つい食べちゃう“ストレス過食”はタイプごとに違う?最新の対処法をご紹介
「ストレスがたまると、つい食べ過ぎてしまう…」
「食べるのをやめたいのにやめられないのはなぜ?」
このようなお悩みや疑問をお持ちではありませんか?
ストレスが原因の過食は、食べ過ぎてしまったという背徳感がまたストレスになり、悪循環になることも少なくありません。
そこで今回は、ストレス過食の原因とタイプ別の対処法をご紹介していきたいと思います。
なぜストレスがたまると過食してしまうの?
ストレスがたまると過食してしまうのには、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールが関係しています。
慢性的なストレスでコルチゾールが上昇していると、食欲を高める脳内物質が常に分泌され、過食しやすくなります。
さらに、コルチゾールの上昇は食欲抑制作用のあるホルモンを効きづらくするので、より過食しやすいカラダになってしまうのです。
過食タイプごとの原因と対処法
ストレスで特定のものを食べたくなるのは、ストレスに対処するために必要な栄養素が足りていない可能性があります。
ということでここからは、過食タイプに合った原因と対策をご紹介します。
甘いものが欲しくなるタイプ
甘いものが欲しくなるのは、ストレスによって脳が疲れて栄養不足になっていることが原因と考えられます。
また、抗ストレスホルモンであるセロトニンを分泌するために、糖分を求めている可能性も高いでしょう。
ストレスで甘いものが欲しくなる人は、起床時に日光を浴びてセロトニン分泌を促したり、セロトニン生成に必要なトリプトファンが多く含まれている食材を摂るようにしましょう。
塩辛いものが欲しくなるタイプ
塩辛いものが欲しくなるのは、ストレスによるミネラル不足が関係しています。
特に、マグネシウムはストレスによって体内から出ていきやすくなるミネラルです。
過食を抑えるには、不足しているミネラルを補いましょう。
また、カルシウムにはストレスやイライラを和らげる効果が期待できます。
カルシウムの吸収を助けるビタミンDといっしょに摂るようにしましょう。
油っこいものやジャンクフードが欲しくなるタイプ
油っこいものが欲しくなるときは、ストレスに対処するためにドーパミンの分泌を促している可能性があります。
対策としては、ドーパミンの原料であるたんぱく質や、分泌を助けるビタミンB群を摂るようにしましょう。
ほかにも、ドーパミンは目標を達成したときに分泌されます。
達成しやすい小さい目標をもって過ごすのもおすすめの方法です。
過食衝動を抑える3つのコツ
次に、ストレスを和らげて過食を抑えるコツを3つご紹介します。
趣味に没頭する
食べること以外の趣味に没頭して、ストレスの原因や食べ物のことを忘れましょう。
運動や読書、自然の多い場所に出かけるなど、自分に合うもので気分をリフレッシュさせることが大切です。
カラダを動かす
カラダを動かすとセロトニンの分泌が促されます。
ストレスを感じたら、ウォーキングや水泳などの有酸素運動で適度にカラダを動かしましょう。
有酸素運動は、過食で増えてしまった体重を減らすのにも役立ちます。
ストレスに向き合う
ストレスコーピングで、過食の原因であるストレスを感じにくい環境を整えるのもひとつの方法です。
「ストレスコーピング」とは、ストレスの原因に向き合い、適切に対処することです。
ストレスの発生源を取り除く問題焦点コーピングや、自分の考え方を変える情動焦点コーピングでストレスを緩和させましょう。
ストレス過食には漢方薬の服用もおすすめ
ここまで、ストレス過食を抑えるコツをご紹介してまいりましたが、過食を抑えるならダイエット外来でも使われている漢方薬の服用もおすすめです。
漢方では胃の働きが活発になり過ぎると、食べてもすぐにおなかが空いて過食になると考えます。
さらに、ストレスやホルモンバランスの乱れも食べ過ぎの原因となります。
食欲を抑えるためには、「過剰な胃腸の働きを抑える」「ホルモンバランスや自律神経を整えて、過食を軽減する」といった生薬を含む漢方薬がおすすめです。
また、「脂肪の吸収を抑える」「脂肪の燃焼をサポートする」「余分な脂肪を便といっしょに排出する」といった作用のある漢方薬を選ぶことで、過食を抑えるだけでなく同時に健康的なダイエットも目指せるでしょう。
加えて、漢方薬は自然由来の生薬でできており、カラダの内側からやさしく働きかけるので、西洋薬より副作用が少ないといわれているのもメリットです。
ここで、ストレス過食におすすめの漢方薬を2種類ご紹介いたします。
<ストレス過食におすすめの漢方薬>
・大柴胡湯(だいさいことう):自律神経のバランスを整え、脂肪代謝を促します。
胸のつかえ感がありストレスで過食してしまう人におすすめです(※1)
・桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう):心を落ち着けて、イライラを抑えます。
疲れやすく、神経過敏で眠れない人におすすめです。(※2)
漢方薬を選ぶときのポイントとして、自分の状態や体質に合っているかどうかが重要です。
自分に合った漢方薬を知りたいという方には、漢方のプロにオンラインで個別相談ができ、個々人に効く漢方を見極めて自宅まで郵送してくれる便利なサービスもあります。
<参考サイト>
まとめ
過食を抑えるには、自分のタイプに合った栄養素の摂取や根本原因であるストレスへの対処が必要です。
また、専門家に相談して漢方薬で体質改善を目指すのもいいでしょう。
自分のタイプに合った対策をして、ストレスによる過食を克服しましょう!
<引用元>
(※1)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ大柴胡湯エキス顆粒(医療用)」
(※2)クラシエ 漢方セラピー 漢方薬名解説「桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)」
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師
竹田 由子(たけだ ゆうこ)
43、47歳で出産した2児のママ薬剤師。
共立薬科大学(現 慶応大学)卒、臨床薬学専門。
病院で10年以上医薬品情報室に従事し、医薬品に関する情報に精通。元漢方・生薬認定薬剤師。
漢方を自身の月経痛や妊活にも活用してきた経験から「日常の不調はまず漢方」をモットーに体の不調を我慢する女性へ対し情報発信している。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。