効果」。
グレープフルーツエキスは、ビタミンC誘導体と併用することで、
よりビタミンC誘導体の効果が高まるということが示唆されているのです。
もっと具体的に言うと、ビタミンC誘導体とグレープフルーツエキスを併用することでシミを予防・改善する効果がより一層高まる、と考えられています。
つまり「美白効果」ということになります。
今までビタミンC誘導体で目立った効果が感じられなかった方は、
グレープフルーツエキスとビタミンC誘導体が両方配合されたスキンケアを試してみるのも良いかもしれませんね。
(参考:https://www.fancl.jp/laboratory/report/13.html)
グレープフルーツエキスの効果(5)抗酸化作用
グレープフルーツエキスについて特筆すべき効果、それはなんといっても「優れた抗酸化作用」です。
グレープフルーツエキスには、他のさまざまな美容成分と比較してもずば抜けた抗酸化作用があると言われています。
抗酸化とはその名の通り「酸化に抗う」ということ。
酸化はお肌にとっての大敵。
しわ、しみ、肌荒れ、ニキビ、くすみなどなど、さまざまな肌トラブルの元凶であると言われています。
そんな酸化を強力に抑えてくれるのがグレープフルーツエキス。
特に、グレープフルーツの種子から抽出したエキスは「GSE(Grapefruit Seed Extract)」と呼ばれており、
「天然の酸化防止剤」として使用されています。
天然の成分でここまでの酸化防止効果をもっている成分というのは、極めて稀です。
グレープフルーツエキスが配合されている化粧品を使用することで、お肌の酸化を防ぎ、健やかなお肌を保つ効果が期待できます。
グレープフルーツエキスに光毒性はないの?
このようにさまざまな素晴らしい美容効果を秘めている、グレープフルーツエキス。
ただひとつ気になるのが「光毒性はないのか?」ということ。
アロマや手作り化粧品についてかじったことがある方はご存知かもしれませんが、
柑橘系の精油(エッセンシャルオイル)には、光毒性を持っているものがあります。
光毒性とは、そのエッセンシャルオイルをつけた状態で日光に当たると、
成分が紫外線と反応して「シミ」「色素沈着」「炎症」「かぶれ」などが起こってしまうこと。
光毒性を持っている精油としては、
「ベルガモット」
「アンジェリカ・ルート」
「オレンジ・ビター」
「レモン」
「グレープフルーツ」
などが挙げられます。
ここで「えっ?!」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。
そう、「グレープフルーツ」の精油にも、光毒性があるのです。
つまり、グレープフルーツの精油をお肌につけたまま日光に当たってしまうと、シミや炎症の原因になってしまうということ。
ここまで話してきた素晴らしい美容効果とはまったく相反していますよね。
これは一体どういうことなのでしょうか?
グレープフルーツエキスは光毒性の心配ナシ!
どういうことかというと、光毒性の心配があるのは「グレープフルーツエキス」ではなく、「グレープフルーツ精油」だということ。
たしかに、アロマ目的で販売されている「グレープフルーツの精油(エッセンシャルオイル)」には光毒性があるため、お肌につけてはいけません。
しかし、お肌につける目的で化粧品に配合されている「グレープフルーツエキス」は、
光毒性の原因となる物質である「フロクマリン」は基本的に除去されています。
そのため、光毒性について心配する必要はほぼないのです。
精油が配合されている化粧品もありますが、その場合も原因物質は除去されているはずです。
そもそも、グレープフルーツによって光毒性が起こってしまう危険性があるのは、
「グレープフルーツ精油を4%以上配合した化粧品を使用した時」だと言われています。
つまり、配合量が4%未満なら光毒性が起こる可能性はほとんどないということ。
そう考えると、化粧品に配合されているグレープフルーツエキスやグレープフルーツ精油によって光毒性を心配する必要はあまりないことが分かります。
それでも心配な場合は
「ちゃんと光毒性の原因となる物質を除去してあるか」
「グレープフルーツエキスの配合量は4%以下か」
などをメーカーに問い合わせるのも良いかもしれませんね。
また、日本の製品のほとんどは安全であると考えられますが、
海外の化粧品は規定などが異なるため、グレープフルーツエキスやグレープフルーツ精油が配合された化粧品には少し注意したほうが良いかもしれません。
まとめ
本日は「グレープフルーツエキス」の美容効果についてお話ししました。
光毒性が心配されがちなグレープフルーツエキスですが、日本製の製品はほぼ心配ナシ!
基本的にお肌への悪影響がないように作られていますので、安心して大丈夫です。
グレープフルーツエキスの恩恵にあずかって、ワンランク上の美肌を目指しましょう。
<参考URL>
・PeLuLu https://pelulu.jp/17599/
・CELLA COSMETICS https://cella.jp/ingredient/detail.php?p_id=1312
・化粧品成分オンラインhttps://cosmetic-ingredients.org
・健康美容EXP https://www.e-expo.net/materials/016293/0083/index.html
・LuLuLun https://lululun.com
・ファンケル研究開発 https://www.fancl.jp/laboratory/index.html
・Tea-treeの森 https://www.t-tree.net/seiyu/d_4_phototoxic.htm