「チョコレートは太る」はウソ?!チョコレートの持つ本当の効果とは【薬剤師監修】

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「チョコレートは太る」はウソ?!チョコレートの持つ本当の効果とは【薬剤師監修】

「チョコレートを食べると太る」と思い込んでいませんか?

 

確かに甘いチョコレートは高カロリーなものもありますが、実はチョコレートの種類や食べ方次第では肥満予防効果が期待できます

 

本記事では、チョコレートが本当に太る原因なのか、その理由や健康効果、そして賢く楽しむためのポイントを解説していきたいと思います。

 

バレンタイン前に正しい知識を身に付けて、チョコレートを味方につけましょう!

「チョコレート」は太るの真実

「チョコレート」は太るの真実

「チョコレートを食べると太る」と思いがちですが、それは必ずしも正しくありません。

 

チョコレートの原料であるカカオには、多くの栄養素が含まれています。

とくに、注目したいのが脂肪の特性です。

 

カカオの約半分は脂肪ですが、この脂肪はカラダに吸収されにくく、体脂肪になりにくい性質を持っています。

 

また、カカオに含まれる栄養素で代表的なものが、カカオポリフェノールです。

カカオポリフェノールには、カラダにうれしい次の効果があります。

1.高血糖を予防する

カカオポリフェノールの健康効果のひとつは、高血糖予防です。

筋肉が糖を効率よくエネルギーに変えるよう働きかけ、血糖値を抑えます。

 

さらに、インスリンの効果を高め、血糖値を安定させるサポートをします。(※1)

2.脂肪がつきにくくなる

カカオポリフェノールにはカラダの脂肪燃焼を促し、代謝を高める効果があります。

加えて、脂肪を作る酵素の働きを抑えるため、カラダに余分な脂肪がつきにくくなるのも特徴です。

 

カカオにはポリフェノールの他にも、カカオプロテインと呼ばれる特有のたんぱく質が含まれています。

このたんぱく質には、便秘解消効果や腸内環境の改善効果があるとされています。(※2)

 

このように、チョコレートの原料であるカカオには、むしろ肥満を予防する効果があるといえるでしょう。(※1)

「チョコレートは太る」と言われる理由

「チョコレートは太る」と言われる理由

では、なぜ「チョコレート=太る」と考えられているのでしょうか。

 

その理由のひとつは、市販されている多くのチョコレート商品にあります。

これらの中には、カカオよりも砂糖やミルクが多く含まれた商品もあり、糖質が高いものも少なくありません。

 

とくに、ホワイトチョコレートはカカオマスを含まないため、カカオポリフェノールによる肥満予防効果はあまり期待できないでしょう。

 

また、「カカオポリフェノールが豊富な高カカオチョコレートなら、いくら食べても大丈夫」というわけではありません。

 

高カカオのチョコレートは糖質が低い一方で脂質が高く、高カロリーな食品です。

カカオの脂肪は吸収されにくいものの、食べ過ぎるとカロリー過多になり、太る可能性があります。

 

加えて、比較的少量ですが高カカオチョコレートにも糖分が含まれているため、食べ過ぎは血糖値の上昇につながります。

 

そこで重要なのが、適量を守ることです。

 

ポイントは、カカオマスが70%以上含まれているチョコレートを選び、一日に25~30g(板チョコ半分程度)を楽しむことです。(※3)

これにより、太る心配を減らしながら、カカオポリフェノールによる健康効果が得られるでしょう。

実はスゴい!チョコレートの持つ力

実はスゴい!チョコレートの持つ力

高カカオチョコレートには肥満予防だけでなく、多くの健康効果が期待できます。

1.冷えの改善

カカオポリフェノールには、カラダの末端の血流を促し、温かく保つ働きがあると言われています。

適量を取り入れることで、手足の冷えを感じにくくなり、日常生活を快適に過ごすことができるでしょう。

 

寒い季節には、ホットチョコレートにして飲むのもおすすめです。

温かい温度でチョコレートを摂取することで、カラダを内側から温める効果が期待できますよ。

2.血圧を下げる

血管内に炎症が起こると、血管が細くなり血圧が上がります。

カカオポリフェノールはこの炎症を抑える働きがあるので、血管が広がって血流がスムーズになり、血圧が下がるとされています。(※4)

 

高血圧に悩んでいる人は適量の高カカオチョコレートを食べると、日々の健康をサポートできるでしょう。

3.ストレスの軽減

カカオの苦味成分「テオブロミン」には、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌を促す作用があります。

この働きによりストレスが軽減され、心身をリラックスさせる効果が期待できます。(※5)

 

仕事や家事でストレスを感じたときは、適量の高カカオチョコレートを楽しむ時間を作り、心をリフレッシュさせましょう。

太りにくいカラダ作りには漢方薬もおすすめ

太りにくいカラダ作りには漢方薬もおすすめ

太りにくいカラダ作りには、漢方薬を活用するのもおすすめです。

 

漢方薬は自然由来の生薬でできているので、一般的に副作用が少ないと言われています。

また、カラダの悩みに根本からアプローチするので、痩せやすく太りにくい体質作りの手助けをしてくれます。

 

太りにくいカラダ作りには、

「脂質代謝を改善する」

「余分な脂肪を便といっしょに排出する」

「脂肪燃焼を促す」

「脂肪の吸収を抑える」

「水分の循環をよくしてむくみや水太りに働きかける」

などの作用をもつ漢方薬を選びましょう。

太りにくい体質を目指す人におすすめの漢方薬

●防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

 

便秘がちでおなかに脂肪が付きやすい人に。

老廃物を汗や便、尿として排出し、脂質代謝を促して脂肪燃焼をサポートします。

 

●防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

 

色白で疲れやすく、汗をかきやすい人に。

カラダの余分な水の排泄を促し、水太りやむくみを解消します。

 

 

このように、自分に合う漢方薬を知りたいという人は、漢方のプロにオンラインで個別相談できる『あんしん漢方』のご利用もおすすめです。

AI(人工知能)が個々人に効く漢方を見極めて、自宅まで郵送してくれるという今ちょっとした話題にもなっている便利なサービスです。

まとめ

いかがでしたか?

チョコレートは正しい種類と方法で取り入れれば、太るどころか健康をサポートしてくれる心強い味方です。

 

今年のバレンタインは甘い誘惑に惑わされず、健康とおいしさを両立させたチョコレートライフを楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

 

<参考文献>

(※1)山下陽子 芦田均「カカオポリフェノールのメタボリックシンドローム予防効果」

(※2)帝京大学「古賀仁一郎准教授が株式会社明治との共同研究成果を発表【バイオサイエンス学科】」

(※3)神戸徳州会病院「カカオポリフェノールの3つの効果」

(※4)東広島記念病院健診センター「カカオポリフェノール」

(※5)地方独立行政法人 筑後市立病院「カカオポリフェノールのちから」

監修者プロフィール

監修者プロフィール

あんしん漢方薬剤師

山形 ゆかり

 

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。

病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。

 

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

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