成長ホルモンが増えると噂の加圧トレーニングとは?美肌や育毛にも効果的?
長引くコロナ禍で外出自粛や在宅勤務により「おうち時間」が増えました。最近では規制が緩和されつつありますが、運動不足を感じたりご自身の体型や健康に課題を抱く方も多いのではないでしょうか。実際に、コロナ前と比べて運動や筋トレをする人が増えているというデータもあります。
そこで本記事では、成長ホルモンが増えるといわれる加圧トレーニングについてご紹介します。加圧トレーニングの原理や期待できる効果について解説しています。
筋トレの効果
コロナ前に比べ、体重の増加などの理由から意識的に運動や筋トレをする方が増えているとの報告もあります。それに伴い、エクササイズグッズやオンラインによる自宅トレーニング、またスポーツジムなどの需要が高まっているそうです。特に20代、30代では男女問わず意識的に筋トレに取り組んでいる人が多い傾向があるという調査結果もあります。
あるビジネス書には、継続的に、そしてストイックに自身の体を鍛えることは「目標に向けた行動計画の立案」から「具体的な実行・実践」のプロセスであるとされています。そのため、日常的に体を鍛えることでビジネスで不可欠なマネジメント能力も鍛えられると述べられています。
また、計画・実施・目的達成が「自信」につながるともいわれています。
このように、最近は筋トレやランニングなどきついトレーニングはビジネスパーソンのスキル向上につながることが示唆されていることからも、活発な労働世代には筋トレの人気があるかもしれません。
加圧トレーニングとは
一言で「筋トレ」といってもさまざまなトレーニングの種類があります。
イメージしやすいものだと、スポーツジムにあるような機械で重量を調整しておこなう「マシントレーニング」、ダンベルやバーベルといった重量器具を用いて鍛える「フリーウェイトトレーニング」、家でできるような腹筋や腕立て伏せなど器具を使わない「自重トレーニング」が挙げられるでしょう。
ちなみにヨガやピラティスも筋トレの一種です。
これらのトレーニングに加え、「加圧トレーニング」という方法もあります。このトレーニングは腕や脚の付け根を専用ベルトで締め付けて加圧し、血流を適切に制限した状態で実施するトレーニングです。発明者である佐藤義昭さん(ボディビルダー)が長時間の正座で足がしびれたことからヒントを得て、研究が進められたトレーニング方法といわれています。
四肢の付け根に圧力をかけることで、低負荷の運動でも筋肉の合成に必須である成長ホルモンが大量に分泌され、筋力向上の効果が得られるのだそう。このトレーニング方法は臨床スポーツ医学領域でも注目されており、高齢者のリハビリにも導入されています。
では具体的にどのような原理で筋トレ効果が得られるのでしょうか。
加圧トレーニングの原理
腕や脚の付け根に特殊な弾性ベルトを巻き、四肢に適切な圧力を加えながら一定時間低負荷の運動をおこないます。運動をしている最中は筋肉の血流がある程度制限されているので、筋肉は低酸素化され、疲労物質(乳酸)が発生して筋肉に蓄積されます。
このように運動負荷が小さくても筋肉の活動レベルが活発になるため、脳下垂体から成長ホルモンが大量に分泌されます。筋肉の合成に欠かせない成長ホルモンが血流により全身へ運ばれることで筋肉へ作用し、その結果、体脂肪を分解して筋肉を形成すると考えられています。
加圧トレーニングはこの原理を利用するため低負荷で、かつ関節への負担も少なく運動を実施できます。また刺激が長時間でないことから若者のみならず高齢者向けの筋肉トレーニングにも取り入れられており、週2回の運動を4ヶ月実施したところ筋力が20%程度増大したという結果も報告されています。
加圧トレーニングの効果
それでは筋力向上のほかに、加圧トレーニングで得られる効果はどのようなものがあるのでしょうか。
効果1 成長ホルモンが大量に分泌、新陳代謝が活発に
トレーニングすることで発生した乳酸により、脳内のホルモン分泌部位が刺激されます。この結果、成長ホルモンやアドレナリンなどが分泌されますが、この成長ホルモンこそが新陳代謝の重要な役割を果たします。
新陳代謝が良くなることによって、全身の身体組織にさまざまな変化が起こります。
たとえばアンチエイジング効果がそのひとつです。若返りや老化防止のみならず美肌、育毛、肥満改善などにも期待ができます。
効果2 血行の良化
腕と脚の付け根には大きな動脈と静脈の両方が通っています。その部分に適切な圧力をかけることで、心臓より上の部分では一時的に血流が減少します。
その状態になると脳が心臓へ血流を増やすように指令を出し、毛細血管まで血液が行き届きます。この加圧状態と除圧状態を繰り返すことで毛細血管が増え、血行の促進が期待できるのです。
効果3 弾力性のある丈夫な血管に
老化により血管は硬くなり、血液を搬送する力は弱っていきます。血管内にある細胞は血管の健康状態を維持する重要な役割があり、加圧トレーニングを継続することで細胞へ一酸化窒素が分泌されます。そのようにして血管細胞が活発化され、その結果弾力性のある丈夫な血管が蘇るとされています。
効果4 「速筋」「遅筋」同時に鍛えられる
筋肉には主に高負荷トレーニングで鍛えられる「速筋」と軽い負荷のトレーニングを長時間実施することで鍛えられる「遅筋」の2種があります。
それぞれ鍛え方が異なるため、通常のトレーニングでは同時に鍛えることはできませんが、加圧トレーニングでは高負荷での運動量を人工的に作り出している状態であるため、軽い負荷で速筋と遅筋を同時に鍛えることが可能です。
まとめ
加圧トレーニングは通常のトレーニングより低負荷で実施でき、関節への負担も少ない状態で筋肉を鍛えられるだけでなく、新陳代謝の活性化や血行の良化にも効果が期待できるといわれています。
通常の筋トレにより効果を見出すため、一度試してみてはいかがでしょうか。