忙しい朝、子どもがごはんを食べてくれない!解決方法を脳と栄養のプロが解説【専門家監修】
寒い日が続くこの頃。
ただでさえ朝は忙しいのに、子供がなかなか起きてこないうえに、朝ごはんの準備や食べるのに時間がかかってイライラしてしまう…。
そんな悩みを抱えるママは多いのではないでしょうか?
そこで今回は、そんなママの切実な悩みを解決してくれる、朝の子どものやる気を引き出すコツについて解説してまいります!
朝のドタバタに悩むママは9割以上!
雪印メグミルクが行った子育てママのお悩み調査によると、平日の忙しい朝に子どもに「早くしなさい!」と1回以上急かす家庭は9割以上もいることが明らかに。
なかでも、毎朝のことである朝食に対しては、準備の時間がないうえに、子どもが食事に集中できず食べるのに時間がかかるという理由で、8割近くママが負担に感じているという結果となりました。
ドタバタ朝食を救う3つのポイント
このように多くのママが悩まされている朝ごはんのドタバタ…。
少しでも解消出来たら嬉しいですよね。
ここからは、脳科学の専門家と管理栄養士おすすめの簡単な工夫で朝ごはんの負担を軽減できる3つのポイントを徹底解説いたします!
1.子どもに役割を与えよう
意外かもしれませんが、朝の準備の中で子どもに役割を与えてあげると、朝ごはんの時間を短縮につながるんです!
これは「ゲーミフィケーション」と呼ばれる、ゲーム要素を使用して意欲を高めるアプローチです。
例えば、空のお皿や手に持ちやすい食材を配ってもらうなど、子どもが取り組みやすい役割を与えることで、朝ごはんにゲーム要素が加わり、食事への意欲が高まります。
その結果、席に着いてから食べ始めるまでの時間が短くなります。
また、お手伝いを任せられることで、子どもは大きな喜びや信頼を感じるほか、成功体験となって次のアクションへの原動力にもなります。
大事なのは「簡単なこと」を少しずつ「楽しくやってみる」ことです。
2.意識的に会話を増やす
忙しいと疎かにしてしまいがちですが、食事中の会話量は食事への意識と深く関係しています。
親子でたくさん言葉を交わし、子どもにとって「朝食=楽しい時間」と感じられるようにすることが、子どもの食事への意欲を高めてくれます。
さらに親子のコミュニケーションは、自分と他者を大切にする「非認知能力」の発達を促すという働きも。
親子の会話が子どものコミュニケーションスキルや共感性を高めることにもつながります。
子どもに与えた役割や、朝ごはんの色・形などを話題にしてみよう。
3.“出すだけ食材”を活用しよう
朝ごはんを準備する時間が足りないという悩みには、“出すだけ食材”を取り入れるのも解決策のひとつです。
特に朝食にとってほしい栄養素は、体内時計を動かす糖質とたんぱく質。
手作り朝食にこだわりすぎず、“出すだけ朝食”で手軽に栄養バランスをととのえてみましょう。
たとえば、パン、チーズ、トマトのような“パチト“はスモールステップとしてもおすすめです。
バランスのよい朝食をとることで腸内環境も整い、早寝早起きの子になるというデータもありますよ。
おすすめの朝時間アイテムの例
おすすめ朝時間アイテム➀:6Pチーズ
スーパーやコンビニにある「6Pチーズ」ですが、親しみやすい丸い形や、小さなお子さまでも食べやすいサイズで、実は朝食に便利なアイテム。
また子どもに「6Pチーズ」を配ってもらうことも、役割のひとつになります。
おすすめ朝時間アイテム➁:プラスチックプレート
プラスチックであれば軽く割れにくいので、お子さまでも持ちやすく、安心して配膳の準備や、食べた後のお片付けなどのお手伝いという役割を与えやすくなります。
おすすめ朝時間アイテム➂:お支度ボード
お子さまの準備をまとめた「お支度ボード」を作れば、やるべきことがひとめでわかるほか、ゲーム要素も加わりお子さまの意欲を高めることができるのでおすすめです。
まとめ
子どもがいると朝の準備は本当に大変。
時間の無さについイライラしてしまいがちですが、子どもと楽しみながら過ごすことを意識することが、逆に時間の短縮にもつながります。
明日からすぐにでも始められる工夫が第一歩につながるかも!
ぜひ日々の生活に取り入れてみてくださいね。
監修者プロフィール
脳科学者
瀧 靖之(たき やすゆき)
東北大学加齢医学研究所教授。
東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター センター長。
医師 医学博士。
株式会社CogSmart代表取締役。
脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍。
読影や解析をした脳MRIは、これまでにのべ約16万人に上る。
「生涯健康脳」「賢い子に育てる究極のコツ」は共に10万部を突破するベストセラーとなり、海外でも翻訳本が多数出版。
管理栄養士
古谷 彰子(ふるたに あきこ)
愛国学園短期大学 准教授。
博士(理学)・管理栄養士。
早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構招聘研究員。
アスリートフードマイスター認定講師。
発酵料理士協会特別講師。
「時間」という観点から、医学・栄養学・調理学の領域にアプローチし、科学的根拠に基づいたライフスタイルへのアドバイスを行う。
実体験を基にした食育活動、講演活動、料理教室も開催中。
著書に「時間×食事で賢い子が育つ! 簡単・最強子育て」(幻冬舎)など多数。