【医師監修】私って不妊症なの?正しく治療して、健康な命を授かりましょう。

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【医師監修】私って不妊症なの?正しく治療して、健康な命を授かりましょう。

子供を授かりたいと思うタイミングは、人それぞれです。

結婚した後でも、ご夫婦で相談して妊娠を先に延ばしている方もいらっしゃります。

結婚前の女性でも、「将来は子供が欲しい」と思っている方も多いのではないでしょうか。

 

そういった中で、「最近、不妊治療を受ける方が増えている」というニュースを聞くと、「もしかしたら、自分も不妊症じゃないだろうか」という不安が頭をよぎることもあるかもしれません。

 

今回は、不妊症の基準から原因、治療方法までご紹介していきます。

不妊症で悩んでいる方や、これから治療を考えている方にとって、理解の一助となりましたらと思います。

そもそも不妊症とは?

最近、”不妊症”という言葉をよく耳にするようになりました。

古くは、妊娠しないのは女性に原因がある、という考えが流布している時代もありましたが、今では、男性にも原因があるということが分かり、不妊症はご夫婦やカップルで協力して取り組んでいくことが大切です。

 

まずは、不妊症とはどのような状態のことを指すのかをご説明していきます。

私って不妊症なの?

妊娠を望んでいるのに妊娠しない場合、「私って不妊症なのかな?」と思うこともあるかもしれません。

 

一般的に、まったく問題のない女性と男性が、定期的に避妊をせずに性行為を行なっている場合、2年以内に妊娠することが多いといわれています。

もちろん、2年以上経って妊娠する場合もありますが、長期間妊娠しないご夫婦やカップルの中には、何か妊娠を妨げるような原因が隠れている可能性もあります。

 

以前は、この「2年」というのを区切りに不妊症は定義されていました。

 

最近では晩婚化が進み、年齢因子による不妊症が増えてきました。

そこで、妊娠を急いだほうがいいという意味も加味され、現在は「妊娠を希望するご夫婦やカップルが1年間妊娠しなかった場合に不妊症と診断する」と定義されるようになりました。

 

不妊症って病気なの?

かつては、「不妊症は病気ではない」という考え方もあり、未だにそういった感覚が世の中には一部残っているかもしれません。

それは、先に述べたように、「不妊の原因は女性にある」という古い考え方に基づいていたり、まだ超音波検査やCT・MRIなどの検査が発達していなく、原因を特定することができなかった時代の名残ではないかと思います。

 

現在は、検査や研究の進歩の中で、以前は原因不明だったことが解明され、治療ができるようになったことも増えてきました。

「不妊症」というのは「妊娠できていない夫婦またはカップルの状態」を表している言葉ではありますが、それもひとつの疾患として扱い、治療する時代になりました。

 

不妊症の原因として考えられること

不妊症の原因として考えられること

超音波検査を始めとし、CT、MRI、ホルモン検査や腹腔鏡検査といった検査の進歩により、かつては特定できなかった不妊症の原因も、今では明確に分かることも増えてきました。

そういった原因は、以下のように大きく分けることができます。

 

①女性側に主な原因がある

②男性側に主な原因がある

③原因が不明

④両者に原因がある

 

と、4つのケースに分けられます。

ここからは、それぞれに分けて原因をご説明していきます。

女性側の原因

女性が妊娠をするための大切な臓器は、「子宮」「卵巣」「卵管」です。

子宮筋腫や子宮内膜症などの疾患によって、それらの機能が正常に働かなくなることが原因となって、不妊症が引き起こされます。

 

その状態によって、不妊症の原因には、排卵障害、着床障害、ピックアップ障害など様々なものがあります。

また、妊娠にはエストロゲンやプロゲステロン(黄体ホルモン)といったホルモンも重要になります。

 

男性側の原因

男性側の因子として重要なことは、「精子の状態」になります。

 

精子の数に問題がある場合には乏精子症や無精子症、精子の動きに問題がある場合には精子無力症といった疾患があります。

勃起不全などによる性交障害や射精障害も男性不妊のひとつとなります。

 

どちらに原因があるの?

不妊症の原因として、WHOの発表では「女性のみ41%、男性のみ24%、両方ともに24%、原因不明11%」とされています。

女性は妊娠するための要素が、男性よりも複雑なため、不妊の原因としての割合が多くなっているものと考えます。

 

しかし、男性が原因となっている割合は、全体の48%に及ぶことからも、不妊症は女性の問題ではなく、男性も取り組む必要があるということは明白です。

 

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