
朝起きると、のどに違和感…。
のどがガサガサしてヒリヒリする感覚。
のどの奥が引っ付く感じがして、声が出にくい。
冬場の乾燥、春は花粉などので、のどを痛めてしまうことってありますよね…。
特に夜寝るとき、呼吸に意識が向いていないので気がついたら口を開けたまま寝てしまっているなんてことも!
そこで今回は、“日本一忙しい小児科医” とも称される専門医監修のもと、のどの痛みや違和感を解消するためにどのようなケアが効果的なのか、事前にやっておきたいケアから痛みを感じたあとに行うケアまでをご紹介していきます。
痛みの理由
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冬は空気が澄んで、気持ちの良い季節ですが…
気温とともに湿度が低く、乾燥しやすい季節です。
そのため、乾燥対策をしていないと、のどを痛めてしまうことがあります。
しかし、のどの痛みや違和感は乾燥だけが原因ではないんです!
のどの痛みや違和感の原因は、主に以下の4つが考えられます。
・感染
・乾燥
・酷使
・刺激
感染は、細菌やウイルスなどによるものです。
この感染がきっかけとなって、風邪や感染症などに発展する可能性があります。
この時期はインフルエンザなども流行り始めますし、風邪で病院に行って、そのまま病気をもらってきてしまうなんてことも考えられます。
乾燥は、花粉の季節や鼻づまり、いびきなどによって引き起こされます。
主に口呼吸などによって起こることが多く、鼻づまりなどの風邪によって、一時的に口呼吸になってしまう時には注意が必要です。
冬は花粉の少ない季節ですが、10月から1月ごろにかけてスギ花粉が多く、2月から5月にかけてスギ花粉は関東地方を中心にピークを迎えます。
酷使は、おしゃべりやカラオケ、人前での発表など、様々な場面で起こることが考えられます。
自分ではそこまで酷使しているつもりはなくても、気がついたら声の出にくさや違和感があることってありませんか?
ちょっと使いすぎたなと感じたら…その日はゆっくりのどを休めましょう。
最後に、刺激としては忘年会などの飲酒や日常的なたばこ、激辛グルメなどが考えられます。
無理な負荷がかかると、刺激になってのどの調子が悪くなってしまいます。
のどが弱っていると感じるときには、このような行動は避けましょう。
他にも、様々な要因が考えられますが、こうした行動がのどの痛みなどを助長させる可能性がありますので、気を付けていきましょう。
のどに痛みが伴う場合の多くは、こうした刺激や感染、負荷などによる「炎症」が考えられます。
のどが炎症を起こすと、普段は吸い込んだ外気に含まれる埃や煙、細菌やウイルス、花粉などから体を守っている機能が弱まってしまい、他の病気にもかかりやすくなります。
のどの炎症はその後の健康のためにも、早めに気付いて抑える必要があります。
続いては、その炎症と症状をついて見ていきましょう!
のどの炎症と症状
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のどが炎症を起こすと様々な症状が出てきます。
その中でも代表的な症状が以下の3つになります。
・唾をのみ込むとのどが痛い
・のどがムズムズして痛かゆい
・声がかれる、咳が出る
唾を飲んだり、何かを食べたりしたときにのどが痛む場合は、咽頭や扁桃に炎症が起こっている可能性が高いです。
物を飲み込むときに機能する部分なので、飲食の際に痛みが起こります。
まずは、喫煙を避け、辛いものを食べるのをやめましょう。
また大声を出すなど、のどを酷使するような行動もNGです。
他にも、マスクを着用し、加湿器を使用するなどすることで改善する場合もあります。
我慢できないような痛みや、なかなか治らないということがあれば、大きな病気の可能性もあるので早めに病院で診察を受けましょう。
のどの痛みが高熱や膿につながることもあります。
のどの痛みの他に気になる症状があるときは要注意です。
続いては、のどがムズムズして、痛みやかゆみを感じる場合です。
これは花粉やアレルギーなどに反応している可能性が高いです。
鼻水や鼻づまりの多い花粉症ですが、鼻からのどに花粉が流れてきてしまうこともあります。
また、口呼吸をしているとのどにダイレクトに届いてしまいます。
外出の際にマスクをするなどして、花粉がのどに届くことのないよう対策する必要があります。
のどの粘膜が傷ついたり、症状が悪化する前にアレルギーの検査を受け、薬を服用しながら上手にアレルギーと付き合っていきましょう。
最後に、声がかれる、咳が出る場合についてです。
喉頭(のどぼとけがある部分)に炎症が起こると、声がかれたり、咳が出たりします。
この部分が風邪などによって炎症が起こる場合もありますが、過度な症状が現れ、日常生活に支障をきたすような場合は、病気が隠れている叶史枝があるので病院での診察をしましょう。
声がかれる病気にはポリープやがんなどの病気も多いので、早めの受診が大切です。
また、咳といっても、ぜんそくや慢性気管支炎、逆流性食道炎なども考えられますので注意が必要です。
このように、のどの炎症といってもその症状によって予想させる原因は様々です。
のどの痛み=風邪とは決めつけずに、様子を見て医療機関での受診をおすすめします。
自宅でできるのどのケア
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朝起きたときにのどに違和感…
でも、仕事に行かなくちゃ!
そんなとき、少しでものどの炎症の悪化を防ぐ方法をご紹介します。
うがい
まずはうがいを行って、のどの奥の細菌やウイルスを洗い流しましょう。
イソジンなどのうがい薬があればベストですが、手元にない場合は食塩水を使いましょう。
塩分濃度0.9%程度のぬるま湯を使うと水よりも効果的です。
鼻うがい
この鼻うがいも先ほどご紹介した食塩水が効果的です。
鼻うがい用のものがあればそれを使います。
鼻の穴からゆっくりと注ぎ、口から吐き出す、を数回繰り返しましょう。
葛根湯など風邪薬
食前であれば、漢方薬である葛根湯を飲んでおきましょう。
食後であれば、市販の風邪薬などを飲んでおくと気持ち的にも楽になります。
少しでも、症状の悪化を防ぎましょう。
首を温める
マフラーやスカーフなどで首周りを温めましょう。
首周りの冷えが症状悪化につながる可能性があります。
マスクをつける
新型コロナウイルスの影響で完全にマスク生活が定着しましたが、出かける前にはマスクをつけましょう。
口呼吸によってのどを痛めるのを防ぐと同時に、鼻から侵入する細菌やウイルスから身を守ることができます。
何枚か余分に持ち歩き、お化粧や汗がついたり、息苦しく感じた時には取り換えるようにましょう。
外出先でもできるのどのケア
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外出先で急に感じたのどの違和感…
まだ午前中だし、午後も予定が詰まってる!
そんなときには外出先でもできるケアをして、のどの炎症の悪化を防ぎましょう。
のど飴をなめる
市販ののど飴をなめて、のどをいたわりましょう。
飴をなめている間は自然と鼻呼吸にも切り替わりやすくなるので、一石二鳥です。
ドラックストアでなくても、コンビニやスーパーでも簡単に購入することができます。
飲み物に気を付ける
飲み物も、いつもと同じものではなくのどに優しいものにしましょう。
はちみつレモンなどのホットドリンクやココア、ショウガを使った飲み物などがおすすめです。
食べ物に気を付ける
ランチタイムには、風邪をひきにくくなるといわれている以下の食べ物がおすすめです。
生の大根・ショウガ・はちみつ・レンコン・ネギ・クレソン・レモン・シソなどです。
和食や韓国料理などにも使われることの多い食べ物なので、参考にしてみてください。
ただし、辛味などの刺激の強いものはNGです。
未然に防ぐのどの痛み
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ここまで、のどの痛みの原因や炎症にともなう症状、ケアについて見てきましたが、こうした状態になる前にのどの痛みを未然に防ぐ方法をご紹介いたします。
加湿器
湿度の低くなる冬場の季節は乾燥によってのどを痛めてしまうことがあります。
そのため、寝ている間や乾燥が気になるときにボタンひとつで湿度を管理できる加湿器はおすすめです。
加湿器がない場合は、お風呂にお湯をためたり、部屋の中で洗濯物を干すことで湿度が下がるのを防ぐことができます。
手洗い・うがい
外出先から帰ってきたら、手洗い・うがいを行いましょう。
細菌やウイルスが手やのどに付着している可能性があります。
感染する前に洗い流してしまいましょう。
時間があるときや、鼻のムズムズが気になるときには鼻うがいもおすすめです。
外出時にはマスクをする
乾燥が気になるときや周りに風邪気味の人がいるときも、やはりマスクというのは効果的です。
最近では、いろいろな企業がいろいろな素材や形状、カラバリのマスクを販売しています。
今となっては、マスクはおしゃれやコーディネートの一部でもありますので、楽しみながらうまく活用していきましょう!
監修医師プロフィール
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すずきこどもクリニック
院長 鈴木 幹啓
[経歴]
自治医科大学卒業
三重県立総合医療センター、国立病院機構三重中央医療センター、国立病院機構三重病院、伊勢赤十字病院、公立紀南病院での勤務を経て、すずきこどもクリニックを開院。
さらに、株式会社オンラインドクター.comの代表取締役も務め、医師と患者をつなげる病院検索サイト『イシャチョク』の運営も行う。
[所属学会・資格]
日本小児科学会認定小児科専門医
日本小児アレルギー学会
日本小児皮膚科学会
日本小児精神神経学会
(ケアマネジャー資格)
(日本老年医学)
(日本認知症学会)
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