【医師監修】季節の変わり目にイライラする…。それって更年期かも?!更年期障害に効果的な『ホルモン療法』とは
実は若い人にも増えている
まだ若いと思っても安心はできません。
生活習慣の乱れや、偏った食生活、睡眠不足、過度なストレスや過労などによってホルモンバランスが乱れ、生理不順につながるケースも増えているのです。
そのため、閉経がまだ先であるはずの世代にも、更年期障害と似たような症状が出ることもあります。
この症状は、今後の妊娠や子どもが生まれた時にも影響を及ぼす可能性があるので、若くて体力があるからと安心せず、ストレスの少ない生活を心かげてくださいね。
もしストレスを感じたら、適度な運動や自分にあったストレス解消法を見つけてみてください。
ホルモン療法とは
続いては、海外では主流の更年期障害の治療法となっている「ホルモン補充療法」についてご紹介します。
こちらは様々な影響から減少してしまった細胞ホルモンのエストロゲンを補充する治療法です。
黄体ホルモンのプロゲステロンも同時に投与する場合もあります。
ホルモンを投与することで更年期障害で発生する症状を根本的に解決することや、保険適用の治療法であるため、利用者が多いとされます。
また、このホルモン療法に加え、症状を緩和するために抗うつ剤や漢方薬を併用する場合もあるので、それぞれにあった治療ができるといわれています。
どんな症状にいいの?
ホルモン療法には、次のような症状に効くといわれています。
まず、のぼせや、ほてりなど、いわゆるホットフラッシュと呼ばれる血管系の症状の改善です。
そして、動機などの自律神経の乱れ、不眠の改善、善玉コレステロールの増加、脂質異常の改善に効果があります。
自律神経やホルモンバランスが整うことで、コラーゲンの増加につながり、結果的に若々しい肌の改善されたという例もあります。
ホルモン療法の副作用って
ホルモン療法には副作用はあるのかという点については、一概にはないとは言い切れないのが現状です。
特に、ホルモンバランスの影響で生理のような出血が見られる場合もあります。
ですが、こちらは薬の頻度や摂取量を調節することである程度の改善が可能です。
また、乳がんとホルモン療法の相関関係についても一時期話題となりました。
産婦人科のガイドラインでも、ホルモン療法によって乳がんのリスクが高まるという見解がある一方で、一部では乳がんリスクは変わらないという報告もあがっているため注意が必要です。
定期的に検査を受けられると良いでしょう。
まとめ
更年期障害とは、自分にとっても相手にとっても認めることの難しい病気かもしれません。
ですが、これはしっかりと病名のある状態なのです。
なんとなくいつもより気分が悪いだけだから、少し休息したら治るかも、と甘く考えてはいけません。
今後の人生において大きな影響を及ぼし兼ねないからです。
少しでも自分の体調に違和感を感じたら、すぐに医師に相談してください。
更年期障害は、ホルモン療法だけではなく、漢方薬や抗うつ剤など、その分野に特化した薬の投与も可能です。
様々な症状が出てしまっても、あまり気分を落とさず前向きに治療を受けてくださいね。
更年期障害を根本から解決するのに1番の敵は、ストレスです。
もう一生このままかもしれない、といった心的ストレスを少しでも和らげてあげることも大切です。
人生100年時代と言われ、40代50代もまだまだ若いと言われるようになってきました。
これからの人生を楽しむために「更年期」は乗り越えられる壁なのです。
あまり否定的に考えすぎず、自分にあった治療法を見つけて素敵な人生をお過ごしください。
監修医師プロフィール
医療法人社団都筑
つづきレディスクリニック 院長 吉岡 範人
[経歴]
1978年生まれ。千葉県出身。
2005年、聖マリアンナ医科大学大学院を卒業。同大学初期臨床研修センター、産婦人科に入局。
16年間の医局勤務中、約2年間にわたりカナダ・バンクーバーにあるブリティッシュコロンビア大学へ留学。がんの研究に従事。
2019年に事業を引き継ぐ形でつづきレディースクリニックの院長に就任。
その後、自らの発案で訪問医療を新たにスタートさせるなど、枠に捉われない多角的な医療サービスを促進。大きな注目を集めている。
[保有資格]
日本産科婦人科学会専門医
日本産科婦人科学会指導医
日本体育協会認定スポーツドクター
母体保護法指定医
婦人科腫瘍専門医
[クリニック]