電気代が値上げで倍に?!電気代が高くなった原因は社会情勢にあった!高騰の要因や電気代を安くする裏技もご紹介

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電気代が値上げで倍に?!電気代が高くなった原因は社会情勢にあった!高騰の要因や電気代を安くする裏技もご紹介

そこのあなた、

電気代の明細書を見て「はぁ~」とため息をついてはいませんか?

 

ここ数年は電気代の高騰が続いていて、「以前の倍になった」という声も。

多くの家庭で家計を圧迫しているかもしれませんね。

 

そこで今回は、そんな「電気代」に焦点を当てていきたいと思います。

 

ここ最近電気代が高くなってしまった原因は?

どうすれば電気代を安くすることができる?

 

そんな疑問に詳しくお答えしていきます。

 

今後も電気代の高騰はまだまだ続くことが予想されるので、各々が電気代についての知識をつけて賢く節電していくほかありません。

これからお話しする内容を意識して、電気代の節約に役立ててみてくださいね。

最近電気代が高いのはなぜ?原因を解説

最近電気代が高いのはなぜ?原因を解説

ここ数年、電気代の高騰がなにかと騒がれていますね。

 

みなさんの中にも、お家に届く電気代の請求書を見て「えぇ?!」と驚かれた方も少なくないかもしれませんね。

 

でも一体、なぜこんなに電気代が高くなってしまっているのでしょうか?

そこには、日本や世界のさまざまな情勢が関係しています。

(1)燃料の価格が高騰している

(1)燃料の価格が高騰している

まず第一に挙げられるのが、電気を作るのに欠かせない燃料の価格高騰です。

 

現在の日本における電力の供給源は、約7割が火力発電となっています。

そして火力発電に必要となるのが、石炭・石油・天然ガスといった燃料。

これらがなければ電気を作ることができません。

 

そんな重要な燃料の価格が、さまざまな原因により非常に高騰しているのです。

その原因とはいったい何なのでしょうか?

 

1つ目の原因は、「新型コロナウイルスの影響」

「え、新型コロナウイルスと燃料価格の高騰にどんな関係が?」と思われたかもしれませんね。

 

事の発端は、コロナ禍の経済停滞の話にさかのぼります。

当時、ロックダウン(都市封鎖)などで人や物が移動しなくなったことにより、化学燃料の需要が大きく減少し、原油価格は暴落しました。

燃料の供給過多を調整するため、中東やロシアなどの原油国から構成されるOPECプラスは、石油の生産を減らしました(協調減産)。

 

やがて新型コロナウイルスも徐々に落ち着き、資源のニーズが高まることで暴落していた原油もだんだんと適正価格になっていったのですが、思いのほかコロナ禍の終焉と経済回復のスピードが早かったため、今度は供給が足りない事態に。

一度減らしてしまった生産を元に戻すには時間がかかるようで、まだ現在も供給が足りていないため、原油価格が高騰し続けているというわけです。

 

燃料費高騰の2つ目の原因は、「ロシアによるウクライナ侵攻」

現在話題になっているロシアによるウクライナへの侵攻も、燃料が高騰してしまった原因のひとつです。

ウクライナへの侵攻をやめないロシアに対して経済制裁を加えるため、アメリカやEU諸国はロシアからのエネルギー資源の輸入をストップしました。

 

ロシアは化石燃料や天然ガスの保有数・輸出量ともに上位の国だったこともあり、そこからの供給がなくなったことでますます資源が不足する事態となってしまいました。

 

燃料費高騰の3つめの原因は「円安」です。

これはとてもシンプルな原因ですが、現在の大幅な円安も燃料高騰の原因。

2024年3月12日現在で1ドル=147.56円と引き続き円の価値が低い状態にあるため、化学燃料エネルギーを輸入するのに多くのコストがかかってしまっています。

 

こういったさまざまな要因が重なったことにより、燃料費が非常に高騰しているというのが現在の状況なのです。

(2)国内の電力供給が不足している

(2)国内の電力供給が不足している

電気代が高くなった2つ目の原因は「国内の電力供給が不足している」ということ。

2010年の頃と比べると、発電量は約1割も減っていると言われています。

 

その大きな理由のひとつとして、2011年の東日本大震災をきっかけに「原子力発電」をほとんど止めてしまったことが挙げられます。

資源エネルギー庁「エネルギー白書2023」によると、2010年時点だと原子力発電が発電電力量全体の25%を占めていたのに対し、2021年にはたったの7%にまで減ってしまったのです。

※出典:https://www.ene100.jp/zumen/1-2-7

 

また、現在の発電電力のうち最も大きい割合を占めるのは火力発電ですが、全国で火力発電所の休止・廃止が相次いでいるのも要因のひとつ。

その理由はとてもシンプルで、稼働しても「採算が合わない」ということが挙げられます。

 

というのも、火力発電所は他の発電施設と比較すると、施設のメンテナンスや運営にお金がかかります。

それに加えて最近は多くの火力発電所が老朽化しつつあるため、休止・廃止してしまうというケースが後を絶たないのです。

 

こういった事情により、国内の電力供給が不足しているというのも大きなポイントです。

(3)再エネ賦課金の単価が上がっている

電気代が高騰している最後の理由が「再エネ賦課金の単価が上がっている」ということ。これが少々厄介なのです。

 

みなさんの電気代の請求書にも「再エネ発電賦課金」という項目があるはずですが、「これはなんなのだろう?」と思ったことはありませんか?

そして、これが年々高くなっていることに気づきましたか?

 

再エネとは「再生可能エネルギー」のことで「太陽光、風力、水力、地熱、太陽熱、バイオマス」などを指します。

これらのエネルギーは火力などの化石燃料と違い、いくら使っても枯渇しないという特徴があります。

たとえば、太陽の光も風も「使いすぎて無くなってしまった」ということにはなりませんよね。

 

こういった再生可能エネルギーのメリットは枯渇することがないだけではありません。

二酸化炭素を出さないため環境に優しかったり、燃料を他の国に依存することがないため自給自足できたり、というさまざまなメリットがあるのです。

 

日本はこの再生可能エネルギーの割合を増やせるよう進めているのですが、完全に普及するまでは導入費用がかかるため、火力発電などに比べるとしばらくの間はどうしても割高になってしまいます。

 

そこで、再エネをより導入しやすくするため、「一定期間に渡り、再エネで発電した電気を一定価格で買い取ること」を約束する「固定価格買い取り制度(FIT)」という仕組みを作ったのです。

 

これによって、企業はもちろんのこと、個人でも発電によってお金を稼ぐことができるようになりました。

たとえば、一般住宅で太陽光発電を行って収入を得る「太陽光発電投資」はその典型ですね。

この制度が作られたことで、再エネ発電は年々普及しつつあります。

 

しかし、この再エネで発電した電気を買い取る費用、

一体どこから捻出されているのでしょうか?

 

実は、私たちの電気代からなのです。

そしてそれこそが「再エネ発電賦課金」の正体だったのです。

 

つまり、「完全に普及するまでは、再エネ電気の買い取りにかかる費用は国民全員で負担しましょうね。」というのが「固定価格買い取り制度(FIT)」という制度です。

 

この制度がいつ終了するのかは、今のところまだ未定です。

再エネ発電は年々普及し、作られる電気自体も増加しているため、私たちが支払う「再エネ発電賦課金」が増えているというわけなのです。

電気代を安く抑えるにはどうしたらいい?高騰への対処法を紹介

電気代を安く抑えるにはどうしたらいい?高騰への対処法を紹介

このように、国内・国外のさまざまな情勢により、電気代は年々高くなってきていますし、今後も高騰が予想されています。

 

いままでと同じように電気を使っていたら、電気代が高くついてしまうのは避けることができません。

 

電気代の高騰と戦うには、各家庭が電気の使い方を工夫する必要があります。

では、具体的にどう工夫すればいいのでしょうか?

(1)家電や照明器具を省エネ性能の高いものに買い替える

(1)家電や照明器具を省エネ性能の高いものに買い替える

まず私たちにできるのは、

「電化製品や照明器具を省エネ性能の高いものに買い替える」ということ。

 

とはいえ、なんでもかんでもむやみやたらに買い替えればいいというわけではありません。

もともと使用量が大きくないものを買い替えたところで、大きな効果を得られない場合もあります。

 

まずは、「何に電気代がかかっているのか?」を知ることが大切です。

資源エネルギー庁の調査によると、電気使用料が高いものを順に並べると次の通りとなりました。

 

1位:電気冷蔵庫 14.2%

2位:照明器具 13.4%

3位:テレビ 8.9%

4位:エアコン 7.4%

5位:電気便座 3.7%

 

※世帯当たり電気使用量:4.618kWh/年(2009年度)

※出典:総合資源エネルギー調査会省エネルギー基準部会(第17回)

 

電気代を安く抑えるためには、これら電気使用量が高いものから買い替えを見直すことが効率的です。

 

第一に見直すべきは、冷蔵庫

近年の冷蔵庫の進化はめざましく、10年前の冷蔵庫に比べると消費電力量が1/3~半分になっていると言われています。

長年使用している冷蔵庫は、これを機に買い替えても良いかもしれません。

1年あたり5,000円以上電気代が安くなる可能性も十分にあります。

 

続いては、照明器具

見直していただきたいのが、照明の種類です。

もしまだ蛍光灯や白熱電球を使用しているという場合は、ぜひこれを機に「LED照明」に替えることをオススメします。

 

使用する商品や使用する時間によっても変わってきますが、たとえば白熱電球をLEDに替えるだけで、照明の電気代が1/6ほどになるというケースも珍しくありません。

LED照明の商品自体の価格は白熱電球や蛍光灯と比べてやや高い傾向がありますが、一度交換してしまえば節電効果がずっと続くので、最終的には安くつく可能性が高いと考えられます。

 

また、LED照明はかなりの長寿命。

白熱電球の寿命が約1,500時間、蛍光灯の寿命が約9,000時間である一方、LED電球はなんと約45,000時間も持つと言われています。

たとえば、一日に10時間使用する場合、白熱電球は約35回、蛍光灯は約4回交換が必要ですが、LED照明はたった1回の交換で済みます。

LED照明のほうがいかにお得か、ということがお分かりいただけましたでしょうか?

 

続いては第4位のエアコン

エアコンは使い続けると1年ごとに5%ずつ消費電力が増えると言われています。

つまり、10年使えば消費電力は50%も上がるということ。

 

一般的にエアコンの寿命は10~15年と言われているので、既にその程度の期間が経っている場合は、買い替えを検討してみても良いかもしれません。

 

とはいえ、エアコンは冷蔵庫や照明のように常時点けておかなければいけないようなものではないので、使い方を工夫すれば買い替えなくても消費電力を減らすことは可能です。

 

買い替えにも決して安いとは言えない費用がかかるので、まずは設定温度を調整したり(1度違うだけで約10%の節電効果があると言われています)、寒暖に合わせて洋服を変えたり、冬は電気毛布を使うなど、アナログな方法で節電に努めてみるのも良いかもしれません。

 

このように、買い替えることでどれほどの節電効果が得られるか、ということを計算した上で検討してみてくださいね。

(2)電力会社を見直す

(2)電力会社を見直す

電気代を安くする最も抜本的な方法は、「電力会社を見直す」という方法です。

 

2016年4月以前は決まった電力会社としか契約できなかったのですが、電力自由化によって今では自由に電力会社を選んで契約することができます。

しかも、電力会社を見直すだけで毎月の電気代が安くなる可能性があるのです!

 

「電力会社を変えるなんて、なんだか大変そう」と思われるかもしれませんが、意外ととっても簡単!

新しい設備などを導入したり工事をしたりする必要もありませんし、切り替え先の電力会社にネット申し込みするだけで完了できてしまいます。

契約が完了すれば自動的に今の電力会社は解約になるので、解約届を出す必要もないんですよ。

 

重要なのは、どの電力会社を選ぶかということ。

選び方を間違えると、逆に前の電力会社より高くついてしまった…なんて失敗もあり得ますので、ここは慎重に選んでみてくださいね。

 

電力会社を選ぶときは、電力会社の比較サイトやシミュレーションサイトなどを活用すると自分に合った電力会社を選ぶことができます。

まずは検針票や電気代のお知らせの紙を手元に用意して、シミュレーションサイトで情報を打ち込むだけで、おすすめの電力会社を提案してもらえますよ。

 

また、電力会社を選ぶうえで、注意点すべきポイントが2点あります。

 

まず1つ目は、出来る限り「違約金・解約金がかからない電力会社を選ぶ」ということ。

ほとんどの電力会社は違約金・解約金がかかりませんが、中にはこれがかかる会社もあります。

 

実際に乗り換えた後に「思っていたよりも安くならなかった…」「初年度はキャンペーン料金で安かったけど翌年度はお高めだった…」という場合もあり得ますので、万一のためにもいつでも解約できる電力会社にしておきましょう。

 

2つ目として、「市場連動型プランは避ける」ようにしましょう。

市場連動型プランとは、電気代の単価が市場価格(正確には、日本卸電力取引所の取引価格)に連動して変動するというプランのこと。

発電に使われる燃料の価格変動が電気代に反映されるという特徴があります。

 

このプランだと、燃料などが安いときは電気代がとても安くなるというメリットがありますが、今のように燃料価格が高騰しているご時世だと、電気代が跳ね上がってしまうというリスクがあります。

市場価格にハラハラしながら過ごさなくても良いよう、市場連動型プランは避けるようにしてください。

 

これらのポイントを押さえれば、電力会社選びで大きな失敗はしないでしょう。

電力会社は一度乗り換えてしまえば節電効果がずっと続くので、ぜひ検討してみてくださいね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

本日は電気代が高騰している背景と、このようなご時世にどのようにして電気代を抑えるか、ということについて解説いたしました。

 

最近は電気代が高くて家計が苦しい・・・と感じている方も多いかもしれません。

当面の間はこの状況が続くことが予想されますので、今自分にできる対策を知って、賢く電気代をコントロールしてみましょう。

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