知っておきたい!センター試験のアレコレ
年が明けて、より一層冷え込みが厳しくなる1月中旬に行われる恒例行事「センター試験」。
全国で受験生たちが、赤本を片手にマフラーを巻いて歩く光景を見たことがある人も多いのではないでしょうか?
一般受験で大学を受ける人たちは、このセンター試験を皮切りに、2月・3月には各大学ごとの一般入試が行われます。
今年のセンター試験は、令和2年1月18日(土),19日(日)に行われ、センター試験の出願等はすでに終わっています。
それでは、1月に本試験を迎える「センター試験」とは一体どのようなものなのでしょうか?
詳しく見ていきましょう!
「センター試験」とは?
正式名称は「大学入学者選抜大学入試センター試験」といい、各大学が独立行政法人「大学入試センター」と共同で実施する試験のこと。
毎年1月中旬の土・日曜の2日間に全国で一斉に実施され、例年50万人以上が受験する日本最大規模の試験になります。
国公立大学の一般入試受験者は、原則、センター試験を受験しなければなりません。
また、多くの私立大学でもセンター試験の成績が利用できる「センター試験利用方式」を設定しているため、一般受験には欠かせない試験です。
そんなセンター試験ですが、2019年度(2020年1月実施)が最後となり、2020年度からは、センター試験に代わり「大学入学共通テスト」に変わります。
※この「大学入学共通テスト」については、後ほど詳しくご紹介します。
センター試験の内容について
センター試験の出題形式はマークシートになります。
出題科目は国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語の6教科30科目で、この中から必要な科目を選択します。
(Benesse「マナビジョン」より引用)
さらに、センター試験の理科の場合の選択方法は以下のようになっています。
(Benesse「マナビジョン」より引用)
これらのテストが2日間にわたって行われます。
それでは具体的なスケジュールについて見ていきましょう。
当日のスケジュール
①「世界史A」「世界史B」「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」「現代社会」「倫理」「政治・経済」「倫理、政治・経済」
→上記の中から2科目選択の場合
9:30~11:40
(テスト自体は、各60分間で解答を行いますが、第1解答科目及び第2解答科目の間に答案回収などを行うために必要な時間を加え、試験時間は130分としています。)
→上記の中から1科目選択の場合
10:40~11:40
②「国語」
→13:00~14:20
③「英語」「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」
→筆記:15:10~16:30
リスニング(英語のみ):17:10~18:10
(音声問題を用い30分間で解答を行いますが、解答開始前に受験者に配付したIC プレーヤーの作動確認・音量調節を受験者本人が行うために必要な時間を加え、試験時間は60分としています。)
これで一日目は終了です。
文系の私立大学を受験する学生は1日でセンター試験は終わりになります。
①「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」
→9:30~10:30(2科目の受験)
②「数学I」「数学I・数学A」
→11:20~12:20
③「数学II」「数学II・数学B」「簿記・会計」「情報関係基礎」
→13:40~14:40
④「物理」「化学」「生物」「地学」
→上記の中から2科目選択の場合
15:30~17:40
(テスト自体は、各60分間で解答を行いますが、第1解答科目及び第2解答科目の間に答案回収などを行うために必要な時間を加え、試験時間は130分としています。)
→上記の中から1科目選択の場合
16:40~17:40
これで二日目は終了です。
理系私立大学や、国立大学を受験する人は2日間行うことになります。
しっかりと気持ちを切り替えて取り組みましょう!
当日に必要な持ち物
当日のスケジュールを踏まえたうえで、必要な持ち物についてみていきましょう!
【持ち物リスト】
受験票
受験上の注意(大学入試センターより郵送)
学生証
黒鉛筆(H、F、HBに限る)
プラスチック製消しゴム
鉛筆削り(電動式・大型・ナイフ類は除く)
時計(音のならないもの)
携帯電話(会場では電源を切る)
交通費(余分に持っておく)
試験会場までの行き方(地図)
お弁当・飲み物
ハンカチ
ティッシュ
参考書
メガネや目薬
常備薬
カイロ
お菓子など
その他、リラックスできるものや、防寒対策グッズをもっていくと良いでしょう。
試験開始までは各自自由に過ごせますので、手先を温めたり、チョコレートなどを食べて集中力を高める人も多いです。
受験当日の服装は特に決まっていませんが、英語や漢字などの文字が書かれた服は、カンニングになってしまう可能性があるので、制服の冬服にコートを着ていくのが無難です。
そしてなぜか毎年センター試験の日は悪天候により交通機関が乱れたりと、どうも天気に恵まれないイメージ…
積雪などで足元が滑りやすそうだなと思ったときは革靴ではなく、運動靴や長靴に履き替えるようにしましょう。
女子生徒の場合、当日の気温や天気によってはパンツスタイルにしたり、ストッキングやタイツを履くなどしてしっかり防寒対策をしましょう。
2020年度「大学入学共通テスト」(2021年1月実施)について
今年のセンター試験の流れについてはわかっていただけたと思います。
続いては、2020年度のセンター試験の代わりとなる「大学入学共通テスト」について見ていきたいと思います。
共通テストの導入は、マークシート式であった従来の知識偏重型のテストから、知識を前提にそれを活用する思考力・判断力・表現力を問うテストへと改善することが大きな目的です。
そのため、マークシート式に加え、一部の問題は記述式になっています。
この記述式が導入される科目は、当面「国語」と「数学」とされており、両教科とも3問程度出題される見込みです。
また、マークシート式の問題にも改良が加えられ、複数の資料から様々な情報を組み合わせる必要のある問題や、正解が1つに限られない問題など、思考力・判断力・表現力を重視した問題になる予定です。
今までのマークシート式だと、多くの問題が4択であったのに対して、記述式が導入される共通テストの場合は、文章を読み取り、それを簡潔にまとめ、伝える力が問われます。
問題の方向性としては、以下のものが挙げられます。
・⼤学⼊試センター試験における問題評価・改善の蓄積を⽣かしつつ,共通テストで問いたい⼒を明確にした問題
・⾼等学校教育の成果として⾝に付けた,⼤学教育の基礎⼒となる知識・技能や思考⼒,判断⼒,表現⼒を問う問題
・「どのように学ぶか」を踏まえた問題の場⾯設定
(大学入試センター公式ホームページより引用)
共通テストは、センター試験と同様に1月の中下旬の2日間で実施されます。
初回の実施は2021年1月16日(土)・17日(日)で、センター試験と同様の6教科30科目が出題され、各教科内の科目の選択方法もセンター試験と同様になります。
一方で、記述式の導入によって、「国語」100分、「数学1・A」70分という試験時間に変更されます。
また、英語の出題内容が変わり、長文読解とリスニングがメインになります。
今までは長文読解や文法問題が英語の試験の8割を占めていましたが、共通テストでは文法よりも長文読解が多くなり、リスニングは全体の5割に当たります。
そのため、リスニングが嫌い…長文読解が苦手という人は要注意!
少しずつ対策を進めていきましょう。
この共通テストですが、採点の公平性確保や正確な自己採点が難しいなどの問題が指摘されており、今月6日には見直しや早急な対応を求める要望が萩生田光一文部科学相に対して相次いで提出されています。
いまだにはっきりと決まらない来年度の試験ですが、各大学の一般試験では、知識を前提にそれを活用する思考力・判断力・表現力などが求められる時代です。
共通テスト後の一般試験のことも考えて、今まで以上に思考力・判断力・表現力などを意識した勉強が重要な鍵を握ることは間違いないでしょう…。
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