爪タイプ診断で健康度チェック!知って得する爪のインナーケア【薬剤師監修】
突然ですが、「爪のケア」は日常的にしていますか?
手全体の乾燥予防のためになんとなくハンドクリームを塗ることはあっても、爪に焦点を当てたケアを定期的に行っている人は少ないかもしれません。
しかし、肌と同じく爪も乾燥したりシワができたりするので、放置していると手が老けてみえる可能性があります。
また、爪の状態によっては医療機関を受診したほうがいい場合もあるので注意が必要です。
そこで今回は、爪の状態チェックと健康に保つための方法について徹底解説していきたいと思います。
健康的な爪とは
そもそも「健康的な爪」とはどのような状態をいうのでしょうか?
具体的には下記のようなポイントが挙げられます。
・血色がいい(血色感のある薄いピンク色)
・自然なツヤがある
・指に沿うようになだらかなカーブを描いた形状をしている
このような状態が、いわゆる「健康的な爪」と言われています。
ケアを行う前に、まずは自分の爪の状態をチェックしてみましょう。
タイプ別にみる爪の特徴&原因
ここからは、具体的な爪の不調についてタイプ別に見ていきます。
自分に当てはまるものがないか確認してみてくださいね。
1.割れやすい爪
爪が割れやすいといっても、横から亀裂が入ったり先端が欠けたり、その割れ方はさまざまです。
少しでも爪が割れたり欠けたりすると見た目が気になるのはもちろん、服や髪にも引っかかりやすく不快感が拭えません。
爪が割れる原因には、栄養不足や乾燥などが挙げられます。
また、病気の可能性も否めません。
爪の先端から根元にかけて割れるのが特徴の爪甲縦裂症は放置するとなかなか治らず、ときには痛みを伴う場合があります。
この場合は我慢せず、すみやかに専門の医療機関を受診しましょう。
2.線が目立つ爪
爪の縦じわは、爪甲縦条(そうこうじゅうじょう)と呼ばれます。
誰にでもあるシワのようなものですが、加齢や乾燥などが原因で目立ちやすくなります。
病気ではないですが、これがあるだけで手元が老けて見えやすくなるので、保湿を行うなどして定期的にケアすることが大切です。
3.反り返った爪
反り返った爪は、匙状爪(さじじょうつめ)やスプーンネイルとも呼ばれ、爪の表面がくぼんでいるような形状になり、先端が中央よりも高く反ったようにみえる爪です。
これは、指腹(指先の内側、指紋のある部分)に必要以上の力が毎日加わると起こりやすいと言われています。
指先に力が入りやすい仕事(重い荷物を手で運ぶなど)を行っている場合は、指を酷使しないための工夫が必要です。
また、体内の鉄分が不足して赤血球内のヘモグロビンが作りづらくなる「鉄欠乏性貧血」の場合、爪が正常のときと比べて弱くなっているためスプーンネイルになりやすい傾向にあります。
健康的な爪になるための習慣3選
ここまで、爪の不調についてお伝えしてきました。
深刻な状態の場合は医療機関の受診をおすすめしますが、セルフケアで対処できる場合もあります。
1.血行促進
「爪の健康と血行にどんな関係があるの?」と考える人もいるかもしれませんが、血行不良は爪の健康を妨げる可能性があります。
とくに、寒い季節になると指先が冷えやすい人も多いのではないでしょうか?
冷え性などで血行が滞ると、それに伴って指先への栄養運搬がうまくいかなくなる可能性があるのです。
どんなに栄養を摂取しても、肝心な爪にその栄養が届かなければ意味がありません。
適度な運動をしたり、ストレッチをしたりして、全身の血行を良くするのはもちろん、爪の生え際を痛気持ちいい程度に押すようなマッサージも指先の血行促進効果が期待できますよ。
2.保湿
爪の健康に乾燥は大敵です。
「手洗いや水仕事の後には、保湿効果の高いハンドクリームを爪とその周囲に塗り込む」
「ネイルオイルを塗る」
「夜寝る際は専用のナイト手袋を着用する」
など、日頃からこまめに保湿を行いましょう。
爪の保湿にはネイルオイルが活躍します。
爪に直接塗ることで爪に水分と油分を浸透させ、きれいな状態を保ちやすくしてくれます。
普段ネイルをする人は定期的にネイルオイルを塗っている人も多いかもしれませんが、ネイルをしていない人もぜひ使用してみてください。
ドラッグストアやネット通販などで手軽に購入できます。
また、こまめに水分を摂ってカラダが水分不足にならないように心がけましょう。
3.鉄分とたんぱく質
爪の健康のためには、カラダの外からのケアだけでなく、インナーケアも大切です。
そこで、気をつけたいのが食事面です。
鉄分が不足して鉄欠乏性貧血になると、スプーンネイルの症状が引き起こされやすくなります。
そのため、日頃から鉄分を多く含む食材を積極的に摂取しましょう。
鉄分には、ヘム鉄と非ヘム鉄があります。
鉄分は全体的に吸収率が低いミネラルだと言われていますが、そのなかでもまだ吸収率のいいヘム鉄を多く含む食材(レバー、魚介類)を摂ることをおすすめします。
また、たんぱく質も健康的な爪を保つために必要な栄養素です。
そもそも、爪の成分はケラチンというたんぱく質の一種で、適度に水分を含んでいる組織です。
そのため、このたんぱく質が不足すると爪がもろくなって、割れやすくなったり薄くなったりする可能性があります。
鉄分を多く含む食材に加えて、たんぱく質を多く含む食材(ささみ、赤身肉、魚類、乳製品など)もしっかり摂るようにしましょう。
爪トラブルには漢方薬もおすすめ
健康的な爪になるには、生活習慣や食生活の見直しに加えて、漢方薬の服用もおすすめです。
漢方薬は体質改善を得意としているので、爪トラブルの予防にも効果が期待できます。
決められた量を飲むだけなので、日常にも取り入れやすいのが大きなメリットでしょう。
もし「生活習慣を急に変えるなんて無理!」という人は、まずは漢方薬を飲むことからはじめてみてもいいかもしれません。
爪トラブルには、
「血流を良くして爪に栄養を届ける」
「胃腸の調子を改善し、たんぱく質の吸収を良くする」
「水分の循環を良くして爪の乾燥を防ぐ」
「ホルモンバランスの乱れを整えて、加齢による爪トラブルを軽減する」
などの作用がある漢方薬を選びます。
爪トラブルにおすすめの漢方薬
●十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
貧血気味で、疲れている人に向いている漢方薬です。
疲労や出産などで不足した「気(エネルギー)」と「血(栄養)」を補って、栄養を届ける働きがあります。
●四物湯(しもつとう)
栄養を補うことでうるおいを与える漢方薬です。
皮膚が乾燥して色つやの悪い人におすすめです。
なかなか時間がなくて調べる時間や相談しに行く時間がないという方には、漢方のプロにオンラインで個別相談ができ、その人に合った漢方を見極めて、自宅まで郵送してくれるサービスもあります。
<参考>
まとめ
いかがでしたか?
今回は爪のセルフケア方法についてお伝えしてまいりました。
何もケアせずに過ごしていると、加齢や乾燥によって爪の健康は失われやすくなります。
爪の不調にお悩みの人は、自分がどのタイプの不調(割れやすい、線が入っているなど)なのかを確認してみてください。
健康的な爪を保つためには、保湿などの外からのケアに加えて、漢方薬の服用や食事管理などのインナーケアも重要なポイントです。
爪がきれいになると、手元・足元も若々しい印象になりますよ。
毎日忙しい日々を過ごしていると、今回お伝えしたすべてのケア方法を一気に行うのは難しいかもしれませんが、まずは自分の生活の負担にならない範囲で爪を労ってあげてくださいね。
監修者プロフィール
あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり(やまがた ゆかり)
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。
病院薬剤師を経て食養生の大切さに気付く。
牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニューも開発。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」で薬剤師を務める。