【医師監修】シミと肝斑の違いとは?見分け方や治療方法などについて解説
シミと肝斑(かんぱん)について、見た目が似ていることから「何が違うのかあまり分からない」と感じているのではないでしょうか。
顔に濃いシミや肝斑ができてしまうとコンシーラーでは隠しきれないこともあり、お悩みの方も少なくないはずです。
そもそも肝斑はシミの仲間であるためまったく別というわけではありませんが、原因や特徴には違いがあるため、適切な対処法も変わってきます。
そこで本記事では、シミと肝斑の違いについてご紹介します。適切な対策をするためにも、ぜひチェックしてみてください。
シミと肝斑は別モノ
シミと肝斑は、主に見た目・原因・治療方法に違いがあります。肝斑もシミの一種として分類されますが、普通のシミとは別のものとされています。
ここでは、シミ・肝斑それぞれの特徴を紹介します。併せて見分け方・治療方法についても解説します。違いさえ把握すれば、自分でも見分けられるようになる可能性が高いでしょう。
シミとは
シミは、顔の色素が増えることにより発生し、医学的にはいくつかのタイプがあります。
加齢により肌のターンオーバーが適切に行われにくくなることで肌の表面に出る症状です。このターンオーバーの乱れにより紫外線で増えたメラニンが排出されず、色素沈着してシミになってしまうのです。
若い世代でも「そばかす」などのシミが出る可能性はあるものの、通常は加齢によって目立つようになるシミが多いです。そのため加齢にともなうシミは「老人性色素斑」とも呼ばれています。
シミの大きな原因となるのは紫外線であるため、普段の生活では若いうちから日焼け止めや帽子などを活用し、加えてビタミンCを摂取し出来る限り予防するのが重要と考えられています。
こういった基本的なケアで出来るだけ予防することも可能ではあるものの、一度できたシミは自然には消えないため、既にできている場合は皮膚科・美容皮膚科などでの治療も視野に入れる必要が出てくるでしょう。
シミの見分け方
シミの特徴は、輪郭がはっきりしていて、茶色い楕円形であることです。
肝斑とは違い、基本的にシミは左右非対称に出ます。そのため「顔の片側だけにシミが出ている」「1つだけシミがある」という人も多いかもしれません。
シミは加齢によって少しずつ濃くなっていくもので、通常のシミであれば、30代後半ごろから少しずつ目立つようになるでしょう。ただし、複数種類のシミが混在していることも多く、一つの治療では治療しきれないことも多いです。
シミの治療方法
シミの重症度は色素の濃さで示され、治療の目的は顔の皮膚色を均一にすることです。シミの治療には、レーザー・内服薬・外用薬が使われます。これは、シミの種類によっても変わり、一つの治療だけでは終わらないことが多く、各種治療を併用することが多いです。内服薬や外用薬は効果が出るまでに時間がかかりますが、安易にレーザー治療を選ぶとシミの種類によっては悪化するので、主治医を十分に話合い、治療を決めましょう。
効果が出るまでのスピードで選ぶのならレーザーですが、シミの種類によってレーザーの種類やレーザーの照射方法は変わります。このため、治療方法によってはダウンタイムが強く出ますし、一時的にシミが濃くなり、その後にシミが取れてくることもあります。このため、自分のシミに対して、どんなレーザーを使って、どんな経過になるのかの説明は通常行われますが、大切なことなのできちんと聞いておきましょう。
事前に説明を受けているとはいえシミが濃くなった場合には、不安に感じるかもしれませんが、少しずつ薄くなっていくので心配する必要はありません。また、施術後も保湿や紫外線対策を行うことが重要です。
肝斑とは
肝斑とは洗顔などの摩擦、紫外線、女性ホルモンの乱れなどによって生じるシミの一種ですが、男性でも稀に出る可能性があります。現段階では肝斑ができる仕組みについてはまだ完全には解明されていませんが、一般的に次のような要因も考えられています。
・妊娠
・出産
・ピルの服用
・ストレス
このことから、肝斑は30代を過ぎたころから出やすくなるとされています。
しかし通常のシミとは異なり、肝斑は閉経後には薄くなるのが一般的です。高齢になると軽快します。
肝斑の見分け方
肝斑は両頬を中心として、典型的には左右対称に出ます。加えて、他のシミとは異なり輪郭ははっきりしておらず、経年的に濃くなったり薄くなったりします。できる場所として多いのは両頬ですが、額、口唇、鼻・顎などに出る人もいます。
とはいえ肝斑も絶対に左右対称になるとは限らず、人によってはシミと似たような肝斑が出る可能性やほかのシミが混在することもあります。
このため、病院でもシミ・肝斑の判別をはっきりさせることは難しいことも多く、内容に合った適切な治療を受けるために、主治医と話合いが必要です。自己判断がは難しいので、まず相談に行くことをおすすめします。
肝斑の治療方法
肝斑の基本治療は、悪化要因を除くことです。つまり、刺激となるものの除去と紫外線防御が最も大切になります。このほかに、内服、外用剤、レーザー治療などが併用されますが、肝斑においてレーザー治療は単独では推奨されていません。
レーザーで治療する場合には、以下の方法もあります。
・レーザートーニング
・ポテンツァ
肝斑においてレーザー治療はレーザーの種類と照射方法が大切で、レーザー単独の治療では色が濃くなり、悪化してしまう場合もあります。そこで肝斑の治療を目的として使われているのが「レーザートーニング」です。
レーザートーニングは、低フルエンス照射(わかりやすく言えば弱い)を繰り返して照射する施術方法ですが、これも場合によっては肝斑が再発する可能性があります。
ポテンツァはメラニンを生成する組織に直接アプローチする方法であるため、肝斑の再発も防げるともいわれています。しかし、使い方にコツがあり、肝斑の治療でポテンツァを使用できる施設はそれほど多くはありません。
ポテンツァ ニードルRFの施術の頻度は2週間~1ヵ月に1回が目安となります。さらに5~6回治療を受けると肝斑の改善につながるでしょう。
まとめ
今回は肝斑とシミについて、違いや発生の原因、治療方法などをご紹介しました。
「シミや肝斑を予防したい」と考えているのなら、まずは紫外線対策を徹底することが大切ですが、対策をしていてもシミ・肝斑ができてしまう可能性があります。
シミと肝斑どちらの場合でも、美容皮膚科や皮膚科での相談が可能です。相談するとシミ・肝斑のどちらなのかを診断したうえで、医師が適切な治療方法を提案してくれるでしょう。
治療を考えているのなら、まずは美容皮膚科や皮膚科を受診してみてくださいね。
監修医師プロフィール
アルバアレルギークリニック 院長
続木 康伸
新生児から妊婦まで年間のべ1万人、九州や東京からも患者が訪れるアルバアレルギークリニック院長 。
「カズレーザーと学ぶ。」出演。
アルバアレルギークリニックホームページ
https://alba-allergy-clinic.com/