あの時、流行した音楽・アーティストは誰!?
日本の音楽シーンは日々刻々とその様子を変化させてきました。1980年代後半からのJ-popの誕生からはそのスピードが益々上がっているような気がします。遡れば、歌謡曲全盛期の時代や、グループサウンズ全盛期など、時代に合わせて文化やカルチャーとして音楽は様々な役割を果たしているのです。中でも、今回はまさに我々が青春を過ごした80年代〜現在までの日本で流行った音楽達を思い出して行きたいと思います。
日本の音楽シーン流行の歴史
さて、日本の音楽シーンは、これまでどのような変化をしてきたのでしょうか。戦前の日本では明治の時代から、民謡のような曲が主体でした。昭和の初期にはオペラや歌劇の文化が伝わってきた為、華やかな楽曲も一般的になっていくのですが、戦争中はどうしてもそういうわけにいかず、軍歌のような曲しか流れない時代になりました。その後、1950年頃から美空ひばりなどの台頭と共にガラッと変化してきています。テネシー・ワルツなどのジャズ要素が強い音楽も戦後の時代の特徴的なヒット曲と言えるかもしれませんね。ブギウギやマンボなど様々な曲調の音楽がヒットチャートに登るようになったのもこの時代の面白いポイントです。その後、ペギー葉山やフランク永井などのシャンソンの歌手も1960年代頃に登場するので、ちょうどこのころが日本の音楽に海外の要素が混じっているカオスな時代と言えるかもしれませんね。1970年代からは加山雄三や、ドリフターズと言った現在まで存在感を放つレジェンド達が牽引する時代となっていくのですが、沢田研二やピンクレディー、山口百恵と言った昭和の代名詞とも言えるスターもこの時代に現れます。1978年のヒットチャートでは1位から3位までが全てピンクレディーの楽曲ですから、その人気の高さは驚異的なものだったと言えます。1970年代が終わると、まさにバブル全盛期の昭和らしい音楽が流行します。ここからは年代毎に更に詳しく見ていきましょう。
1980年〜
何と言っても、1980年代は松田聖子に代表されるようなアイドルの時代と言えるでしょう。懐かしいですよね。おニャン子クラブが盛り上がったのもこの時代ですね。まさにバブルの象徴とも言えるようなミュージックビデオや、ワンレン・ボディコンといった時代を象徴する世相を反映するような曲も多く発売されています。シャネルズやチェッカーズ、近藤真彦なども1980年代という時代が生んだスターと言えるでしょう。どうしてもキラキラ、ギラギラしたヒットチャートが並んでしまうこの時代ですが、安全地帯や長渕剛が注目され始めたのもこの時期であるのは覚えていきたいところです。ちなみに1980年代に一番売れているのは「ダンシング・オールナイト」で、156.3万枚のCDを売っています。ここからはしばらくCDの売り上げがうなぎのぼりの時代です。
1990年〜
1990年代はまさに日本でCDが一番売れた時期です。毎年のように入れ替わるチャートのメンバーを見るとその勢いの凄さがわかるのでは無いでしょうか。1990年の1位はアニメ主題歌になった「おどるぽんぽこりん」なのですが、このテレビとの連動でヒットが次々と生まれてくるのがこの時代の大きな特徴と言えるかもしれません。90年代はドラマの主題歌とのタイアップで爆発的な人気曲がどんどんと誕生するのです。そして90年代に活躍した、ドリカム、サザン、BZ、安室奈美恵、SMAPなどのアーティスト達はその後の音楽シーンにも多大な影響を与え、また本人達も常に現役を走り続けています。安室奈美恵の引退に関しては、まさに平成の音楽シーンがひとつピリオドを打ったような印象を受けた人は非常に多いでしょう。
2000年〜
「2000年なんてつい最近のこと…」とはもう言えなくなってきましたね。CDがまだ売れていた2000年代前半から、徐々に変化が訪れてくるのがこの時代です。サザンのTSUNAMIは2000年代にあってまさに爆発的なヒットをしていますが、実はこの年以降、200万枚を超えているのは、SMAPの代表曲のひとつとなった「世界にひとつだけの花」だけなんです。すごく売れたような気がする平井堅の「瞳を閉じて」も100万枚に到達していません。
CDは売れなくなってきたこの時代ですが、J-POPというジャンルが完全に確立された時代とも言えるかもしれません。宇多田ヒカルや、浜崎あゆみ、安室奈美恵と言った平成を代表する歌姫達がこの時代の中心になり、男性アーティストでは、サザン、福山雅治、ポルノ、平井堅、と言った日本らしい歌手が生まれてきています。また、おニャン子や松田聖子から始まった「アイドル文化」はこの頃、モーニング娘。達に引き継がれ、そして、現在は再度おニャン子クラブの「秋元康」プロデュースの「AKBグループ」がヒットチャートを埋めています。これらは後述しますが、まさに時代の変化を象徴する事象のひとつと言えるでしょう。
2019年の日本音楽シーンの特徴って?
時は流れて、2019年は一体どんな音楽が流行っているのでしょうか。「あいみょん」、「King Gnu」と言った最新のアーティスト達は今の時代の若者の心を捉える歌を歌っています。彼らをご存知でしょうか。もし最新の情報を得るなら聞いておいても良いかもしれません。
ひと昔前に流行っていた圧倒的な世界観と近寄りがたい「カリスマ性」を持った人よりも少し親近感があって、自分を投影できるような自然体なアーティストが増えてきているのも特徴でしょう。先ほど少し触れましたが、「AKBグループ」に代表されるようなアイドル達のCDの売り上げについてもこの時代を語る際には言及する必要がありますね。日本の音楽シーンは平成の時代が終わると共に、新しい時代を迎えようとしているのは明らかです。CDはひとつのコミュニケーションとなり、「会いに行くため」、「ライブに行った体験を追体験するため」と少しずつ目的が変わっているのではないでしょうか。CDの売り上げだけで語られていた音楽業界も今や、それ以外の収入源の方が大勢を占めるようになっていますから、時代は変わったと言わざるを得ません。
しかし、同時に平成を代表した歌手達もずっと残り続けており、彼らの音楽の魅力が普遍的である事も同時にわかってきたのがここ最近の日本の音楽シーンなのではないでしょうか。
桑田佳祐は相変わらず紅白歌合戦に登場しますし、松田聖子は変わらぬヴィジュアルで歌って踊り続けています。安室奈美恵の引退は衝撃を日本中に与えますし、ミスチルがライブをすればすぐにSOLDOUTしています。もっと言えば、加山雄三は1970年からずっと第一線にいますし、その実力はどの世代にも認められる存在ですから、本物のアーティストの凄みを感じます。
まとめ
日本の音楽は戦後70年を過ぎて、まさに一度完成し、一巡したような印象を受けます。最新の音楽にもどこか懐かしさがありますし、昭和のレジェンドとも言えるようなアーティスト達が長く幅広い世代に人気があるのもそう言った印象を与える一因ではないでしょうか。流行りの曲を追いかけるのも良いですが、こんな時代だからこそ、昔流行った名曲を改めて聞いてみる事で心を震わせるような出会いがあるかもしれません。平成が終わるこの時代に、是非日本の音楽を聴き直してみませんか。
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