【成長因子】EGFやFGF入りのアイテムに期待できる美肌効果とは?
近年「成長因子」を配合したスキンケアアイテムの人気が高まっています。美容クリニックでも成長因子を取り入れた美肌治療が提供されているため、気になっている方も多いのでは?
成長因子は再生医療で注目されている成分であり、美容医療の分野でも研究が進められています。
成長因子の種類や補うことによるメリット、スキンケアに取り入れる際の注意点を把握し、美肌作りに活かしましょう!
美肌に効果的!?再生医療で注目される「成長因子」とは?
成長因子(グロースファクター)とは、体内の幹細胞で作られるタンパク質で、「増殖因子」「細胞増殖因子」とも呼ばれています。
成長因子の主な役割は、人間の身体を構成する細胞や皮膚、骨、筋肉などを成長させる「ヒト成長ホルモン」の活性化。
ヒト成長ホルモンは人間の身体に欠かせない物質ですが、思春期をピークに20代後半から急激に分泌量が減少します。
成長因子には、この減少を食い止め、健康や美容などさまざまな面で老化を阻止する効果が期待されているのです。
成長因子の働きは細胞の種類により異なりますが、近年の研究により肌を若々しく保つ成長因子の存在があきらかにされつつあります。
成長因子を補うことによるメリット
成長因子を補うことによるメリットはさまざま。
・肌のターンオーバーが促される
・肌のコンディションが良くなる
・肌にハリやツヤが生まれる
・加齢によるシミやシワが改善される
・傷などの自然治癒力が高められる など
成長因子によって再生能力が高められることで肌の水分保持力や弾力が増し、老化予防や肌荒れ改善、ハリツヤUPなどの効果が期待できます。
成長因子が使われている再生医療
成長因子はさまざまな分野の再生医療に利用されています。
・美容医療:イオン導入/ダーマペン など
・発毛、育毛医療:HARG療法(医療毛髪再生治療)など
・スポーツ医療:関節痛の治療/傷治療 など
・歯科治療:歯周病治療 など
生活していくなかで、成長因子を利用した再生医療を受ける可能性は誰にでも十分に考えられるでしょう。
美容に効果的な成長因子5種類の特徴・効果
成長因子のなかでも特に美容に効果的とされているのが5種類の成分です。
それぞれの特徴や期待できる効果について見ていきましょう。
EGF(上皮細胞成長因子)
EGFは、ターンオーバーを司る表皮幹細胞に指示を出すことで表皮細胞を増殖させる働きを持つ成長因子です。
肌のコンディションを整え、うるおいを守ります。
【期待できる効果】
肌のごわつき、シミ、くすみなどの改善
FGF(線維芽細胞成長因子)
FGFは真皮の中に存在し、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった真皮の成分を作り出す線維芽細胞を増殖させる役割を担っています。
EGFと併用することで、それぞれの効果が倍増されやすいこともあきらかにされています。
【期待できる効果】
・ハリ、弾力UP
・シワ、たるみの予防、改善 など
IGF(インスリン様成長因子)
IGFは、損傷を受けた細胞の再生を助け、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の生成を促進し、皮膚を再生させる働きを持つ成長因子です。
成長ホルモンに似た増殖因子であり、不要なものを取り除く作用も期待できます。
【期待できる効果】
・ハリ、弾力UP
・シワ、たるみの予防、改善 など
TGF(トランスフォーミング増殖因子)
TGFは、線維芽細胞の中でコラーゲンとエラスチンを生成し、その構造を強化させる働きをします。
抗炎症作用もあり、肌のコンディションを整えるのにも効果的です。
【期待できる効果】
・うるおい、弾力UP
・シワ、たるみの予防、改善
HGF(肝細胞増殖因子)
HGFは肝細胞の再生を担う因子として発見され、その後の研究で、肺や心臓、血管、筋肉などの体中の組織に作用し、核細胞を再生・修復させることが確認されている成長因子です。
人間の身体を若々しく保つために欠かせない成長因子といえるでしょう。
【期待できる効果】
・ハリ、弾力UP
・ターンオーバーの改善
成長因子はスキンケアアイテムにも!使用するメリット・注意点とは
美容クリニックでの成長因子を使用した治療は、直接細胞に注入するなどの方法で行われます。
対して、成長因子を配合したスキンケアアイテムは、肌表面に塗布することしかできません。
自宅で成長因子を取り入れたスキンケアを手軽に行えるのは魅力的ですが、果たして効果は得られるのでしょうか?
成長因子入りスキンケアアイテムを使用するメリット
スキンケアにこだわりをお持ちの方なら、「EGF配合」などのキャッチフレーズに惹かれた経験のある方も多いでしょう。
成長因子入りのスキンケアアイテムを使用するメリットとして考えられるのは、「加齢とともに乱れやすくなるターンオーバーの調節」などの補助的な役割。
やはり美容クリニックでの注入と異なり角質層までの浸透にとどまるため、深くの細胞まで行き届かせるのは難しいと言わざるを得ません。
しかし、失われたハリや弾力を取り戻したい方や、肌のコンディションを整えたい方は、普段のスキンケアにプラスしてみるのも良いのではないでしょうか?
使用する際の注意点
成長因子は、できるだけ多く補えば美肌に近づけるというものではありません。
成長因子のなかには、増えすぎると脱毛などを引き起こす可能性のある種類もあります。
スキンケアに取り入れる際は、成長因子が配合されていれば良いと安易に選ばず配合量や質に注目し、信頼できるメーカーのアイテムを選択しましょう。
自己判断で「原液」として販売されている商品を使用し、肌や身体に悪影響が及ぶケースもあるため、不安がある方は美容クリニックでの治療をおすすめします。
まとめ
成長因子には、悩みの多い肌を美肌へ導くさまざまな可能性が秘められています。
現段階では美容クリニックでの治療と比べ期待度の低い「成長因子入りスキンケアアイテム」。
しかし、今後の研究次第で、セルフケアでも十分に効果を得られる商品が開発されるかもしれません。
成長因子の力が気になる方は、スキンケアアイテムや美肌治療を試してみてはいかがでしょうか?