「令和」が始まる!元号から中国古典に触れてみよう
2019年5月1日からの新元号が発表され、今や「令和」一色の日本。令和が『万葉集』という日本古典から由来する、というのはご存知かと思いますが、意外なことに日本古典から引用された元号というのは今までの歴史にはなかったそうなのです。というのも、今までの元号は全て中国古典から引用されていたんですよね。
なぜ今までの元号は中国古典から引用されていたのでしょう?また、今回の改元で日本古典からの引用を試みた意図はどのようなものなのでしょうか。
日本の元号と中国の繋がり
日本の最初の元号は「大化」です。大化の改新という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。日本がこのように元号を取り入れた背景には、中国の存在がとても大きいのです。詳しくみていきましょう。
”中国”の元号から”日本”の元号へ
日本が元号を使用し始めたことにより、中国発祥の律令国家制度を取り入れた、という示しとなりました。しかしここで「大化」という日本独自の元号を使うことにより、独立した文明国家だ、ということを明示すると共に中国(当時の唐)との差別化や、整った文化を所持していることのアピールにしたのです。
長く続いた中国の元号の歴史ですが、1911年、清王朝が終わり中国政府が元号を廃止します。しかしそれでも日本の元号文化は続きます。これは今でも天皇家が途絶えてないからなんですよね。現代まで途切れず続いてきた元号は、いつのまにか日本固有のものとなっていました。
由来は中国古典!今までの元号
前述した通り、日本の元号の起源は中国の元号にあるんですね。そのような経緯で「大化」から「平成」まで、歴代の元号の名前は中国の古典から引用されていたわけです。
今までの元号をザッとみてみると、全て”漢字2文字”から成り立っており、元号制定の際もその点に留意して決定がなされているそうです。日本のやまと言葉ではなく、中国由来の漢字が使われているということから、そのような形になったのでしょう。
しかし今回の新元号、令和は日本の古典から引用されています。今回の改元にあたり、若者に予測されたような「卍元年」や「タピオカ元年」など、”漢字2文字”以外の元号名に変わる時代ももしかしたら遠くないのかもしれません…
「令和」に込めた日本の心
安倍総理は「2019年は歴史の大きな転換点にあり、日本には色褪せることのない価値がある」。と述べました。
もちろん日本の歴史は大切ですし、中国古典と元号の関係性も深いものです。しかし、多くの震災など災害が相次ぐ平成の日本にとって、改元というのはとても重要なターニングポイントとなるはずです。
明治、大正、昭和、平成と歩んできた日本ですが、様々な技術の発展やグローバル化により新しいものへの着手が絶え間なく必要となってきています。ここで、本当の意味での日本らしさ、日本の強く美しい歴史や文化を保ちつつ新しい時代を築く、という点で日本古典から引用された元号、令和は強く人々の心を打つのではないでしょうか。
安倍総理の言葉には、そんな思いが隠されているような気がしますね。
中国人の反応はどうなの?
古くから元号の由来となってきた中国古典ですが、今回は日本古典からの引用という運びになり、中国の方々はどう思っているのでしょうか。マイナスなイメージは持たれていないのでしょうか…気になるので見ていきましょう。
”
・なかなか、かっこいい元号だと思う
・これが今後何十年も続く日本の元号か。永遠にわれわれの記憶に存在するものだと考えると妙な気分
・中国古典が使われなかったなんて。『中国除去』成功だ
・改元は時代の交代を思わせる。平成最後の1カ月を大切に
・平和を命じる(命令する)ということだ
”
引用:https://www.excite.co.jp/news/article/Recordchina_20190401022/
もちろん他にも沢山の意見があるかとは思います。しかし、少なからずプラスのイメージを抱いている中国人の方が居る、という事実は大きいのではないでしょうか。そもそも現代の中国人の若者の中には、日本の元号に中国古典が関わっていたことを知らない人も多いのかもしれません。
良くも悪くも、日本が中国に寄りかかっているようなイメージはもう拭われていっているのかもしれませんね。
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