【管理栄養士執筆】美肌から肩こり改善まで!?酒粕の栄養と効果・おすすめレシピを紹介
なんとなく体に良さそうなイメージがある酒粕。酒粕は栄養豊富で、便秘や肌荒れ、冷え性に悩んでいる女性にもうってつけの食材です。しかし「糖質が多そう」「粕汁以外の食べ方がわからない」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、酒粕が持つ効果や気になる糖質量、おすすめレシピをご紹介します。美肌や健康的な体を手に入れたい方、酒粕料理のレパートリーを増やしたい方は必見です。
栄養たっぷり!酒粕が持つ3つの効果
ここでは、酒粕が持つ効果について見ていきましょう。
整腸作用で毎朝スッキリ
「便秘がちでお腹が苦しい」「ぽっこりお腹が気になる」といった悩みはありませんか?酒粕にはオリゴ糖やレジスタントスターチ、レジスタントプロテイン、食物繊維など、腸にいい栄養素が豊富です。これらの栄養素は胃で消化されずに腸まで届き、「善玉菌」のエサになります。
善玉菌が増えると排便がスムーズになり、便秘や下痢といった腸の不調が改善されるのです。また、酒粕の有効成分「レジスタントプロテイン」は、腸に残った余分な油をキャッチして体の外に運び出してくれるので、ダイエット効果も期待できますよ。
血流アップ効果で冷え性や肩こりが改善
80%の女性が悩んでいるという冷え性。女性が冷え性になりやすい理由は、筋肉量の少なさと血流の悪さです。酒粕には血管を広げる働きがあり、血流がスムーズになります。
酒粕を食べると30分後には指先までポカポカになり、8週間食べ続けると筋肉量や基礎代謝がアップして冷え性の改善が期待できます。
また血行不良は肩こりや頭痛の原因にもなるので、これらの症状に悩んでいる方は酒粕を日々の食生活に取り入れてみましょう。
コラーゲンが増えてお肌がプルプルに
「日本酒を造る人の手は白くてツヤツヤ」というのはよく聞く話で、最近では日本酒を使ったスキンケアも増えてきています。さらには、お相撲さんの肌がキレイなのは日本酒をよく飲んでいるからといった噂もありますが、本当なのでしょうか?
実は、日本酒のうま味成分「α-EG(α-エチルグルコシド)」を摂ると肌のコラーゲン量がアップすることがわかっているんです。酒粕で作った甘酒を40~50代女性4人に飲んでもらったところ、全員のコラーゲン密度が増えたという研究結果があります。さらに酒粕を食べることで水分量もアップし、ハリと弾力のある肌をキープできますよ。
酒粕の糖質はどれぐらい?
酒粕は米と酵母、麹から作られています。そう聞くとダイエット中の方は「ご飯と同じように糖質が多いのでは?」と心配になってしまいますよね。酒粕100gあたりの糖質は約18.6g。ご飯の糖質は100gあたり約35.6gなのでおよそ半分の量です。
酒粕はタンパク質や食物繊維といった、痩せやすい体づくりに必要な栄養素が豊富です。酒粕の摂取量を1日50gに抑えれば、ダイエット中でも気にせず食べられますよ。
酒粕の栄養は加熱すると減るの?
酒粕の栄養を効率よく摂りたいなら、加熱せずに食べるのがおすすめ。酒粕に含まれているビタミンや酵素は熱に弱く、火を通すと減ってしまいます。スーパーに並んでいる板状の酒粕は加熱処理されていることが多いので、生で食べたい場合は酒蔵から直接購入するといいでしょう。
とはいえ、酒粕はアルコール度数が8%もあります。減ってしまう栄養素もありますが、食物繊維や美肌成分の「α-EG」は加熱しても残るので、お酒が苦手な方はしっかり加熱してアルコールを飛ばしてから食べてくださいね。
酒粕を使ったおすすめレシピ
酒粕にはうま味成分が含まれているため、料理に活用することでコクがアップします。簡単に作れるレシピをご紹介しますので、ぜひ作ってみてください。
クリームチーズの酒粕漬け
チーズと酒粕は同じ発酵食品なので相性ぴったり。酒粕漬けなら加熱せずに作れるため、栄養を無駄なく摂れます。クセになるおいしさで日本酒やワインのお供におすすめですよ。
材料(4人分)
・クリームチーズ…4個(個包装のもの)
・黒こしょう…少々
・みそ…大さじ3
・酒粕…大さじ3
作り方
1.ビニール袋にみそと酒粕を入れてよく混ぜ合わせ、みそ床を作ります。
2.1にクリームチーズを入れてしっかりと馴染ませ、冷蔵庫で半日以上寝かせます。
3.袋から取り出してみそ床を取り除き、黒こしょうを振りかけます。
※残ったみそ床は、クラッカーや野菜スティックにつけて食べましょう。
酒粕シチュー
シチューに酒粕を入れることで、ほんのりとした甘さとうま味がプラスされます。体がポカポカして冷えも改善できますよ。酒粕の和の風味が感じられるので、ご飯にもよく合います。
材料(4皿分)
・クリームシチュールウ…1/2箱
・鶏もも肉…150g
・玉ねぎ…中1個
・じゃがいも…中1個
・にんじん…中1/2本
・ブロッコリー…1/2個
・サラダ油…大さじ1
・水…450ml
・牛乳…150ml
・酒粕…40g
作り方
1.具材はそれぞれ一口大に切ります。ブロッコリーは600Wの電子レンジで2分加熱しておきましょう。
2.鍋にサラダ油を熱して鶏もも肉を炒め、色が変わったら玉ねぎ、じゃがいも、にんじんを加えてさらに炒めます。
3.水を加えて沸騰したらアクを取り、具材に火が通るまで弱火~中火で15分ほど煮込みます。
4.火を止めてルウと酒粕を入れて溶かし、再び弱火でかき混ぜながらとろみがつくまで煮込みましょう。
5.牛乳を入れてさらに5分煮込み、ブロッコリーを入れたら完成です。
まとめ
酒粕は栄養素が豊富で、美肌や冷え性改善、便秘解消などに効果があります。さらに、痩せやすい体作りに欠かせないタンパク質も豊富なので、ダイエット効果も期待できます。生で食べると栄養素を無駄なく摂れますが、お酒が苦手な方は火を通してアルコールを飛ばしてから食べるようにしましょう。今回ご紹介したレシピを参考に、酒粕を普段の食生活の中に取り入れて、美肌や健康的な体を手に入れましょう。
執筆者プロフィール
安達春香
3年間栄養士として老人ホームや保育園で実務経験を積んだ後、管理栄養士免許を取得。食品会社での研究開発に携わったことも。現在はフリーランスのWebライターとして、栄養に関する記事を専門に扱い、数多くのメディアにて執筆。難しく答えの出にくい栄養に関する知識をわかりやすく伝えることをモットーに活動中。