【医師監修】身体にできるイボの種類とそれぞれの予防・対処法についてご紹介
身体にできるイボは、種類によって原因や特徴などに違いがあります。しかし表面を見ただけでは、どのようなイボなのかわからないものですよね。
「増えたらどうしよう」「このまま治らなかったらどうしよう」と不安に感じる人も多いでしょう。
そこでイボについて、種類ごとに考えられる原因や特徴などをわかりやすくご紹介します。予防を行うためにも内容を最後までチェックしてみてください。
身体にできるイボの種類
身体にできるイボの種類は大きく分けると以下の2つです。さらにそこからさまざまな種類に分かれており、特徴に違いがあります。
・ウイルス性のイボ
・紫外線や加齢によるイボ
それぞれについて特徴や原因を見ていきましょう。
ウイルス性のイボ
ウイルス性のイボには、代表的なものとしてパピローマウイルスによる尋常性疣贅(ゆうぜい:狭義には、これが皮膚科学的にいうイボです)やポックスウィルスによる伝染性軟属腫(俗に言う水いぼ)などが挙げられます。傷口からウイルスが入り込むことによって皮膚感染して発症します。患部を触ってしまうと、別な場所にも接触感染で広がる可能性があるため注意が必要です。
ウイルス性のイボには潜伏期間があります。
尋常性疣贅や伝染性軟属腫は、皮膚バリア機能の低下しているアトピー性皮膚炎の子どもに多いといわれています。かいてしまうと、そこからまた感染して増える可能性があるので気をつけましょう。
ウイルス性のイボの予防・対処方法
ウイルス性のイボは、自然治癒する可能性があります。予防と対策でのカギとなるのが、身体の免疫力です。免疫力が高いと予防につながり、自然治癒も見込めます。
しかし小さな子どもであれば、大人と比較すると免疫力が未熟です。大人でも疲労やストレスが溜まっていると、免疫力が下がって治りにくくなります。高齢者も、若い世代と比較すると免疫力は低めです。
ウイルス性のイボが出たときは、なるべく免疫力を高めるよう意識しましょう。なおウイルス性のイボは、接触によって家族に感染する可能性もあります。イボができたと気づいたら、タオルは家族との共有を避けるのがおすすめです。
紫外線や加齢によるイボ
脂漏性角化症は、一般的に「老人性イボ」と呼ばれているもので、紫外線や加齢などが原因で発症するといわれています。自然治癒が難しく、飲み薬や塗り薬も市販されていません。
特に顔や手などのように、紫外線があたりやすい場所にできるのが老人性イボです。
紫外線や加齢によるイボの予防・対処方法
脂漏性角化症の予防で重要になるのが紫外線対策です。
そのため普段からこまめに日焼け止めを使って、紫外線対策を徹底しましょう。
加齢を止めるのは難しくても、日焼け対策なら毎日の生活に取り入れられます。
顔・手など外から見える部分にイボができてしまうと気になるでしょう。イボができないよう、日ごろから意識して紫外線対策を行うようにするのがおすすめの予防法です。
イボを見つけたら皮膚科の受診がおすすめ
もし身体にイボを見つけたら、なるべく早めに皮膚科を受診するのがおすすめです。
ウイルス性のイボであれば、触ることによって増えたり家族に移ったりするリスクがあります。免疫力により自然治癒する可能性はあるものの、早めに治療をすると安心です。実際の治療としては、液体窒素による凍結療法、ヨクイニン内服などが行われることが多いです。
紫外線や加齢が原因で発症したイボを除去するには、病院での手術や治療などが必要になります。イボの除去では、液体窒素による凍結療法や、レーザー治療などを行うのが一般的です。
原因を特定して適切な対処をするためにも、まずは皮膚科で医師による診断を受けましょう。
まとめ
イボは大きく分けると、ウイルス性のイボ・加齢や紫外線によるイボの2種類があります。原因やできる場所によって、さらに細かく種類が分かれます。
ウイルス性のイボは免疫力によって完治する可能性があるものの、感染性もあるため、自身の病変が増加したり他人に移したりしてしまう前に、皮膚科で治療を開始することがおすすめです。加齢や紫外線によるイボを除去したいと考えているのなら、皮膚科での手術や治療が必要です。
外から見える場所にイボができてしまうと、どうしても気になってしまうでしょう。気になるからと触ってしまうとウイルス性のイボなら増えてしまう可能性がありますので注意してください。
イボができたら原因を特定したうえで適切な対処をするのが大切です。イボを見つけたら、なるべく早い段階で皮膚科を受診してみてくださいね。
監修医師プロフィール
肌クリニック大宮 院長
相馬 孝光
[経歴]
慶応義塾大学経済学部を卒業後、銀行勤務を経て東海大学医学部入学(3年次学士編入学)
日本赤十字社医療センターにて内科研修
東京慈恵医科大学皮膚科学講座入局
同本院、柏病院、NTT東日本関東病院などで一般的な皮膚疾患から皮膚がんを始めとする重症皮膚疾患の臨床経験を積む
現在は、肌クリニック大宮 院長として、さいたま市大宮区で皮膚科・美容皮膚科・アレルギー科のクリニックを運営。一般皮膚科から皮膚外科手術・美容皮膚科・アンチエイジング・医療脱毛の相談まで幅広く診療。患者さんの症状が改善して笑顔になってもらう瞬間にやりがいを感じて日々の診療にあたっている
[取得資格]
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医