芸能界でも賛否両論?今話題の『血液クレンジング』とは

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芸能界でも賛否両論?今話題の『血液クレンジング』とは

みなさんは「血液クレンジング」をご存じですか?

 

名前を聞くと、“血液をきれいにする”というイメージがなんとなく沸くかと思いますが、InstagramなどのSNSで芸能人が治療を受けた様子を投稿したことをきっかけに、急激に話題となり、本当に効果はあるのか?リスクはないのか?などの意見が飛び交いました。

 

美容効果だけでなく、特定の疾病にも効果があるという血液クレンジング。

 

その治療方法から、危険性についても少し調べてみました。

 

血液クレンジングとは?

血液クレンジングとは?

血液クレンジングとは、血液を静脈から採血し、「医療用オゾンガス」を血液に混ぜて体内に戻すというものです。

 

オゾンと血液が触れることで過酸化水素が発生し、赤血球による酸素の運搬能力が上がり、白血球の免疫反応を向上させ、血がサラサラになる効果があるようです。

(朝日新聞デジタルより)

 

この治療法から、「血液オゾン療法」や「血液オゾンバイタル療法」、「大量自家血オゾン療法」などとも呼ばれています。

 

日本ではあまり知られていない治療方法ですが…

イギリス、ドイツ、スイス、イタリア、オーストリア、ロシア等のヨーロッパ諸国などでは既に確立されている治療法で、英国皇太后もこの治療を受けていたと言われており、ドイツにいたっては保険での治療が認められています。

 

血液クレンジングを行うと、以下のような効果が期待できると言われてるそう。

 

体内の酸素化

血液流動性の改善による末梢循環の改善

免疫機能の向上

アンチエイジング効果

全身の疲れの改善

細胞の若返りを促進

デトックス機能の活性化

細胞の老化防止

乳酸の蓄積を防ぐ

内分泌機能の代謝を亢進

 

…などなど。

 

続いて、血液クレンジングの治療方法について見ていきましょう。

 

今回は、実際に血液クレンジングを取り扱うクリニックの治療方法を参考までにご紹介いたします。

 

1週間前の事前採血が必要です。

オゾン療法を実施する前に必ずG6PD活性定性検査と甲状腺機能検査を行います。

100~150nlの血液を採取します 。

医療用オゾンをガラス容器内の血液に加えます。もっとも効果のある量のオゾンを正確に測定して投与します。

専用のガラス容器内で、血液にオゾンガスを溶解させます。血液とオゾンが反応すると血液は鮮やかな赤色に変色します。

オゾンで活性化された血液をそのまま戻します。(約20分で終了)

 

この治療の間隔は、健康維持やアンチエイジング、疲労回復等が目的だとおよそ1~2週間に1回のペースで、がんの補完医療ではおよそ週2回のペースで、5週間を1クールとして経過を見ていくイメージだそうです。

 

そんな今話題の血液クレンジングですが、ここ日本では世間をざわつかせているようです・・・。

血液クレンジングをめぐる議論

血液クレンジングをめぐる議論

“治療”と呼ばれるだけあって悪いものを良くするイメージの「血液クレンジング」ですが、専門医から「効果はない」との指摘が相次ぎ、国会でも問題視する質問が飛び交う事態に陥っています。

 

とある衆議院議員が血液クレンジングの話題を取り上げ、この療法に効果があるのか医学・科学的なエビデンスがあるのかと質問をぶつけたそうです。

 

それに対して、厚労省医政局長は「あくまで自由診療として行われているもので、一定の医療機関に広がっているとは言われているものの、その効果およびリスクについては現時点では確認できていない。今、関係学会等と連携しながら情報収集を行っているところ」と説明されたそう。

 

このように、厚生労働省が血液クレンジングのリスクを把握していないというのが現状で、効果の有無を問えない状態であるようです。

 

また、最近ではあらゆる媒体で血液クレンジングに関するPRが散見されるようになりましたが、これについて “誇大広告” ではないかとの見方も強まっています。

 

先ほど、血液クレンジングによって期待される効果をいくつか挙げましたが、誇大な表現と指摘がある以上、どこまでが本当なのか疑問視されています。

 

SNSや動画サイトを通じて、モデルさんや女優さん、インフルエンサー、アイドル、芸人までたくさんの芸能人の方々が血液クレンジングに関する投稿を行っており、施術の様子やクリニックで撮影した写真などを投稿していました。

 

こうして多くの著名人が拡散したことで急激に広まった血液クレンジングが結局のところ良いのか悪いのか、未だにはっきりとした結論は出ていないようです。

 

しかし、血液クレンジングを取り扱うクリニックは無数に存在しており、既に私たちの身近にある治療法(選択肢)の1つとなっている今、慎重な判断が求められています。

 

この記事を読まれている方の中で治療を本気で考えている方もいらっしゃるかと思いますが、一時的な感情に任せることはせず、治療による作用や副作用、体験談、費用、注意事項など事前調査を怠らず、不安や疑問があれば遠慮なく医師に相談してみると良いでしょう。

血液クレンジングを行うには?

血液クレンジングを行うには?

血液クレンジングを行うには、甲状腺機能亢進症(コントロールされていない場合)・G6PD欠損症・出血傾向・妊娠中でないなどの条件があるそうです。

 

これらは、問診のほかに赤血球膜G6PD活性検査などを行い、該当していないことが証明された上で行われます。

 

主だった副作用は報告されていませんが、体調がすぐれなかったり、体に異変を感じた場合はすぐに担当医に伝えるようにしましょう。

 

さて、気になる血液クレンジングの費用ですが、平均相場は以下のようになっています。

(※変動の可能性あり)

 

・血液クレンジング(初回)G6PD込:約10,000円~15,000円

・血液クレンジング(1回):約18,000円~23,000円

・血液クレンジング(5回):約7,000円~12,000円

 

ご覧の通り、施術は決して安いものではありません。

 

少なくとも3回~5回の治療が推奨されているクリニックが多いため、大体約6~10万円ほどはかかると見ていた方がよさそうです。

 

繰り返しになりますが、血液クレンジングは海外では既に馴染みのある治療法となっていますが、その効果ははっきりと証明されていません。

その一方で、副作用と認められるような症例や被害などの報告があがっているわけでもないようです。

 

現在は自由診療となっている血液クレンジング。

ドイツのように保険適用となり浸透していくのか、はたまたこのまま問題が有耶無耶になり廃れていくのか、今後の動向に注目していきたと思います。

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