LGBTをご存じですか?歴史や日本での実情をご紹介。

最終更新日:
LGBTをご存じですか?歴史や日本での実情をご紹介。

2017年から高校の教科書に、2020年からは小学校の教科書に取り上げられる事になったLGBT。先進国以外でも同性婚を認める国が相次ぎ、G7の中で同性婚やシビル・ユニオン(結婚に準じた権利を認める制度)を認めていない唯一の国となった日本。世界的にもLGBTへの権利保障や認知が遅れていると指摘されていますが、同性パートナーシップ制度の導入や教育事情が少しづつ変わってきているようです。今回はLGBTとは何か、その歴史や差別、教育事情についてご紹介させて頂きます。

LGBTをご存じですか?

ここ最近、人種や性的指向に関する差別、女性の権利を訴えたMe too運動など世界的に様々な問題が提起され、注目されています。日本でも同性カップルは「生産性がない」という議員の発言が問題になり抗議されたのが記憶に新しいですよね。時に過激で、偏って見える活動があるのも事実ですが、この過激さは当事者以外の人々に問題を認知して貰う1つの手段なのかもしれません。

 

実際、問題が取り上げられる事で注目が集まり、Vogueが主催するMET GALAのテーマがLGBTカルチャーをフィーチャーしたキャンプであったり映画祭等の華やかな場所で著名人がそれぞれの問題に関するスピーチを行ったりメディアを通して私たちの目や耳に入ってくるようになっています。だからこそ、多種多様やダイバーシティといった在り方を考えさせられ、変化の時が訪れているのだと強く感じさせられます。今回は様々な問題から、LGBTについて調べさせて頂きました。まず、LGBTとは何か、マイノリティに対する差別や教育事情を知り、考えるキッカケになれば嬉しく思います。

なんと無く知ってはいるけどLGBTって何?

LGBT=性的少数派、同性愛者の事だと思っている方も多いと思うのですが、正確にはLesbian(女性の同性愛者)のL、Gay(男性の同性愛者)のG、Bisexual(両性愛者)のB、Transgender(トランスジェンダー)のTの4つの頭文字を組み合わせた言葉です。今ではLGTBQといった表記も見られる事が増えてきました。このQはQuestioning(性的指向が定まっていない)またはQueer(風変わり)*という言葉を意味しています。他にもIntersex(両性具有者)が含まれたLGBTIや、asexual(無性愛者)が含まれたLGBTAなど、様々なバリエーションがあります。

 

*Queerは、以前は同性愛者に対する侮辱として使われていた言葉でしたが、1990年代以降はセクシュアルマイノリティの総称として使われるようになり、肯定的な意味合いに変化していきました。

LGBTについて豆知識

実は、このLGBTという言葉に対し違和感を感じ、好まない人達が居るのをご存知でしょうか?これは差別や偏見といった事ではなく、LGB は性的アイデンティティを表すカテゴリーなのに対し、Tは性同一性が性別と一致しない状態を指す言葉だから。つまり、LGBとTは異なるテーマであり、一括りにしてしまうには無理があると考えているのです。

 

一括りにする事の何が問題なのかと言うと、LGBに関する内容の報道の中でLGBTという言葉が用いられたとしましょう。すると、Tに関する報道でなくてもTにも関係するような内容として伝わってしまうのです勿論、この逆も然り。だからこそ、性的指向とジェンダー・アイデンティティの線引きが必要だと考えている人達がいるのです。

LGBTを教育に取り入れる必要性について

それではLGBTの事が少しわかったところで、教育事情について触れて行きましょう。日本では2017年にやっと高校の教科書にLGBTについて触れ、2020年からは小学校の教科書にも取り上げられる事になりました。では何故、LGBTに対しての教育が必要なのでしょう?それは異性愛が正常であり、それ以外は異常といった間違った認識が差別や偏見を生み、その差別や偏見が当事者を不登校や自殺に追いやってしまうからです。これは思春期の子供たちに限らず、社会に出た成人にも言える事です。小学校からの教育は早いという考えもあったようですが、義務教育の段階から偏見や差別の解消につなげる必要性が重要視された形です。

 

もっとLGBT教育の重要性を理解するには、ホモフォビアの存在や、異性愛者以外の人間が受けた差別の歴史を知る必要があるでしょう。

掲載日:

CATEGORY