「令和」が始まる!元号から中国古典に触れてみよう
意外と知らない中国古典
中国古典と日本の元号の関わりが深いことはわかりましたが、中国古典について詳しい、という方はあまりいないのではないでしょうか。平成以前の元号と密接に関わっていた中国古典。普段あまり触れることは無いかも知れませんが、これを機に日本の元号に関わってきた中国古典、知っておきたい有名な中国古典をご紹介します。
儒教の経書、四書五経
四書五経、なんとなく聞いたことがあるのではないでしょうか。
四書五経とは、その名の通り「四つの書」と「五つの経」の総称です。
「四つの書」には『大学』『中庸』『孟子』『論語』があり、「五つの経」には『詩経』『書経』『礼記』『易経』『春秋』があります。
それぞれの書や経には、どのような内容が書かれているのでしょう?1つずつご紹介していきます。
この書には、”学問のバイブル”が収められています。大学ではどのようなことを学ぶのか、大学ではどのように過ごしたらいいのか、今の時代の大学生にも役立ちそうな内容となっているんですね。いざ大学に入ったもののなんとなく毎日が過ぎていっている…というそこのあなた!オススメです。
中庸、という言葉は”喜怒哀楽に偏らない、中正”な状態を指します。これは今の社会を生きる人々にとってとても大切なことで、「今日はカッとなってしまった…」「空回りをしてしまった…」などと喜怒哀楽の振り切れた感情や、それに対する反省の感情などを一旦置いておこう!ということなのです。常に人目を気にして気疲れしまっている大人に、もってこいの書ですね。
孟子と聞いて頭に浮かぶのが、”性善説”ですね。”性善説”は、簡単に言えば”人は生まれながらにして善良”であり、生きていくうちに汚れてしまう、ということを指しています。あれ、子供の頃はあんなに純粋だったのに…と思うこと、ありませんか?胸に手を当てて読んでみましょう。
論語は、簡単にいうと”道徳に基づいた名言集”のようなものです。孔子とその弟子とのやりとりを、孔子の死後に弟子たちがまとめたものとなります。論語には全体を通した話の流れなどはないので、”名言集”としてパラパラと気軽に読めるのがありがたいですね。
詩経は、”周王朝時代〜春秋時代に集められた地方民衆の詩”から成り立っています。当時は王が民衆の暮らしぶりを把握するために集められていた詩ですが、今となっては重要な資料となりました。当時の民衆の生活が細かくわかるのです。
書経には政治や祭事のまつりごとが書かれています。何と言っても、日本の元号「昭和」と「平成」はここから引用されました。「昭和」は「百姓昭明なり、万邦を協和せしむ」から、「平成」は「地平らかに天成り」からきています。日本との深い縁を感じますね。
先ほど説明した『大学』と『中庸』の元となったのが礼記です。様々な”礼”がまとめられています。
易経には、古くからの占いについてや、”道理”についてが書かれています。ちなみに、先ほどの書経と同じように、日本の元号「明治」と「大正」の由来としても有名で、日本の元号と四書五経との関わりが深いことが更にわかるのではないかと思います。
春秋には、孔子がまとめた魯の国の「隠公」から「哀公」での出来事が書かれています。ここまでの教訓や文化的なものから少し外れ、春秋・戦国時代の様子がわかるものになっています。
まとめ
少し難しそうなイメージのある中国古典ですが、今回は有名な四書五経についてまとめてみました。改めて中国古典について考えてみると、ただの古典というよりは、今の日本人にも役に立ちそうな教訓や名言が集まった書物、という印象を受けませんか?
少し堅苦しい印象があったり、学生時代に勉強してから随分遠ざかっていた…という方も、生活や人生のヒントとなってくれるかもしれません。
今回の元号、令和は日本古典からの引用ですが、今までの元号が中国古典から引用されていたことを考えると、「昭和」や「平成」にも深い意味があったんだなあと改めて確認することができたかと思います。この機会にぜひ手にとってみて下さい。
参考url
・講談社
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/63799?page=4
・疲れた摩天楼のオアシス
https://skyscraper-oasis.com/2019/04/01/reiwa-origin/
・exciteニュース
https://www.excite.co.jp/news/article/Recordchina_20190401022/
・知れわた!
・冷静と情熱のアイダ
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