【医師監修】フォトフェイシャルなどのIPL治療ってどんな効果がある?レーザーとの違いも紹介
みなさんは、近年注目を集めているIPLをご存知ですか?レーザー治療と比較されることが多いIPLは、さまざまな肌トラブルに対応しているだけでなく、20分から30分という短い施術時間や、施術後の腫れや赤みがほとんどないという点で、注目されている治療方法です。
本記事では、IPLと従来の治療法との違い、効果やメリットなどをくわしくご紹介します。
IPL治療とは?
IPL治療とは、インテンス・パルス・ライトの略です。
IPL治療に使用される最も有名な機器としては、フォトフェイシャルがあります。
一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
治療はIPLのフラッシュライトを顔全体に照射して行います。肌トラブルの元となるメラニン色素やヘモグロビンなど、さまざまな色素に効果があるため、複数の肌トラブルを同時に解消できる治療法として近年注目を集めています。
レーザー治療との違い
IPL治療(光治療)の比較対象としてよく挙げられるのが、レーザー治療です。どちらも、肌トラブルを解消するために、光を照射し、波長を使って肌トラブルを解消していく治療法です。
違いは、照射できる光の波長とパルス幅です。レーザー治療では、一つの波長の光(単色性)を短いパルス幅でまっすぐに照射します。波長によって効果のある色調に違いがあるので、例えば茶色いシミに効くレーザーと血管拡張などの赤ら顔に効果があるレーザーは違うものになります。パルス幅が短いということは、熱が広がりにくく、皮膚の深いところまで届いてパワーが強いという性質があります。
一方でIPL治療(光治療)では幅広い波長の光(515~1200nm)を長いパルス幅で照射することで、広範囲に浅めに効果があります。そのため、IPL治療では、茶色いシミにも赤ら顔にも、レーザーより効果は劣りますが同時に働きかけることができます。IPL治療はレーザー治療に比べ、1回の照射エネルギーが弱いため繰り返し照射する必要がありますが、施術後のダウンタイムが少なくすんだり、肌へのダメージが比較的軽かったりするというメリットもあります。
IPL治療の流れ
IPL治療の主な流れとしては、カウンセリング、洗顔、施術、アフターケアです。カウンセリングでは、医師の診察を受け、症状に合った治療法を決定します。
続いてメイクをしている場合は、洗顔をしてメイクを落として清潔な状態にした後に施術を開始します。肌を火傷から守り傷つけないよう保護用のジェルを塗り(ジェルがいらないIPLもあります)、20分から30分ほどIPLを照射します。
施術中は、輪ゴムで軽く弾かれているような小さな痛みはあるものの、麻酔をかけるほどではありません。
最後に肌に塗ったジェルを拭き取り終了です。ダウンタイムが少なくてすむので、すぐにメイクをして帰宅することができます。IPLは広範囲を弱い波長で照射するため、1ヶ月おきに、合わせて3回から6回ほど繰り返す必要があることが多いです。
費用はどのくらい?
IPL治療にかかる費用は、1回10,000から35,000円。悩みによっては3回以上繰り返す必要があるので、最低でも30,000円はかかってしまう可能性が高いでしょう。しかし肌へのダメージや効果を考えると妥当な値段といえるかもしれません。
IPL治療の効果は?
IPL治療はどのような肌トラブルに効くのでしょうか。ここでは、IPL治療のメリットや効果の得られ方とともにご紹介します。
どんな効果がある?
IPL治療で効果のある肌トラブルとは、具体的にシミやそばかす、毛穴の開きやニキビ(跡)、小じわや赤ら顔、血管拡張症、くすみやくまなどです。
波長を変えてアプローチすることで、これらの肌トラブルを改善させることができます。また、ハリ、ツヤ、美白などにも効果があるとされており、アンチエイジングも期待できると言われています。
IPL治療を使うメリット・デメリット
まずは波長を替えるだけで、さまざまな肌トラブルを同時に解消することができる点です。さらにダウンタイムが少ないので、すぐにメイクをすることができます。また、弱い照射を広範囲に当てていくため、肌へのダメージが少なくてすむといわれています。
一方のデメリットとしては、少し高額であることと、 ピンポイントに強い照射をすることができないので、何回か治療を継続する必要があることです。
また、数回繰り返しているうちに、肝斑というシミが出てくることがあります。元々ある肝斑はIPLをすることで濃くなるので、肝斑がある方はIPLをやる前に肝斑の治療をする必要があります。
IPL治療はどのように効果を発揮する?
IPL治療では、効果の違う波長フィルターを使い、肌トラブルに応じてオーダーメイドの光を照射することができます。
シミ解消の場合は、シミの原因となるメラニンにこの熱エネルギーを吸収させることで色素を分解させ、徐々に皮膚表面に浮かんできた色素がターンオーバーすることで老廃物として皮膚から外に取り除かれるという流れです。
その際に、シミが濃くなりかさぶたのようなものができますが、1週間ほどで自然に剥がれ落ちます。
IPL治療で使うフィルターの違いと効果
IPL治療では、機種によって、フィルターの種類や個数は違いますが、それぞれの機種が、効果が得られるよう工夫を凝らしています。
例:フォトフェイシャルM22 9種類
サイトンBBL 7種類
アイコン 3種類
ソラリ 6種類
ノーリス 8種類
フィルターを変えることで、肌トラブルがある肌の深さに合わせてパワーや波長の調整が可能になります。波長の短いフィルターを使用することで、皮膚の表面にあるメラニン色素を分解でき、シミやそばかすによく効くといわれています。
一方で、波長の長いフィルターを使用することで深い部分まで届き、毛細血管拡張の原因となる血管を閉塞させ、赤みを改善できるとされています。
まとめ
近年注目を集めているIPL治療では、7つのフィルターによって照射のパワーと波長を調整することで、同時に違う種類の肌トラブルを解消できるといわれています。
少し料金はかかるものの、肌へのダメージのなさやアンチエイジング効果、ダウンタイムのなさなどを考慮すると、とても魅力的な治療方法といえるでしょう。
監修医師プロフィール
とみ皮膚科クリニック 院長
川村 都美
専業主婦から一念発起、アトピーに悩む長男をきっかけに、医師になることを志す。
子育てと両立しながら医学部生・研修医時代を乗り越え、念願の皮膚科医に。
その後多くの患者と関わるうちに、見た目が変わることによって、笑顔を増やしたり、自信を持てたりなど、患者自身の人生を変えていけることを実感し、美容皮膚科の重要性を知る。
現在は、病気から美容まで皮膚のお悩みにお応えでき、地元の皆様に愛され頼られるクリニックを目指して、静岡県富士市にてとみ皮膚科クリニックを運営。
保険皮膚科と美容皮膚科の両方を大事にしながら、患者と日々向き合っている。
とみ皮膚科クリニック
https://tomiskinclinic.com/