薬膳アドバイザーに聞いた!腸活におすすめの食材5選【薬剤師監修】

健康維持にとって、今や欠かせない「腸活」。
腸内環境を整えることでさまざまなメリットがあると言われていますが、具体的にどんな効果が期待できるのかご存知でしょうか?
また、「腸活って実際何を食べればいいの?」とお悩みの人も多いかもしれません。
そこで今回は、知っているようで知らない腸活のメリットをはじめ、腸活におすすめの食材も併せて解説していきたいと思います。
よく聞く「腸活」のメリットとは

腸活とは、腸内環境を整え、健康に導くことを指します。
腸内にはカラダの免疫の7割が集中していて、免疫機能のシステムの中枢を担っています。
腸内環境が乱れていると、免疫機能に異常をきたし、さまざまな病気への抵抗力が弱まってしまうのです。
腸活は、腸内環境を整えることで免疫機能を活性化させ、カラダを元気にして、病気の予防にもなるのが大きなメリットです。
また、美容効果やアンチエイジング効果も期待できると言われています。
腸内には大きく分けて、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つの種類の腸内細菌が存在しています。
善玉菌は乳酸菌やビフィズス菌など、悪玉菌は大腸菌やブドウ球菌など、日和見菌は連鎖球菌などが主な菌種です。
そして、腸内環境の理想的なバランスは、善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割と言われています。
このバランスを維持するために、腸内環境を整えることが大事なのです。
腸活におすすめの食材5選

腸内環境を整えるにはバランスのとれた栄養摂取が重要です。
続いては、腸活におすすめの食材を5つ解説していきたいと思います。
どれも手に入りやすい食材ばかりなので、参考にしてみてください。
1.大根
大根に豊富に含まれる不溶性食物繊維は、便のかさを増し、排便を促して、便秘解消の効果を期待できます。
また、でんぷんやタンパク質、脂肪を分解する消化酵素が胃腸の働きをサポートします。
善玉菌のエサになるビタミンCも含まれているので、善玉菌を増やして腸内環境のバランスを整えます。
さらに、大根おろしにすると抗菌作用があるイソチオシアネートという成分が生成されるため、大根は腸活には理想的な食材のひとつです。
2.きのこ
きのこは水に溶けにくい不溶性食物繊維が多めですが、なめこやしいたけ、えのきなどは水溶性食物繊維も多く含まれます。
水溶性食物繊維は便を柔らかくして排泄を促し、善玉菌のエサになるため、不溶性食物繊維とともに腸活には欠かせません。
そのほかにも、糖質を燃やしてエネルギーに変え、代謝アップをするビタミンB1が含まれるので、健康維持にも最適です。
ただし、不溶性食物繊維を摂りすぎると、ガスがたまる原因になるので摂取しすぎには気をつけましょう。
3.海藻
海藻に多く含まれる水溶性食物繊維は、水分と結びついて、糖や脂質などの吸収を遅らせる働きがあります。
さらに抗酸化物質を多く含み、美容にも良いうえに低カロリーというメリットも。
また、海藻は大腸のエネルギーになる酪酸菌との相性が良く、酪酸菌が発酵分解することで善玉菌を増やして腸内環境を整える役割を果たします。
海藻類はわかめ、昆布、ひじきなど、日常的にとり入れやすい食材が多いので、積極的に摂取しましょう。
4.ヨーグルト
ヨーグルトは腸活の定番食品です。
乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を豊富に含み、悪玉菌の増殖を抑えて腸内環境を活発化させます。
また、ヨーグルトは血糖値の安定(※1)や、睡眠の質向上も期待できると言われています。
ただし、乳糖を分解できない乳糖不耐症など、体質によってはおなかを壊す原因になる可能性もあるので、カラダに合わない場合はヨーグルトを無理に摂取するのを控え、別の方法で腸活を行いましょう。
5.バナナ
バナナは水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が含まれていて、腸内環境を整えるのに適しています。
さらに、バナナにはオリゴ糖が豊富に含まれていて、腸内の善玉菌を増やす役割があります。
熟す前の青みが残るバナナのほうがオリゴ糖が豊富なので、選ぶ際の参考にしてみてください。
また、バナナには腸内の水分を引き寄せる作用をもつマグネシウムが含まれるので、とくに便秘に悩んでいる人におすすめです。
硬くなった便を柔らかくし、排便をスムーズにしてくれます。
腸活には漢方薬もおすすめ

腸活には漢方薬もおすすめです。
漢方薬は、乱れた心とカラダのバランスを整えて、根本からの体質改善をすることで、不調の解消を目指します。
慢性的な不調にアプローチするのも得意で、腸内環境を整えるのにも最適です。
また、漢方薬は植物や鉱物といった自然由来の生薬でできていて、一般的に西洋薬よりも副作用のリスクが低いと言われています。
毎日飲むだけで済むので、大幅に生活習慣を変更するなどの負担が少なく、気軽に試せることもメリットです。
漢方薬で腸活を行う場合、
「低下した腸の働きを正常化する」
「自律神経のバランスを整え、腸内環境の悪化を防ぐ」
「腸内の水分バランスを整える」
といった働きを持つ生薬を含む漢方薬を選びましょう。
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<腸活におすすめの漢方薬>
●麻子仁丸(ましにんがん)
腸を潤して便の水分バランスを整え、コロコロとした便秘に働きかけます。
●半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
胃腸を温めて、下痢やストレスによる胃腸障害に働きかけます。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
腸活は、生活習慣などを見直し、腸内環境を整えることで、免疫機能を高め、美肌効果やアンチエイジング効果を期待できます。
今回ご紹介したようなさまざまな食材をバランス良くとり入れるとともに、適度な運動や良質な睡眠をとり、腸内環境を整えていきましょう。
<参考文献>
(※1) 一般社団法人大人のダイエット研究所「食事の最初にヨーグルトを食べる“ヨーグルトファースト” 食後血糖値の抑制効果がヒト試験で明らかに」
監修者プロフィール

あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり(やまがた ゆかり)
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。
病院薬剤師を経て食養生の大切さに気付く。
牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニューも開発。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」で薬剤師を務める。