最近、疲れやすくなったな…。40代になり疲れに悩むことが増えてきた方必見!【薬剤師執筆】
「最近何となく疲れやすくなった…」
「40代になってから疲れが増した…」
それは、加齢以外にも原因があるかもしれません。
さまざまな理由から40代は常に疲れがちです。
その裏には、実は怖い病気が隠れていることもあります。
そこで今回は、40代の疲れの原因、そして今日から行えるセルフケアについて解説していきたいと思います。
40代の疲れやすい原因とは
40代にとって疲れの原因は主に次の4つに分けられます。
「筋肉の衰え」
「仕事における責任」
「更年期の影響」
「そのほかの病気」
ここからは、それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
筋肉の衰え
筋肉量は、年齢とともに減少。
日常的な生活の動作ひとつひとつに負担がかかり、エネルギーが必要になり、疲労が蓄積しやすくなります。
そもそも筋肉は、カラダを支えて動かすだけでなく、体温を作り出す役割も担っています。
そして、呼吸や体温維持など、生命を維持するために使われる「基礎代謝」と深い関わりがあるのです。
筋肉量が多いと基礎代謝が高くなり、逆に筋肉量が少ないと基礎代謝が低くなります。
筋肉量が少ないことで、カラダに必要なエネルギーを生成する効率も悪くなり、エネルギー不足に陥って、疲れやすくなります。
仕事における責任
40代になると、出世や昇進などで社内の地位が向上し、プレッシャーも大きくなります。
一般的な会社の平均昇進年齢は、係長が39.6歳、課長が45.1歳です(※1)。
早い方では40代のうちに部長に昇進する場合もあり、より仕事における責任が増す立場になります。
完璧主義だったり、周囲の評価を過剰に気にしてしまったりなど、よりストレスを多く抱え込み、それが肉体的・精神的疲労につながっているケースもあります。
更年期の影響
一般的に、「更年期」は閉経を挟んだ10年間、だいたい45~55歳くらいの方に起こる不調のことですが、最近は30代後半~40代前半の方に起こる「プレ更年期」も注目されています。
プレ更年期は、更年期同様に女性ホルモンの分泌が不安定になることで起こる不調です。
そして、その不調のひとつに疲れやすさがあります。
プレ更年期の影響で卵巣の機能が低下し、脳の指令通りに卵巣が女性ホルモンを分泌できなくなると、「指令を送り続ける脳」「応えられない卵巣」の間で混乱が生じ、自律神経が乱れ、疲れやすさ、だるさの原因になります。
そのほかの病気による影響
疲れやすさを引き起こす病気にはさまざまな種類がありますが、主にうつ病、糖尿病、そして「慢性疲労症候群」が挙げられます。
慢性疲労症候群は、微熱や頭痛、脱力感、抑うつなどが起こり、強い疲労感が6ヶ月以上続く病気です。
これは20~50歳に多く見られ、男性よりも女性に多いと言われています。
慢性疲労症候群の原因は、現代の医学で完全に解明されているわけではありませんが、遺伝的要因、身体的・精神的要因などさまざまな原因が複雑に絡んでいるとも考えられています(※2)。
疲れやすいカラダに効果が期待できる対策
ここからは、疲れやすいカラダに対して適した対策方法を3つほどピックアップして解説していきたいと思います。
質の良い睡眠
「質の良い睡眠」とは、睡眠時間が適切で、入眠困難や中途覚醒がなく、寝つき、寝起きともにスッキリした状態のことを言います。
睡眠の質を上げるにはさまざまな方法があり、たとえば生活リズムを一定にすることは体内時計を正常にキープすることにつながります。
朝・昼・夜の食事を同じ時間に摂取する、就寝の2~3時間前に入浴する、決まった時間に就寝、起床するといった具合に、毎日同じ生活を続けることもおすすめです。
また、朝に日光を浴びれば、睡眠ホルモンのメラトニンの材料になる「セロトニン」の分泌を促せます。
メラトニンは日光を浴びてから14~16時間後に生成されるので、早朝に日光を浴びることで、自然と早寝早起きのリズムが整います。
抗酸化作用のある食材を摂る
酸素を取り込んだ際に、必ず発生してしまう活性酸素は、過剰に生成されると細胞を傷つけたり、老化を進めたり、疲労の原因になったりします。
そこで、抗酸化作用のある食材を摂ることで、疲労回復を期待できます。
抗酸化作用のある栄養素と、食材は以下の通りです。
<抗酸化作用のある栄養素と食材>
・ビタミンC
赤ピーマン
ブロッコリー
キウイ
・ビタミンE
アーモンド
カボチャ
アボガド
・ポリフェノール
プルーン
赤ワイン
紅茶
特に、ビタミンCとEは相乗効果があり、抗酸化作用がアップします。
それぞれ単体で摂るよりも、いっしょに摂取するようにしましょう。
ストレス解消
たとえばウォーキングなどの有酸素運動は自律神経を整えることにつながり、気分転換にもなります。
ただし、運動をしすぎても疲労がたまりストレスの原因になるので、自分のペースを守って無理のない範囲で運動しましょう。
また、日常から少し離れて、音楽や演劇などの芸術に触れるのもいいでしょう。
音楽を聴くことは、自律神経に作用して心拍や血圧を変化させるだけでなく、精神状態にも影響を与え、知覚や認知を活性化させると言われています。
疲れ対策には漢方薬もおすすめ
疲れやすいという悩みには、漢方薬の活用もおすすめです。
漢方薬は、体質そのものに働きかけて、もともとカラダに備わっている治癒力を高めることを得意としています。
そのため、根本からの疲労緩和にアプローチできるでしょう。
また、漢方薬は植物や鉱物などの自然由来の生薬をもとに構成されていて、西洋薬よりも副作用のリスクが低いと言われています。
疲れにくいカラダをめざすには、
「消化・吸収機能を高めて栄養を全身に届ける」
「血流を良くして疲れた筋肉をほぐす」
「自律神経を整え、ストレスによる疲労を減らし、睡眠の質を上げる」
といった働きのある漢方薬を選択しましょう。
<疲労緩和におすすめの漢方薬(※一例)>
●補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
消化吸収などの内臓機能の働きを高めることで、疲労を回復し気力を充実させます。
虚弱体質で食欲がない方におすすめです。
●十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
滞っていた血行を良くし、全身に栄養を届けることで、疲れやだるさを改善が期待できます。
手足の冷えや貧血が目立つ方におすすめです。
なかなか時間がなくて調べる時間や相談しに行く時間がないという方には、漢方のプロにオンラインで個別相談ができ、その方に合った漢方を見極めて、自宅まで郵送してくれるサービスもあります。
<参考>
AI(人工知能)×専門家で実現するオーダーメイド漢方
あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=21243ze0kire0076
まとめ
いかがでしたか?
40代の疲れには、加齢やライフスタイルの変化のほかに、更年期や病気など、さまざまな理由が隠れている場合があります。
今回ご紹介したセルフケアを駆使しつつ、元気に毎日を乗り切っていきましょう。
【参考】
(※1)EL BORDE(エル・ボルデ)by Nomura「30代で“課長”は早い?遅い?80年代生まれの昇進実態に迫る!【前編】 | 80年代生まれのリアル」
記事執筆者プロフィール
あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。
病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。
また、「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信する『Medical Health -メディヘルス-』というYouTubeチャンネルでは、簡単薬膳レシピの動画を公開するなど精力的に活動中。
さらに、症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行っている。