ポイント還元による恩恵
増税に伴って施行されるのがポイント還元です。これは2019年10月1日からの9ヶ月の期間に商品やサービスを購入する際、現金を使わずにクレジットカードや電子マネーなど利用することでに2%か5%のどちらかの割合で還元を受けられるというものです。この制度を使うと場合によっては8%のころの消費税率より安く購入することができます。
ポイント還元の特徴
ポイントの還元率は対象となる店舗によって変わります。5%還元となるのは中小の小売店や飲食店と宿泊施設などで、2%の還元はコンビニや外食とガソリンスタンドのフランチャイズチェーンとなります。このポイント還元では中小企業を対象にしていることで、既にキャッシュレス化の進んでいる大手の小売り店やコンビニ以外のキャッシュレス化を推進する動きもあると考えられます。この施策では上記の業態以外にもソフトウェア業や情報処理サービス業も含まれているので、思いがけない製品でも還元を受けられるかも知れません。
ポイント還元のメリット・デメリット
ポイント還元にはアマゾンなどの大手通販サイトに出品している小売業者、商品を購入する際もその事業者がアマゾン内でのポイント還元利用に登録していれば、5%の値引きが受けられるのも大きなメリットです。また、社内での経費の立て替えを行なった際も、キャッシュレス対応の店舗を利用していれば差額分を浮かすことができるのも良い点です。このポイント還元施策ですが、問題点もあります。それはキャッシュレスに対応していない店舗では還元を受けることができないという点です。9月の下旬時点で加盟している店舗は約58万店で東京では約9万店が登録されています。この数は一見多い様に見えますが、東京には小売業だけでも約140万店あるのでまだまだ普及には時間がかかりそうです。
増税後の大きい金額の買い物
消費税は基の値段に対する税額なので、値段が大きいものに比例して金額も高くなっていきます。たとえば購入単価の高い家や車などは費用面でも多くの変化があります。土地と家をそれぞれ2000万円で購入場合を増税前と後で比較すると増税前は消費税が160万円で増税後は200万円と金額にかなりの差が出てきてしまいます。
増税後の住宅補助制度
増税後では増税前とは異なった税制度が受けられます。一つは「住宅ローン控除」で住宅ローンを利用して家を購入した際に、所得税から年40万円が10年間減税されます。二つ目は「すまい給付金」です。こちらは増税前は最大30万円の控除が50万円までに引き上げられています。最後は「次世代住宅ポイント制度」です。2019年4月から2020年3月に着工し、エコ住宅・長持ち住宅・耐震住宅・バリアフリー住宅のいずれかに該当する住宅は、省エネや環境に配慮した商品や防災関連、子育てや家事関連の商品に使えるポイントが30万ポイント付与されます。
増税後の自動車
増税後の自動車に関する大きな変化として「自動車税の税率引き下げ」と「自動車所得税の廃止と環境性能割の導入」の2つがあります。前者は自家用の乗用車の税率が引き下げになる制度で1,000円から最大4,500円の引き下げになります。後者は購入時に取得価額に対して課税されていた税制度が廃止され、新しく燃費性能に応じて減税される制度です。これらの制度が現在持っている車や新しく購入する車の性能と上手く適合すれば節税になるかもしれません。
増税後の生活に関して
下記の表をご覧下さい。これは月単位の家計支出を増税前と増税後でどの位変わるかを表にしたものです。住宅は賃貸の場合は非課税なので変わらず、また食費に関しては軽減税率により変動はありません。ですがそれ以外の主な支出である水道や光熱費、日用品などの支出を試算すると月々約3,420円、年間で見ると4万円以上の支出が増えることとなります。これはあくまでも増税後に同じ生活を続けた場合の試算で、例えば外食や日用雑貨などを、ポイント還元が利用できる店舗で利用することで安く抑えられるかも知れません。
子育て支援の充実
増税に伴い子育てに関する施策などが今後充実していく可能性があります。消費税を引き上げることは、社会保障の充実や安定化に影響するため「社会保障と税の一体改革」として子育てに関する税制が強化されます。具体的には3~5歳児の全世帯と0~2歳の住民税非課税世帯を対象に、認可保育所の利用料が無料になり、認可外の保育施設も一定の上限を決めた上で国からの補助金が出されます。
まとめ
今回は消費税の増税後に起こりうる出来事と、増税後に気をつけるポイントや制度について解説しました。軽減税率によって値段が据え置きになる飲食店や、本体価格を下げることで税率の増加に対応する問題。ポイント還元によって得られる利点や普及の問題、増税後の費用に大きく関わる住宅や車の購入時の税制度、増税後の家庭における支出の概要と、小さな子供が居る家庭など税保証などを大まかにご説明しました。こういった税改革は生活や社会に様々な影響を起こす出来事なのですべてを一度にご説明するのは難しいですが、今回の記事でより増税に関して興味をもった方はさらに税の仕組みなどを調べてみて下さい。
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