【薬剤師執筆】今からでも遅くない!白髪を増やさない年代別ケア法とは
「まだ若いのに白髪が気になる…」「白髪が多くて老けて見える」など、白髪に関する悩みは年齢とともに増えるもの。
ヘアカラーではうまく染まらなかったり、かえって目立ってしまったりと、対処に困っている方も多いようです。
今回は、白髪が増える原因やメカニズムについて解説するとともに、対策をご紹介します。
白髪ができるメカニズムとは?
「メラニン色素」は、髪の毛に色をつけてくれる物質です。メラニン色素を作る細胞であるメラノサイトは、髪の毛の根元の「毛母細胞」の周辺にあり、毛母細胞へメラニン色素を渡します。
しかし、何らかの原因で毛母細胞がメラニン色素を受け取れなくなると、白髪が生えるようになります。原因としては、加齢、遺伝的な要因、心身へのストレスなどが代表的です。
これ以上白髪を増やさない! 年代別ケア法
白髪を少しでも増やさないように、ケア方法をご紹介します。年代によって白髪になる原因が異なるので、自分に当てはまるものを試してみてください。
20代の白髪ケア方法
20代頃から出てくる白髪は、遺伝的要因が原因のいわゆる「若白髪」や、生活習慣の乱れが原因であることが多いといわれています。
20代の白髪には、以下の対策がおすすめです。
(1) メラニン色素のもと「チロシン」を摂取する
メラニン色素は、チロシンというアミノ酸から作られます。チロシンはチーズやナッツ類、大豆製品(豆腐、納豆、豆乳など)に多く含まれていますので、取り入れやすいものを摂取してみましょう。
(2) 生活習慣を整える
睡眠不足や栄養バランスの乱れはありませんか?
睡眠不足は、頭皮の血流を悪化させるほか、メラニンの生成量を減らしたり、毛母細胞の働きを弱めたりしてしまいます。
また、栄養バランスを無視した無理なダイエットは、タンパク質や亜鉛など髪の健康に必要な栄養素の摂取量を減らすことにつながり、薄毛や白髪の原因となります。しっかり寝て、食事バランスを整えましょう。
30代の白髪ケア方法
30代は、仕事や子育てなどで心身のストレスがたまりやすい時期。からだを労わることが大切です。
30代の白髪には、以下の対策がおすすめです。
(1) 禁煙・禁酒
タバコやアルコールを好んでいる方は、控えてみませんか? たとえば、タバコはメラニン色素を作るのに必要なビタミンB12を壊してしまいます。
(2) 運動量を増やす
運動は全身の血流を改善してくれるため、頭皮の血流改善にも効果的です。また、ほどよく疲れることでしっかり眠れるようになったり、成長ホルモンの分泌が促されて毛母細胞がよく働くようになったりすることも、白髪の予防につながります。
エレベーターではなく階段を使う、ひと駅分歩いてみるなど、日常生活のなかで運動量を増やしてみませんか?
40代の白髪ケア方法
40代頃からは、白髪の方も増えてきます。加齢によってメラノサイトの働きが弱くなり、色素を作ることができなくなるためです。白髪の増加を加速させないため、できることを行いましょう。
40代の白髪には、以下の対策がおすすめです。
(1) 紫外線ケアをする
若い頃に比べると、紫外線ケアを疎かにしている方はいませんか? 髪の毛が紫外線によってダメージを受けると、メラニン色素が壊れてしまい、白髪になったりツヤがなくなったりします。
帽子や日傘、紫外線ケアスプレーなどを使って紫外線から髪の毛を守りましょう。
(2) 白髪は抜かない
白髪を抜くと一時的に白髪は減るかもしれませんが、その後に生えてくる髪の毛も白髪の可能性が高いだけでなく、毛母細胞や毛穴にダメージを与える可能性があります。ダメージが強いと、髪の毛が生えてこなくなってしまうことも。
白髪が目立って気になるかもしれませんが、抜かないようにしましょう。
漢方による白髪対策もおすすめ
生活習慣を改めるほかに何か対策をしたいという方には、漢方薬もおすすめです。
白髪は、頭皮や髪への血流不足やホルモンバランスの乱れ、ストレス、睡眠不足、過労などによりメラニン色素が作られなくなることが原因と考えられています。
白髪の予防・改善には、
「血流を改善し頭皮や髪の毛を作る細胞に栄養を届ける」
「ホルモンバランスの乱れを改善する」
「自律神経のバランスを整え、ストレスを緩和し、睡眠の質を改善する」
「消化・吸収機能を改善して髪に必要な栄養を作る」
などのアプローチで、メラニン細胞の機能を回復させるように働く漢方薬から選びます。
髪や頭皮を根本から改善することで、白髪だけでなく、抜け毛や薄毛などにもアプローチできるでしょう。
<白髪対策におすすめの漢方薬>
・加味逍遙散(かみしょうようさん):ストレスの多い方
気分を落ち着かせたり、のぼせやほてりを整えたりする漢方薬です。女性ではPMSや更年期障害の治療にもよく使われます。
・八味地黄丸(はちみじおうがん):疲れやすく冷えのある方
年齢とともに疲れやすさを感じ、下半身が冷える方に向いています。からだを温め、腎を補うことで泌尿器系や生殖器系の機能を高める漢方薬です。
漢方薬は、個々人の体質や状態に合わせて、適切なものを選ぶことで効果を発揮するもの。体質に合っていない場合は、副作用が起こることもあり、どの漢方薬が自分に向いているのかを見極めるのは少し難しいでしょう。
しっかり選びたい方は、オンラインで薬剤師に相談できる「あんしん漢方」などを試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、白髪ができる原因と自分でできる対策についてご紹介してまいりました。
みなさんが日頃なにげなく行っている行動が、実は白髪の原因になっているかもしれません。改善できそうなポイントがありましたら、ぜひ試してみてくださいね。
<この記事を書いた人>
薬剤師 中山 歩実
大学病院、市立病院での勤務を経て、長期療養型の病院へ転職。
なかなか改善しない症状に対し漢方を使ったサポートを実施している。
さまざまな病気の段階の方と接する中で、正しい医療情報を得ることの難しさを痛感し、ライター活動を開始。
がんや感染症、生活習慣病など幅広い疾患や薬についての記事制作を担当。
「誰もが自分のからだを労れる社会」を目指し、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」で情報発信をしている。