【薬剤師執筆】頭痛の種類は3つある!知って安心のタイプ別頭痛対策ガイド
「頭痛がするけど原因がわからない…」
「この頭痛、病院に行くべき…?」
このような悩みをお持ちではありませんか?
ひどいときには仕事や日常生活にも影響するのが頭痛のツラいところです。
毎日忙しいと、原因がわからないまま放置してしまうことってありますよね。
今回は、主な頭痛の種類やそのメカニズム、対処法、受診すべき目安について解説していきたいと思います。
頭痛のメカニズムと種類
まず、頭痛にはいくつか種類がありますが、ここでは3つご紹介いたします。
片頭痛
多くの場合、片側のこめかみ周囲に痛みが起こります。
脈打つような痛みで、持続時間は4時間~3日ほどです。
歩くなどの日常動作で痛みが悪化し、吐き気があらわれることもあります。
光と音の両方に対して過敏になるのも特徴的です。
片頭痛の予兆としては、疲労感や集中力低下、肩や首のコリ、吐き気などがありますが、全員に起こるものではありません。
片頭痛の原因は、ストレスなどにより血管が収縮した反動で血管が拡張し痛みを感じるという説や、顔周りにある三叉神経が何らかの刺激により興奮して痛みが生じるという説もあります。
緊張型頭痛
頭全体を圧迫するような痛みや、締め付けられるような痛みが特徴的です。
頭痛発作中は、光や音どちらかに対して過敏になることがあります。
持続期間は30分~7日程度です。
姿勢の悪さやストレスが原因のひとつと考えられています。
また、肥満や運動不足、喫煙などは緊張型頭痛のリスクを高めるとされています。
群発頭痛
片側の目の周りに痛みが起こります。
これは女性よりも男性に多くみられる頭痛です。
群発性頭痛は非常に痛みが強いため、じっとしていられず、発作中はよく歩き回ると言われています。
持続時間は15分~3時間ほどです。
痛みのほかに、目の充血や鼻づまり、鼻水、冷や汗、興奮状態などの症状がみられます。
体内時計をつかさどる脳の視床下部が異常を起こすことで生じるという説や、目の奥にある内頚動脈が広がり、炎症を起こして生じるという説もあります。
群発頭痛のリスクを高めると言われているのは、過度の飲酒や喫煙です。
頭痛の原因と受診の判断基準
頭痛の原因は明確に解明されていない部分が多いですが、ストレスや睡眠不足、生活習慣の乱れ、ホルモンの変化などはリスクを高める要因のひとつと考えられています。
もし頭痛が頻繁に発生し、日常生活に支障をきたしている場合は、専門医に診てもらうのがおすすめです。
特に以下のような場合は、早めの受診が必要となります。
・突然、今まで経験したことのない激しい頭痛が起きる
・頭痛と共に意識障害やけいれんなどの症状があらわれる
・頭痛が急速に悪化する
・薬の服用後に頭痛が発生する
このような場合は、自己判断せずに早急に専門医のアドバイスを受けるようにしましょう。
頭痛の痛みを和らげる対処法
この章では、痛みを和らげる対処法を頭痛の種類ごとに解説していきたいと思います。
片頭痛への対処法
静かな暗い部屋でリラックスし、休息や睡眠をとりましょう。
痛みを感じる部分に冷却剤を当てるのも有効です。
また、片頭痛が起こっている間は入浴を控えましょう。
予防のために鍼治療を行ったり、ナツシロギクのハーブティーを飲んだりする方法もあります。
カフェイン摂取が有効な場合もありますが、飲みすぎは逆効果となるためコーヒーであれば一日に3~4杯程度に抑えておきましょう。
緊張型頭痛の対処法
緊張型頭痛は、ストレスがリスクを高めると考えられています。
そのため、リラックスできるマインドフルネスやヨガ、マッサージなどを行いましょう。
鍼灸も有効と言われています。
予防策としては、定期的な休息や睡眠、頭部のマッサージなどがおすすめです。
群発頭痛への対処法
群発頭痛は痛みが強く、個人で対処できる方法が限られています。
群発頭痛が疑われる場合には医師の指示に従って薬物療法を行ったり、在宅用の酸素吸入器を使用したりするなどの対処を行います。
発作の予防のために、トリガーとなる喫煙や飲酒は控えることが大切です。
漢方薬での頭痛対処法
頭痛緩和のためには、日本頭痛学会の「頭痛の診療ガイドライン2021」でも推奨されている漢方薬を活用するのもおすすめです。
頭痛は、頭の血管や神経に圧迫や炎症などの刺激が生じることに加え、ホルモンバランスの乱れやストレス、過労、血行不良、冷えなどにより生じると考えられています。
そのため、頭痛を緩和するためには、
・血流をよくして脳に栄養や酸素を届ける
・自律神経を整えて、ストレスによる頭痛を緩和する
・冷えや疲労によるホルモンバランスの乱れを解消する
・水分の循環を良くして脳の浮腫みを解消する
などの生薬を含む漢方薬を選び、根本改善を目指していくといいかもしれません。
漢方薬は自然由来の成分でできているため、一般的に副作用が少ないと言われています。
また、西洋薬とは異なり、痛みの症状だけでなく体質から根本的に改善していくため、今起きている痛みの改善だけでなく、頭痛の予防にも役立つでしょう。
<頭痛のお悩みにおすすめの漢方薬>
●呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
冷えると強くなる頭痛、ズキズキと強く、ときに吐き気などを伴う頭痛、片頭痛などに用いられます。
カラダを温めることで頭痛に働きかけます。
●釣藤散(ちょうとうさん)
肩こり、めまい、高血圧性疾患などを伴う慢性の頭痛に用いられます。
発汗させることで、のぼせを下げて頭痛やめまいに働きかけます。
このように漢方薬にはさまざまな種類があり、自分に合っていない漢方薬だと思ったような効果が得られない場合があります。
服用前には漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
また、漢方の専門家が一人ひとりに適した漢方薬を選んでくれる「あんしん漢方」のようなオンラインサービスもあるため、これらを活用してみるのもおすすめです。
頭痛を対処して健康的な毎日を
頭痛が起こる原因は多岐にわたりますが、ストレスや疲労、生活習慣の乱れ、ホルモンの変化などが関与していることがあります。
適切なケアを行い、必要に応じて漢方薬を活用しましょう。
頭痛が頻繁に起きたり、症状が重かったりする場合は、専門医の受診をおすすめします。
みなさんが頭痛と上手に付き合い、仕事や日常生活に支障のない健康的な日々を送れるよう願っております。
<参考データ>
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師
藤田 佑莉(ふじた ゆうり)
北里大学卒業後、産婦人科門前の調剤薬局で働く中で、女性特有の不調に悩んでいる方が多いと実感。
漢方薬による根本治療の大切さを広めたいと考え、精度の高い漢方をお手頃価格で提供する「あんしん漢方」で薬剤師としてサポートを行う。