閉経前後が女性のターニングポイント!いまさら聞けない閉経の豆知識を伝授
閉経後に起こりうる症状
閉経すると、「長年の生理から解放された!」と喜ぶ人もいるかもしれません。
しかし勘違いしないでほしいのが、“女性のカラダは閉経後も変化し続ける”ということです。
そこでここからは、閉経後に起こりえる問題や症状について解説していきましょう。
骨密度には要注意!
閉経には女性ホルモンであるエストロゲンが深く関係していると前述しましたが、このホルモンは「骨」にも深く影響を及ぼします。
エストロゲンの減少と骨密度の低下は、ほとんどイコール関係で結ばれています。
したがって閉経後は、閉経前に比べて「骨粗しょう症」になるリスクがアップします。
骨折を起こしやすくなったり、ふとした瞬間に骨の痛みを感じたりと症状は人それぞれです。
特に閉経後最初の2年間は、骨密度が急激に減少する時期です。
閉経を迎えたら、まずは身体のことを考えて現在の骨密度を測定してみてもいいかもしれませんね。
コレステロール値の上昇
コレステロール値もエストロゲンが深く関係している問題の一つです。
月経があるうちはエストロゲンの濃度が高いので、冠動脈の疾患から自然に身体を守ってくれます。
しかし、閉経後にエストロゲンが減少することにより、冠動脈の疾患や動脈硬化、コレステロール値の上昇などに歯止めが利かなくなってきます。
一説では加齢に伴ってコレステロール値が上昇するとの説もありますが、閉経後にこうした疾患が増えるのも事実です。
自身の体調管理を含めて、信頼できる医師の元で定期検査を行うのが一番安全ですね。
また、コレステロール値の上昇はいわゆる「メタボ」のなりやすさにも繋がります。
現在では「エクオール」のようにメタボを抑制する成分や、対処法なども存在しているので、ぜひ利用してみてくださいね。
失禁、尿意切迫なども閉経後に多発!
閉経後は徐々に尿道の粘膜が薄くなり、尿道が短く変化していきます。
粘膜の免疫力が低下してしまうので、そこから微生物が体内に入りやすい環境に陥りやすくなります。
入り込んだ微生物により、「尿路感染症」や「尿失禁」「尿意切迫」といった病気が多発することもしばしば。
予期せぬ失禁や尿意切迫などは、自分の力でどうにかなると思っている女性も多いかと思います。
しかし、受診するとお薬を処方してもらえたり、適切な処置を施してくれる症状でもあります。
自分自身だけで判断せずに、少しでも「あれおかしいな」と思ったら病院への受診をしてくださいね。
メンタル面での変化
メンタル面での変化は、閉経前後の10年間に起こる症状です。
「気分がいつもより落ち込む」「なにをするにもやる気が出ない」「ちょっとしたことでイライラしてしまう」「不眠症状」などの精神的な症状が続いていきます。
このメンタル面での変化にもエストロゲンの減少が関わっており、閉経後に症状を強く感じる人が多いと言われています。
メンタル面での変化は、「更年期障害」として扱われ、大きく分けて3つの対処法があります。
・ホルモン補充療法
1つ目はホルモン補充療法と呼ばれ、一般的には「HRT」と言われています。
HRTは、簡単にいうと減少したエストロゲンを少量補っていく療法です。
ほてりやのぼせ、ホットフラッシュなどの“血管”にまつわる症状に有効とされており、飲み薬や貼り薬など治療のタイプも豊富なのが特徴です。
しかしエストロゲンの補填だけでは子宮内膜増殖症のリスクが高まるので、「黄体ホルモン」を併用するケースがほとんど。
貼り薬や飲み薬など、様々な治療法があるので、医師と相談しながら自分に合った治療法を見つけていきましょう。
・漢方薬
続いての対処法は、「漢方薬」での治療です。
漢方薬は様々な生薬の組み合わせで作られていることが特徴。
心と体のバランスの乱れを回復させる効果があるので、HRTと同じくらいの割合で普及しています。
体力の低下や冷え性などで困っている人には「当帰芍薬散」、体質虚弱で疲労しやすい、不安・不眠などの症状がある人には「加味逍遥散」。
ホットフラッシュや下腹部に圧痛がある人には「桂枝茯苓丸」といった簡保が処方されます。
これらは「婦人科三大処方」とも呼ばれており、症状や体質に合わせて医師が処方してくれますよ。
・向精神薬
最後に紹介していくのは、「向精神薬」です。
メンタル面での落ち込みやイライラ、情緒不安定などの精神症状がつらい人によく処方されるお薬です。
「向精神薬」と聞く副作用の心配がある人もいるかもしれません。
しかし最近の向精神薬は「新規抗うつ薬」は副作用が出にくいことが特徴です。
またほてりや発汗、血管の拡張にも効果があるので、抵抗なく使用できるお薬へと変化を遂げていますよ。
閉経が近くなったら準備しておきたいこと
閉経は早くて40代前半からその予兆が始まります。
「いきなり生理が止まってパニックになってしまった」「このあとどうしたらいいのか分からない」といったことがないように、今のうちから準備を重ねておきましょう。
閉経が近くなってきたら、まずはかかりつけ医を決めるところからスタート。
なにかあったときに頼れる先生、仕事で夜が遅くなっても見てくれる病院など、自分の生活リズムに合うかかりつけ医を早い段階から見つけておきましょう。
産婦人科であれば閉経以外にも生理不順や、気分の落ち込みなど幅広く受診可能ですよ。
続いておすすめしたいのが、「運動の習慣を身に着けること」。
「更年期に入ってからやればいいや」と思っていると、やる気が出にくく運動に手が回らないといったことが起こりがちです。
そこで40代前半くらいから、適度な有酸素運動をする習慣をつけるとGOOD。
1日当たり30~60分程度ウォーキングやスイミングを行うことで、カラダの調子がみるみるうちに良くなっていきます。
お子さんや旦那さんなどと一緒に始めれば、コミュニケーションのきっかけにもなりますよ。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、女性なら誰しも経験するであろう「閉経」にスポットを当てて紹介していきました。
今まで長年付き合ってきた生理との別れと、更年期という新たな症状が生まれるきっかけである閉経。
初めてのことばかりで不安な気持ちになるかもしれませんが、閉経前後の症状や対処法を理解していれば閉経への恐怖心も和らいでいくのではないでしょうか。
人生100年時代と言われる現代では、女性の体の心配も絶えません。
年齢とともに変化してく体の変化を見逃さず、時に医師や周囲の手を借りながら更年期や閉経を乗り切っていきましょう。
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