今年の猛暑の原因はラニーニャ現象?原因や影響をわかりやすく解説

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今年の猛暑の原因はラニーニャ現象?原因や影響をわかりやすく解説

「ラニーニャ現象ってよく聞くけど、結局どういう現象?」

「ラニーニャ現象が起きるとどうなるの?」

 

夏の時期になると耳にするラニーニャ現象ですが、このような疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。

 

2022年、日本は7月1日時点で最高気温40℃を記録した地域が6地点となりました。同時に6地点で40℃を記録するのは、観測史上初のことだそうです。6月下旬から8月中旬を過ぎた今に至るまで、全国的に猛暑日が続く夏となりました。

 

この猛暑の原因はラニーニャ現象なのでしょうか。

 

この記事では、ラニーニャ現象の基本的な意味やメカニズム、発生する原因などについてまとめました。2022年の猛暑の原因についても触れているので、参考にしてみてください。

ラニーニャ現象とは

ラニーニャ現象とは

ラニーニャ現象とは何なのか、基本的な意味や現象の定義について解説します。

 

ラニーニャ現象について、かつて学校の授業で教わったりニュースで見かけたりして名前だけは記憶している人も多いでしょう。今一度、どんな意味があってどのように観測されるのかを知っておきましょう。

ラニーニャ現象は世界中の天候に影響する?!

ラニーニャ現象は、一定の海域で海面水温が例年より低い状態が続く現象のことをいいます。

 

数年おきに発生することが確認されており、ラニーニャ現象が発生すると日本を含め世界中で異常気象を引き起こす原因になるといわれています。

一緒に知られるエルニーニョ現象とは

ラニーニャ現象と一緒に知られている言葉に、エルニーニョ現象というものがあります。

 

エルニーニョ現象は、海面水温が例年より高い状態が1年ほど続く現象のことです。「エルニーニョ」はスペイン語で、英語でいうところの「幼子イエス・キリスト」に該当します。

 

反対に海面水温が低くなる現象には「女の子」を意味する「ラニーニャ」が名づけられました。

ラニーニャ現象に明確な定義はない

ラニーニャ現象とエルニーニョ現象は、世界で共通とされている明確な定義がありません。

 

気象庁では、ハワイ諸島付近の赤道からガラパゴス諸島周辺の海域を「エルニーニョ監視海域」とし、その海域の水温を平年と比較した結果で現象の発生を確認します。

 

基本的に、海面水温が平年より0.5℃高い状態が6か月以上続くエルニーニョ現象0.5℃低い状態が6か月以上続くラニーニャ現象と定義しているようです。

ラニーニャ現象はなぜ起こる?

ラニーニャ現象はなぜ起こるのか、そのメカニズムや発生する原因についてまとめました。

ラニーニャ現象が発生している状態

ラニーニャ現象は、海面水温が平年より低くなっている状態をいいます。

 

海面水温が低くなるのは、東風が通常より強くなるからです。東風が強く吹くと、西部に暖かい海水が蓄積する一方、東部では冷たい水の湧き上がりが強くなるため、海面水温が平年よりも低くなるのです。

 

ラニーニャ現象が発生すると、インドネシア近海の海上で積乱雲が盛んに発生するため、同様に現象を定義する目安といえます。

ラニーニャ現象が起こる原因は不明

ラニーニャ現象やエルニーニョ現象が起こる原因は、実際のところ判明していません。

 

エルニーニョ現象が起こる前に、西部太平洋赤道域に暖かい水がたまることがあります。これを発生の原因とする考えが強いようです。

ラニーニャ現象が日本に与える影響は?

ラニーニャ現象が日本に与える影響は?

ラニーニャ現象は世界中の天候に影響を与えますが、日本にはどのような影響があるのか知っておきましょう。

ラニーニャ現象が起こると日本はどうなる?

ラニーニャ現象が起こると、日本では夏の気温が高くなる傾向にあります。

 

沖縄・奄美大島では南から湿った気温が入ってくるため、降水量が多くなるようです。9月まで続くと台風も近づいてくるので、より注意が必要になるでしょう。

ラニーニャ現象が起きたときの日本の四季

ラニーニャ現象が起きたときの日本は、夏に気温が高く冬に気温が低くなる傾向があります。

 

日照時間の長さにも違いがあり、春は西日本で多く北日本太平洋側で少なく、冬には北日本太平洋側で多くなるというデータがあるようです。

 

また、梅雨の時期には西日本太平洋側で降雨量が多くなる傾向にあります。

2022年の猛暑の原因はラニーニャ現象?

ラニーニャ現象の発生によって、2022年の日本は猛暑に見舞われたと考えられます。

 

2022年6月10日、気象庁はラニーニャ現象の発生を発表しました。

実際には前年の秋からラニーニャ現象は続いており、5月の太平洋赤道域の海洋と大気の状態はラニーニャ現象であることを示していました。

 

6月10日に発表された時点で、夏の前半まではラニーニャ現象が続く可能性は70%としていました。実際、2022年7月1日には6地点で40℃以上の最高気温を記録し、同時に6地点で観測されるのは観測史上初だと話題になりました。

 

8月10日、気象庁は冬のはじめまでラニーニャ現象が続く可能性は60%と発表しました引き続き熱中症への注意が必要になりそうです。

まとめ

ラニーニャ現象の概要や発生するメカニズム、日本に与える影響についてまとめました。

 

ラニーニャ現象は数年に一度起こる現象で、厳密には発生する原因はわかっていません。しかしラニーニャ現象が発生すると日本の夏は気温が高くなる傾向にあります。

 

今後もラニーニャ現象は続くと予想されているため、まだ暑さには注意が必要です。熱中症対策をして健康的に暑さを乗り越えましょう。

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