【医師監修】エラが目立つのは食いしばりが原因?治療は痛い?手軽にできる改善方法もご紹介

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【医師監修】エラが目立つのは食いしばりが原因?治療は痛い?手軽にできる改善方法もご紹介

 「エラを取ってシャープな小顔になりたい」「フェイスラインをスッキリ見せたい」という悩みを抱えている人も多いはず。
 
顔が大きいのは骨格のせいだから仕方がないと思われがちですが、実は無意識にやってしまうクセが原因になっている場合があります。そのクセを治すことで、理想的なフェイスラインを手に入れられるかもしれません。
 
本記事では、エラ張りの原因や改善方法についてご紹介します。フェイスラインに悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

エラ張りが目立ってしまう原因とは?

顔が大きく見えてしまう原因の一つである「エラ張り」とは、顎の両側が張り出しフェイスラインが四角く見えたり平坦な印象になったりする状態のことをいいます。
 
顔が大きいのは骨格のせいだからどうにもならないという方もいますが、考えられる原因は骨格だけではありません。
 
以下から、顔が大きく見えてしまう原因についてご紹介します。

「咬筋(こうきん)の発達」が要因の一つ

人の身体のどんな組織も「機能が 形態を決定づける」。つまり動きや働きがカタチを決めてしまう、という原則があります。

食事や会話で上の歯と下の歯が合わさっている時間は、じつは1日のうち20分弱に過ぎないのですが
残りの時間も無意識下でほとんど常習的に歯と歯を合わせ、噛みしめ喰いしばりを行っていると噛むための筋肉、例えば咬筋が厚く発達していきます。
24時間 筋トレやっているようなものですね。(咬筋とは頬骨からフェイスラインにある筋肉のことで、ものを噛むときや普段の食事、会話、あくびなど顎を動かすときに使われています)
 
日常生活を送る中で咬筋が過剰に発達することはほとんどありません。しかし、歯ぎしりや喰いしばりのクセがある人は咬筋が鍛えられ、エラが張ってしまいます。

遺伝的に骨格によるものだと思っていても、このように咬筋の発達が原因だったというケースも多いのです。

エラ張りの原因を確認する方法

エラ張りの原因を確認する方法

エラ張りの原因が咬筋によるものか、確認してみましょう。
 
まずはエラに指をあてて、口を「イー」の形に横に広げます。
 
このとき、エラの周りがボコッと盛り上がっていれば、食いしばりによって筋肉が発達している証拠。咬筋が原因で本来の骨格よりも顔が大きく見えてしまっているかもしれません。
 
特に変わらなければ、骨格の問題だと考えられます。

骨格については遺伝的な要素もあるでしょうが、先に述べたように「機能が形態を決定づける」ものでもあります。

長いあいだ噛みしめ喰いしばりが習慣になっていると、下顎骨の後ろ部分に位置する下顎角(かがくかく)という箇所も がっしりと横へ張り出しエラの出っ張りにつながってしまいやすいのです。
さらに、歯があることで保たれている顔の長さがあって、これを咬合高経と言うのですが成人で 4cmほど。
ただし常に噛みしめ喰いしばりがあると歯が顎の骨に押し込まれ、この咬合高経が短くなる傾向があります。
結果的に噛みしめ喰いしばりのせいで、顔はどちらかというと縦方向に短く横方向には逞(たくま)しくなり、そのため ほうれい線、口角線といったシワもくっきり目立ちやすくなりやすいのです。

骨格だけが原因のエラは自分で改善するのがさすがに難しく、美容整形で骨を切除する「骨切り」という施術が有効です。

エラ張りの改善方法

エラ張りの改善方法

咬筋のコリが原因のエラ張りは、筋肉を緩めることで目立たなくできます。ここからは、エラ張りの改善方法を4つご紹介します。

意識的に口の力を抜く

咬筋のコリを防ぐためには、口周りの力を抜くことが大切です。ストレスを感じているときや仕事に集中しているときなど、無意識のうちに歯を食いしばっているという人も多いはず。

 

1. 両手でこぶしをつくり、4本指の第1関節から第2関節までの平らな部分を咬筋に当てます。
2. 口元に力が入らないように、口をぽかんと開けた状態にしておきましょう。
3. 両側から咬筋に圧をかけ、こぶしでクルクルと小さく円を描くようにマッサージします。

 
マッサージをするときは筋肉をほぐすイメージで、痛すぎない程度の圧を意識するのがポイントです。息を止めずに、深呼吸しながら行ってください。

マウスピースをつける

マウスピースを装着することで歯や顎へのダメージを軽減でき、小顔効果が得られることにつながります。
ただしその人の噛みしめ喰いしばりのパターンを理解できる術者が作製しないと、これもなかなか効果は上げられないようです。
 
歯ぎしりや食いしばりの際、歯にかかる力は自分の体重3倍程度にもなるといわれています。つまり体重50kgの方の場合、歯には約150kgもの力が加わることになってしまうのです。
 
歯ぎしりや食いしばりは周りの人から指摘をされないかぎり、なかなか自覚することが難しいものです。「朝起きたら顎が痛い」「昔と比べて顎周りの筋肉が張ってきた」と感じる方は、歯医者さんに相談してみましょう。

ボトックス注射を打つ

ボトックスには筋肉の動きをおさえる働きがあり、発達した咬筋を細くすることが期待できます。施術を受けることでエラが目立たなくなり、スッキリとした小顔になります。
ボトックス注射は数分で完了しダウンタイムもほとんどないため、「できるだけ早く顔を小さくしたい」という方におすすめです。

まとめ

顔が大きく見えてしまう原因の一つである「エラ張り」には、噛むときに使われる筋肉が発達している場合と、骨格自体が突出している場合があり、それぞれ改善方法が異なります。
セルフチェックで原因を特定し、適切な対策を行うことで小顔効果が期待できます。マッサージやマウスピース、ボトックス注射などを取り入れて、理想のフェイスラインを手に入れましょう。

あと 余談になりますが、頭痛や首・肩のこりも噛みしめ喰いしばりが原因となることも圧倒的に多いことも付け加えておきます。

監修医師プロフィール

監修医師プロフィール

領木 治良

りょうきデンタルオフィス(東京都千代田区)院長


1994年鹿児島大歯学部卒 / 2002年開業 / 患者さんごとに異なる歯ぎしり喰いしばりのタイプに応じたカスタマイズドマウスピースを用いて、鎮痛薬に全く頼らない片頭痛治療、噛み合わせ治療を実施。過去20年間の約300症例の9割で慢性的な頭痛の完全解消を得ています。

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