知覚過敏の原因と今からできる3つの対策方法【医師監修】

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知覚過敏の原因と今からできる3つの対策方法【医師監修】

冷たいものや熱いものを食べると歯がしみる、といった経験はありませんか。虫歯でなくても食べ物を美味しく味わえないのはストレスがかかります。

「とはいえ歯科に行くほどでもない…」と思っている方も多いのではないでしょうか。そんな時におすすめなのが、自分で今すぐ対策できる方法。今回は、3つの対策方法をご紹介します。また虫歯との違いや知覚過敏になる原因についてもフォーカスしていくので、是非最後まで読んでみてください。

知覚過敏ってなに

知覚過敏ってなに

知覚過敏とは虫歯、歯の神経に異常がないにも関わらず、刺激があった時に一瞬痛みを感じる症状です。

症状があらわれるのは短時間なので、一般的に生活に影響を与えることは少ないですが、食事中何度も痛みがあったり、1週間以上痛みが長引く場合は歯科へ行って相談するといいでしょう

放っておくことで自然治癒することもあるものの、原因と対策を知ると安心して食べ物や飲み物を味わえます。

具体的な症状例

知覚過敏は冷たいものや温かいもので痛みを感じることが多いですが、それ以外の症状が出ることもあります。冷たいもの、温かいもの以外に、以下のものがしみる場合は知覚過敏を疑ってみましょう。

 

・歯ブラシ

・味付けの濃いもの(ソースなど)

・甘いもの(チョコレートなど)

・すっぱいもの(酢の物、柑橘類など)

 

虫歯の症状と似ていますが簡単な見分け方を次でご紹介します。

虫歯との違い

虫歯との違いは、しみる時間の長さです。

虫歯は、何もしなくてもずっと痛みを感じます。さらに、鏡で確認をすると歯自体にひびが割れていたり、穴が空いていたりすることがあります。

一方、冷たいものや温かいものなどの刺激で痛みを感じた時に、短時間で痛みが治まる場合は「知覚過敏」と判断して良いでしょう。

虫歯とは判断が難しい場合も多いので、痛みが続いている方は必ず歯科へいきましょう。

知覚過敏になる原因

知覚過敏になる原因

次に、知覚過敏になる原因についてご紹介していきます。

歯のエナメルが減っている

歯の頭を覆うエナメル質は歯を保護する役割があります。エナメル質には感覚はなく、すり減ってしまうことで歯の神経系に直接刺激が伝わりやすくなり、知覚過敏を引き起こしていると考えられるでしょう。

具体的には、歯の食いしばりや歯ぎしり、TCH(上下歯列接触癖)などが原因になることがあります。

歯の象牙質の露出

通常、歯を覆っているエナメルを削っても痛みを伴うことはありません。しかし、エナメル質の内側や根を構成する象牙質には感覚があり、部分的に露出することが原因で知覚過敏症になります。

歯の象牙質が露出する原因は下記が挙げられます。

 

・歯磨きの際、力を入れすぎている

・加齢による歯肉退縮による歯の根元の露出

・普段常飲、常食する酸性の強いものが原因で歯が溶けている

・事故、怪我で歯に損傷がある

 

上記にあげた例だけでなく、いくつかの原因が組み合わさることもあるので自分の行動を振り返り、様子を見てみましょう。

今すぐ試したい対策!

今すぐ試したい対策!

知覚過敏は普段の習慣を振り返り改善することで治ることもあります。

自分でできることはないか、まずチェックしてみてください。

歯磨きの方法を変える

歯磨きをする際に力を入れすぎると、歯茎が下がり根元の露出につながることがあります。歯茎やエナメルを削らないよう、毛先が変形しない程度の力がおすすめです。汚れを取るためには硬さは普通でいいので歯ブラシを大きく動かさず、歯と歯茎の境目や歯の表面を丁寧に磨きましょう。歯間ブラシ(SSSサイズなど小さめのもの)を併用すると、より境目や歯と歯の間の汚れを取ることができるので1日1回は習慣的に使いましょう。

歯磨き粉は、ドラッグストアなどで販売されている知覚過敏に薬効のある歯磨き粉を使ってみてください。主に歯の神経への刺激を遮断したり、過敏になった神経を落ち着かせる成分が入っているので、即効性はありませんが徐々に効果が出てくると、快適な食事の時間を過ごせるでしょう。

口腔環境を整える

普段から口の中の環境にも意識を向けると知覚過敏予防につながります。

例えば、歯のブラッシング後にマウスウォッシュを使用すると、マウスウォッシュが口の中の細菌を減らし、歯の象牙質を保護してくれます。選ぶ時はフッ素やカルシウムを含んだ商品がおすすめ。

最近の商品では、歯垢や歯石付着予防ができる商品もあるのでドラッグストアや薬局をチェックしましょう。

生活習慣の見直し

常飲・常食しているものや間食、飲酒、喫煙習慣などの生活習慣を見直すだけでも知覚過敏の改善につながります。

日常的に酸性の強い飲食を続けると、徐々に歯へのダメージは蓄積します。間食の回数が多いと、口の中が悪い状態が続き虫歯や炎症のリスクが高まります。

アルコールは酸性なので歯を溶かす要因に、喫煙は歯が黄ばみ汚れが付きやすくなるだけでなく、歯周病原菌が好む環境をつくり歯茎が下がる要因になります。

日頃から飲食の時間を決めたり、バランスの取れた食生活を意識して偏りがないように過ごしていくといいでしょう。

不安なら早めに歯科へ

ここまで3つの対処法をご紹介してきました。自分で対処できるとはいえ、我慢や自己判断は禁物。もし食べる時や飲む時に、1週間以上しみるようであれば歯科へ行きましょう。

無理に自己解決しようとせず、医者へ相談することで適切に処置や指導をしてもらえます。

その後、定期的に歯科医師の診察を受けることも知覚過敏の対策になります。定期的な検診やクリーニングを受けることで、早めに問題を発見でき、早期解決へとつながります。また、口腔内の炎症や歯石の除去を行い、口腔の健康を維持することができますよ。

まとめ

今回は知覚過敏になる原因と今からすぐにできる対策について3つご紹介しました。

知覚過敏の対策は、虫歯予防にもつながります。
はじめは虫歯との違いに戸惑うこともありますが、自分でケアできる部分は限られているので、1度は歯科医院へ相談してみるといいでしょう。

とはいえ、ベストなのは異常がないこと。普段から歯を大事にするためにも、生活習慣の見直しや歯磨きの仕方などを見直して過ごすことは予防するためには重要でしょう。

監修医師プロフィール

監修医師プロフィール

藤井歯科医院 院長

藤井 隆彦

 

朝日大学歯学部卒業後、広島大学歯学部にて臨床研修を経て広島大学歯学部顎・口腔外科に入局。口腔外科を専攻し、学位取得後臨床医として在籍。病院内で口腔外科だけでなく、口腔ケアチームに協力し入院患者の口腔管理を行っていた。平成28年に父が開業した山口市の藤井歯科医院へと帰郷、平成31年より院長となり診療所を継承した。

お口や歯のことを気軽に相談でき、最適な治療を提案できるよう尽力。山口県歯科医師会地域保健委員に任命され、県内のさまざまな歯科活動の運営・推進を行っている。

 

[所属学会]

日本口腔外科学会

日本糖尿病学会(登録歯科医)

日本学校歯科医会(山口市大殿小学校校医)

 

[クリニック]

公式HP  https://dc-fujii.net/

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