コラーゲンペプチドのサプリは効果なし?摂取することで肌に与える効能やメカニズムを徹底解説

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コラーゲンペプチドのサプリは効果なし?摂取することで肌に与える効能やメカニズムを徹底解説

「コラーゲンペプチドを摂っても分解されてしまうから意味がない」

 

あなたも一度はどこかでこんなことを聞いたことがあるのではないでしょうか?

 

しかし近年、コラーゲンに関する研究が進むにつれて

今までの常識が覆りつつあります。

 

今回は、「コラーゲンペプチドサプリメントの摂取による効果」にクローズアップ。

様々なデータをもとに、その効能やメカニズムに関して解説していきたいと思います。

 

結局コラーゲンペプチドって意味あるの?ないの?と気になっていた方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

コラーゲンペプチドとは

コラーゲンペプチドとは

近年市販されているコラーゲンサプリメントのほとんどは、

「コラーゲンペプチド」という成分名で配合されています。

 

まずはこの「コラーゲンペプチド」がどのような成分なのか、簡単にご説明したいと思います。

みなさんもよくご存知の「コラーゲン」とは、動物の骨や皮に多く含まれるたんぱく質の一種。

構造を見てみると、細長い分子の塊が3本よりあわさって、らせんのような形で存在しています。

 

このコラーゲンを加熱すると、その3本がはずれてバラバラの状態になります。

これが「ゼラチン」です。

 

そして、このゼラチンをさらに酵素などで分解したものが「コラーゲンペプチド」と呼ばれます。

コラーゲンペプチドは分子量が小さいため、体内に吸収されやすいとされています。

コラーゲンペプチドは効果がない、は本当?

巷ではそんなコラーゲンペプチドをパウダー化した商品や、ドリンクに配合した商品が多く存在する一方、「コラーゲンペプチドを飲んでも効果はない」という声があるのもたしか。

 

効果がないとされる理由としてよく挙げられるのが「胃で消化されてアミノ酸になってしまうから」というものです。

 

たしかに、コラーゲンペプチドは胃で消化され、アミノ酸になってから吸収されるので、コラーゲンの形で肌まで届くわけではありません。

 

アミノ酸は、たんぱく質の最小単位。

ここまで分解されてしまったものは、コラーゲンとしての原型もありませんし、もうコラーゲンとは呼べません。

 

コラーゲンだけでなく、どんなたんぱく質でも胃で消化されれば最小単位のアミノ酸になるため、

「わざわざコラーゲンという形で摂ることに意味なんてない。どうせアミノ酸に分解されるのだから、お肉を食べたり、プロテインを食べたりすればいい。」

という意見が存在しているのです。

 

たしかに筋が通っていますし、一理あります。

 

しかし近年、研究によって面白いことが分かってきました。

それは、全てのコラーゲンペプチドがアミノ酸まで分解されるわけではなく、一部はコラーゲンペプチドのまま吸収されるということです。

コラーゲンペプチドは効果がない、は本当?

コラーゲンペプチドの中には、分子構造がねじれていて酵素で切れにくいものや、分子が小さくて酵素から切る場所を見つけられにくいものも存在しているため、こういったものはアミノ酸に分解されることなくそのまま吸収されるのです。¹

引用:ファンケル研究開発レポート コラーゲンペプチドが皮膚に届くことを確認

 

ファンケルが行った研究では、コラーゲンを経口摂取した後、血液と皮膚に届いたペプチドが測定されました。²

その結果、アミノ酸にまで分解されていない17種類のペプチドが、血液中、そして皮膚にまで到達しているということが確認されたのです。

 

とはいえ、

「コラーゲンペプチドの状態で吸収されたからといって、どうなるの?」

「アミノ酸として吸収されるのと何が違うの?」

と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

実は、体内に吸収されたコラーゲンぺプチドは、アミノ酸とは違った、様々なはたらきをすることが分かってきました。

コラーゲンペプチドの美容効果に関する研究

その効果は、多岐にわたります。

骨芽細胞の文化を促すことで骨や関節の軟骨を丈夫にしたり、傷跡の治癒を促したり。

 

そして気になる美容という観点で言うと、バリア機能を高める効果や、肌にハリを与えてシワやたるみを改善する効果が期待されています。

 

株式会社ニッピによって行われた研究では、35~65歳の日本人女性を対象に、1日5gのコラーゲンペプチドを含む食品を摂取する群と、含んでいない食品を摂取する群に分けられ、摂取4週目と8週目に皮膚測定器で肌の状態が測定されました。³

 

すると、シワの個数の減少はコラーゲンペプチド群の方が大きく、摂取8週目で統計学的に有意な差があることが確認されたのです。

この変化は、年齢で言うと平均で約3.7歳の若返りに相当します。

 

その他、同試験では肌の色ムラ、凹凸、赤み等も有意に減少していることが明らかになりました。

 

このように、コラーゲンペプチドの摂取によって肌が若返るという結果は、複数の研究によって示されています。

 

「コラーゲンは摂っても意味がない」と以前は言われていましたが、

近年は効果がある可能性が濃厚になってきたのです。

 

そしてこういった美容効果が得られるのも、コラーゲンぺプチドの一部がアミノ酸としてではなく、コラーゲンペプチドの形で吸収されているからであると考えられます。

 

とはいえ疑問なのは、

「なぜコラーゲンぺプチドが体内に入ると美肌効果が得られるのか」

ということ。

 

コラーゲンペプチドも、構造はただアミノ酸が連なっているだけ。

にもかかわらず、普通のアミノ酸では得られない美容効果がコラーゲンペプチドには期待することができるのはなぜなのでしょうか?

とても不思議ですよね。

 

この問いに対する答えはまだ完全には出ていませんが、複数の研究によると、吸収されたコラーゲンペプチドには肌のコラーゲンを分解する酵素を阻害するはたらきがあるという結果⁴や、ヒアルロン酸の合成を高めるというはたらきがあるという結果⁵が出ており、それによって肌のシワやたるみが改善されると考えられています。

 

コラーゲンペプチド摂取による美容効果のメカニズムに関しては世界中で研究が進められている途中なので、これからもっと解明されていくといいですね。

コラーゲンペプチドは一日どのくらい摂取すればいい?

コラーゲンペプチドは一日どのくらい摂取すればいい?

さて、コラーゲンペプチドを摂取することで美容効果が期待できるということがわかったところで、次の問題は「どのくらい摂取するべきか」ということ。

 

実際に使用されたコラーゲンの量は研究によって差異があり、

たとえば先ほどの、経口摂取によりコラーゲンペプチドが血流や肌に届くことが確認された、という研究²で用いられたコラーゲンペプチドの量は、体重1kg当たり300mg/日。

 

シワの個数や色ムラ、赤みの減少が確認された研究³で用いられたコラーゲンペプチドの量は5g(5,000mg)/日でした。

 

このように研究によってもばらつきがありますが、一般的には、一日で5g(5,000mg)~10g(10,000mg)程度が目安だと考えられています。

 

食材でこの量を摂ろうとすると、鶏の手羽先なら300g以上食べる必要があります。

不可能ではありませんが、結構な量ですよね。

 

毎日適切な量のコラーゲンペプチドを摂取するためには、やはりサプリメントやドリンクを活用するのが最も効率的です。

コラーゲンペプチド以外に肌のコラーゲンを増やす方法

さて、ここまでは「コラーゲンぺプチドを摂取することで、美容効果は期待できるのか」ということについてご説明してきました。

 

結論としては、様々な研究結果から「効果を期待できる」と言ってもいいのではないかと思います。

 

ここまで読んで、

「早速コラーゲンペプチドのサプリメントを買いに行こう!」と思われた方も多いかもしれませんが、ここでプラスアルファの知識を共有したいと思います。

 

それは、「コラーゲンペプチドの摂取以外にも、肌のコラーゲンを増やす方法はある」ということ!

 

もちろんコラーゲンペプチドのサプリメントを摂り入れるのはとてもおすすめですが、それに加えて今からご紹介する方法を取り入れることで、より効率的にコラーゲンを増やし、肌にハリを与える効果が期待できるということ。

 

それはなにかというと、「筋トレ」

ポーラ化成工業株式会社の研究によると、運動を行うと肌の弾力と真皮の構造が改善することが明らかに。

特に筋トレでは、真皮の厚みまで増加していたんだそう。⁶

 

これは、運動によって血中成分に変化が起こったことで、コラーゲン・ヒアルロン酸・プロテオグリカン・バイグリカンといった真皮を構成する成分が増加したのだと考えられています。

 

つまり、筋トレを行い、さらにコラーゲンペプチドを摂れば鬼に金棒。

ダブルの効果で真皮にアプローチすることができるのです。

 

ちょっとした筋トレでも効果は期待できますので、ぜひ今日から試してみてくださいね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

本日は、「コラーゲンペプチドを摂取することによる美容効果」についてお話ししました。

 

2000年代はまだ研究が進んでおらず、「コラーゲンの摂取は意味がない」という考え方が一般的でしたが、近年はその美容効果を裏付ける論文が続々と発表されています。

 

コラーゲンペプチドを配合した商品はたくさん販売されているので、ぜひご自身のお口に合うものを取り入れて続けてみてくださいね。

 

¹新ゼラチン web研究所ペプチド研究室「コラーゲンペプチドの新事実」

²Yazaki, M.; Ito, Y.; Yamada, M.; Goulas, S.; Teramoto, S.; Nakaya, M. A.; Ohno, S.; Yamaguchi, K., Oral Ingestion of Collagen Hydrolysate Leads to the Transportation of Highly Concentrated Gly-Pro-Hyp and Its Hydrolyzed Form of Pro-Hyp into the Bloodstream and Skin. J. Agric. Food Chem. 2017.

³株式会社ニッピ 所員による研究レポート レポートno.005 「食べるコラーゲン」の効果を検証する

Jiang Liang; Xinrong Pei,; Zhaofeng Zhang; Nan Wang; Junbo Wang; Yong Li; The protective effects of long-term oral administration of marine collagen hydrolysate from chum salmon on collagen matrix homeostasis in the chronological aged skin of Sprague-Dawley male rats. J Food Sci. 2010

Hiroki OHARA; Satomi ICHIKAWA; Hitoshi MATSUMOTO; Minoru AKIYAMA; Norihiro FUJIMOTO; Takashi KOBAYASHI; Shingo TAJIMA; Collagen-derived dipeptide, proline-hydroxyproline, stimulates cell proliferation and hyaluronic acid synthesis in cultured human dermal fibroblasts. Food Functionality Research Center.2010

⁶錦織 秀; 原田 靖子; 白井 悠暉; 武重 史佳; 安田 純; 村田 果央; 藤田 聡; 『運動と美 ~筋トレが皮膚老化を改善する~』. ポーラ化成工業㈱ フロンティアリサーチセンター.2020

執筆者プロフィール

執筆者プロフィール

コスメコンシェルジュ

宇佐美うさ(うさみ・うさ)

 

東京都下生まれのコスメコンシェルジュ。

美容業界に従事し約10年。化粧品販売員・化粧品商品開発者・美容ライター等の経歴を持つ。

近道でキレイになるための方法や、化粧品成分の読み解き方を発信すべく活動している。
一番の関心事はエイジングケア。

 

保持資格

 

化粧品検定1級

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