【医師監修】知っておきたい!つら~い花粉症のタイプやレベルとその対処法とは
「花粉症のレベル」を知ろう!
花粉症のタイプが分かったところで、重症度(レベル)についても見ていきましょう。
花粉症のレベルは先程お伝えした
「1日に起こるくしゃみ発作の平均回数」
「1日に鼻をかむ平均回数」
「鼻づまりの程度」
「日常生活への支障度」から、
以下の4つのレベルに分けることができます。
・軽症
・中等症
・重症
・最重症
自分がどのレベルに位置するのか、次の項目のうち、自分の症状に当てはまるものを選び、レベルを測定してみましょう。
①【1日に起こるくしゃみ発作の平均回数】
A.21回以上
B.20~11回
C.10~6回
D.5~1回
E.それ未満
②【1日に鼻をかむ平均回数】
A.21回以上
B.20~11回
C.10~6回
D.5~1回
E.それ未満
③【鼻づまりの程度】
A.1日中完全につまっている
B.鼻閉が非常に強く、口呼吸が1日のうちかなりの時間を占める
C.鼻閉が非常に強く、口呼吸が1日のうちときどきある
D.口呼吸は全くないが、鼻閉はある
E.それ未満
④【日常生活の支障度】
A.全くできない
B.手につかないほど苦しい
C.BとDの中間
D.あまり差し支えない
E.それ未満
下記の表でタイプとレベルを確認することができます。
※①・②の項目で結果が異なる場合は、強い方をとります。
いかがでしたか?
黄色のマスになった人は「くしゃみ・鼻漏型」、
緑色のマスになった人は「鼻閉型」、
オレンジ色のマスになった人は「充全型」
ということになります。
今は市販薬も多種類の薬が販売されており、軽症の方はこれらの薬を飲むだけの対応になっている方も多いかと思います。
しかし、そのような方は服薬が自己流になりがちですし、もっと自分の体質や症状に合ったお薬がある場合もありますので医療機関の受診をおすすめします。
また、上記の表で重症や最重症の方、項目④の日常生活への支障度が高い方は、耳鼻咽喉科の専門医療機関で相談することをおすすめします。
医療機関での診察について
上の重症度チェックで、「最重症」・「重症」に当てはまった人は日常生活への支障度合いも高いことが容易に想像できます。
もはや、市販の薬や目薬などでの対応では無理があります。
花粉症だからと甘く見ずに、耳鼻咽喉科の専門医療機関での診察を受けることをおすすめします。
花粉症の治療ではタイプやレベルに加え、
・どんな症状に困っているか
・これまでどんな治療をしてきたか
・今回の治療で改善したいのは何か
を明確にし、記憶しておくと良いでしょう。
これらの治療の目的は、日常生活における支障を極力少なくすることです。
近年、スギ花粉症の治療方法は格段に進歩しています。
従来の治療方法は、花粉症のシーズン中に症状を抑える薬を服用するというのが主流でした。
しかし、今は新しい治療法がどんどん開発されています。
花粉症シーズンの直前にできる対策
花粉症の症状が本格的になる前から薬を服用する方法を初期治療といいます。
症状が出る時期を遅らせたり、症状が悪化する予防になったりします。
スギ花粉症の場合は2月初旬から飲み始めるのが一般的です。
花粉症シーズンに入る前に、鼻粘膜レーザー手術を受けておくという方法があります。
鼻づまりがひどくなる人には特におすすめです。
花粉症シーズン真っただ中に行う治療
通常の内服薬、点鼻液でどうしても聞かない場合には、抗IgE抗体の注射(治療薬名:ゾレア)という治療法があります。
効果の高い人では辛い症状が劇的に改善します。
月1~2回の注射で保険診療で受けることができますが、高額なので実施にはかなり厳しい条件があります。
花粉症シーズンでない時期に開始する治療
舌下免疫療法と言われる治療法です。
従来の薬は症状を緩和させるだけの作用なので、服用しなくなるとすぐに症状が再発しましたが、舌下免疫療法はアレルギー反応そのものを抑えるので、根本的な治療に近い治療法とされています。
シーズンに関係なく受けられる治療
最重症、重症で日常生活の支障度が高い場合には手術という方法もあります。
鼻水に対する手術、鼻づまりに対する手術があり、日帰りから数後の入院まで医療機関によって違いがあります。
特に最重症、重症でお困りの方は耳鼻咽喉科の専門医療機関で、上記の治療方法について相談されることをおすすめします。
自己判断で薬を変更したり、中断することなく、マスクや目薬、顔スプレーなどの花粉症対策グッズも取り入れながら花粉症と向き合っていきましょう。
花粉症対策グッズ
最後に、これからの季節に役立つ「花粉症対策グッズ」をいくつかご紹介したいと思います。
ノーズマスクピット
※引用:NOSE MASK PIT(バイオインターナショナル株式会社公式ホームページ)
最初にご紹介するノーズマスクピットは従来の顔を覆うマスクとは違い、ノーズマスクピットのフィルター
部分を直接鼻に差し込んで使います。
そのため、顔の表情も見え、会話や食事も普段通りに行うことができます。
花粉症はツラいけど、職業柄マスクをつけたまま仕事をするのが難しいという方におすすめです。
また、女性の場合はメイク崩れもありませんし、息苦しさも感じません。
さらに、ボーケン法による試験で『花粉通過率0%の高品質フィルター』を使用した製品であり、花粉・粉塵・黄砂・ハウスダストなど10ミクロン程の粒子であれば【99%以上】取り除くことができます。
これなら、花粉症以外のアレルギーも方も活用することができそうですね。
花粉ガードスプレー
近年、少しずつ知名度を上げている「花粉ガードスプレー」。
資生堂イハダの「アレルスクリーン」だけでなく、アレルブロックの「花粉ガードスプレー モイストヴェール」、KOSEの「ブロックスプレー アレルテクト」などといった類似商品がたくさん発売されています。
これらのスプレーは、顔まわりにスプレーを吹きかけることで、肌や髪などの表面をコーティングし、強力な透明バリアを作ることで、花粉やPM2.5 、ウイルスの付着を防ぐというものです。
鼻に塗る花粉ブロック
最後にご紹介するのは、顔に直接使って花粉を防ぐタイプの商品。
それがこの「鼻に塗る花粉ブロック」。
鼻や目のまわりに塗り込むことで、鼻や目に花粉やウイルスが付着するのを抑制します。
女性には嬉しいメイクの上から塗ることができ、お肌への刺激を抑えた「皮膚アレルギーテスト済み」「防腐剤(パラベン)フリー」のものもあります。
このほかにも花粉対策用のアメやタブレット、飲むヨーグルト、サプリメントなどといった飲食物のレパートリーも豊富になってきています。
このように、最近は花粉症発症者の増加に伴い、各メーカーからさまざまな花粉症対策のグッズが数多く発売されています。
種類が多すぎて逆に迷ってしまうこともあるかもしれませんが、どれも手軽に始められるものばかりですので、少しでも花粉症の症状を感じたら、ぜひ試してみてください。
監修医師プロフィール
医療法人hi-mex
耳鼻咽喉科サージクリニック 老木医院
理事長 老木 浩之 氏
[経歴]
耳鼻咽喉科専門医、医学博士。
大学病院講師、生長会府中病院部長を経て、2001年、耳鼻咽喉科サージクリニック老木医院を開設。
現在、医療法人理事長として3院を運営。
耳鼻咽喉科の短期滞在手術が専門領域。
地域医療研究会や開業セミナーを主催。
[クリニック紹介]
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