コラーゲン摂取は意味がない?肌が求めているのは「トリペプチド」だった!次世代コラーゲンセミナーに参加してきたので報告
美容にいい成分といえば、コラーゲン。
コラーゲンといえば、美容にいい成分。
いまやコラーゲンがお肌に良いということはよく知られた事実ですが、数年前からまことしやかに囁かれるある噂が。
「コラーゲンは口から摂取されても分解されてしまうから意味がない・・・」
果たしてそれは本当なのでしょうか?
今回はそんな都市伝説の真相を探るべく、コラーゲンの権威の方々が登壇する「次世代コラーゲンセミナー」に参加してまいりました。
公演では、最新のコラーゲン研究についてもお話があり、びっくりするような内容が盛りだくさんだったのでご紹介させていただきます♡
次世代コラーゲンセミナーに参加してみた
今回筆者が参加してきたのは、「次世代コラーゲン・カラダラボセミナー」。
次世代コラーゲン・カラダラボは、2022年5月17日に発足してばかりの新しい団体で、コラーゲンの賢い摂り方について情報を発信することを主な活動としているんだそう。
5月24日(火)に行われた次世代コラーゲン・カラダラボセミナーでは、コラーゲンがどれほど体にとって重要なのかということや、海外のコラーゲントレンド事情、コラーゲンの賢い摂り方などについてお話していただきました。
登壇された先生も、これまたスゴい方々ばかり。
・コラーゲンが世間でブームになるずっと前からコラーゲンの研究を行ってきた藤本大三郎先生
・海外のトレンドに詳しい株式会社グローバルニュートリショングループの代表取締役社長である武田猛先生
・芸能人やアスリートからの信頼も厚いアンチエイジング専門医の黒田愛美先生
・コラーゲントリペプチドの研究を行うゼライス株式会社の山本祥子先生
コラーゲンについて非常に知見がある先生がたくさん集まった、とても豪華なセミナーでした。
ここからは早速、「次世代コラーゲン・カラダラボセミナー」の内容をご紹介していきたいと思います♡
肌だけじゃなく体にもコラーゲンが必要!
コラーゲンというと「美容」というイメージが強いですが、実は健康のためにもコラーゲンが必要だということをご存じでしたか?
コラーゲン商品が世の中に出回るずっと前の1960年代からコラーゲンの研究に携わってきた藤本大三郎先生は、次のように話します。
“コラーゲンはそもそも体の中に存在するタンパク質のひとつです。たくさん量があり、(体の)全タンパク質のうちなんと30%を占めます。コラーゲンは全身のあらゆる臓器に存在していて、特に皮膚・骨・軟骨に多く含まれています。各臓器の形をつくったり、支えたり、結び合わせたりしています。したがって、非常に重要な成分なのです。”
お肌のためならともかく、健康のためにコラーゲンを摂る、という方は少ないかもしれませんね。このことについて、株式会社グローバルニュートリショングループ代表取締役社長である武田猛先生はこのように教えてくださいました。
“どうしても日本では肌や関節ぐらいかなと思うのですが、実は幅広い部位にコラーゲンは存在していますし、海外の商品はそれを訴求しています。血管、骨、軟骨、歯茎、歯、皮膚、髪、爪の形成、また最近は脳の構造や認知機能にも関係しているということが分かってきています。また、スポーツニュートリションとして筋肉だけでなく腱やじん帯を強化してくれるため、パフォーマンスを向上したり、けがを予防するはたらきもあります。”
日本においてはもっぱら「美容のための栄養素」として有名なコラーゲンですが、海外では少し認識が異なり、たとえば南米では「スポーツニュートリション(運動をする人のための栄養素)」、ヨーロッパ諸国では「関節のための栄養素」というイメージが強いんだそうです。コラーゲンがこんなに万能だなんて、ちょっとびっくりですよね!
「コラーゲンは意味ない」の真相
とはいえやっぱり気になるのは、コラーゲンを経口摂取することで本当に効果は期待できるのかどうか?ということ。
みなさん一度は聞いたことであるだろう、
「コラーゲンは口から摂取しても分解されるから意味がない」というあの噂。
実際のところはどうなのでしょうか?
アスリートや芸能人からの信頼も厚い、Zetith Beauty Clinic銀座副院長でアンチエイジング専門医の黒田愛美先生は次のように解説してくださいました。
"何年か前、コラーゲンを摂っても全部分解されてしまうから意味がない、ということが話題になりました。しかし、その後の研究により、コラーゲンは全部が分解されてしまうのではなく、低分子コラーゲンの状態まで一度分解された後に再び吸収されるため、コラーゲンの摂取に意味があるということが分かりました。"
ここで重要なのが、「低分子」というワードです。
コラーゲンは低分子がポイント!
コラーゲン摂取で最大限の効果を発揮させるためには、コラーゲンの「分子」に注目すると良いようです。黒田先生は次のように続けます。
”豚足などの食べ物の状態でコラーゲンを摂る、いわゆる高分子の状態で摂るよりも、コラーゲンペプチドやコラーゲントリペプチドといった低分子の状態で摂った方がコラーゲンを作る効果が期待できます。コラーゲンの作られやすさでいうと、食べ物のコラーゲン(高分子)は星0.5、コラーゲンペプチドは星2つ、コラーゲントリペプチドは星3つ、ということになります。つまり、低分子であればあるほどコラーゲンの吸収率が良く、(コラーゲンとして)使われやすい、と言えます。”
コラーゲンならどれも同じ、と思っていた方も多いのではないのでしょうか?
しっかりと効果を出すためには「低分子」の状態で摂ることが重要だったのですね。
“コラーゲンペプチド”と”コラーゲントリペプチド”の違い
ここで気になるのが「コラーゲンペプチド」と「コラーゲントリペプチド」の違い。
「普通のコラーゲンよりも低分子なコラーゲンペプチドのほうがいい」ということは、美容好きさんならご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが「コラーゲントリペプチド」という言葉は初めて聞いた!という方も多いのでは?
コラーゲントリペプチドについて、ゼライス株式会社テクニカルセンター・研究開発グループの山本祥子先生が解説してくださいました。
”まず、コラーゲンペプチドは動物の皮や骨・魚の骨や皮に含まれるコラーゲンから作られます。このコラーゲンは3本により合わさった状態で安定に存在していますので、これを加熱して変性・抽出します。これがゼラチンです。このゼラチンをザクザクと細かく切ることによって低分子の状態にしたものが、コラーゲンペプチドになります。ペプチドの長さはランダムで、長いものも短いものも存在しています。
コラーゲンペプチドはある程度の大きさがあるため、そのまま体内で吸収されるわけではありません。小腸で消化され分解されてから吸収されるため、その吸収効率には一定の限界があります。
一方、コラーゲンに特別な酵素を反応させ、三残基ごとに分解して得られたものが、コラーゲントリペプチドです。
コラーゲンペプチドは消化という工程を経たあとに吸収されますが、コラーゲントリペプチドは取り込んだものがそのままの状態で吸収されます。吸収後にはそこから“ジペプチド”も生じます。結果として体内で高濃度のトリペプチドとジペプチドが存在することになります。”
少し専門的なお話でしたが、簡単にまとめると、コラーゲントリペプチドは小腸から直接吸収されるため、全身に届くということになります。
コラーゲントリぺプチドのはたらき
山本先生によると、コラーゲンペプチドを摂取した時とコラーゲントリペプチドを摂取した時で、血中濃度にも大きな差があったんだそう。
吸収性が高く全身に届くコラーゲントリペプチドは、体内でさまざまな働きをしてくれます。たとえば、次のような効果が期待できるようです。
肌→乾燥性乾皮症のケア、光老化の軽減
血管→血管弾力性の改善、血圧・血糖の低下、HDLコレステロールの上昇
歯肉→歯肉炎の改善
関節→軟骨保護、膝関節の違和感の緩和
骨→骨折の修復、骨欠損の修復
腱→腱の修復
体質→花粉症の予防、症状緩和、アトピー性皮膚炎の症状緩和
コラーゲントリペプチド、万能すぎます・・・。
正直、今までコラーゲンペプチドもコラーゲントリペプチドも大差はないだろうと思っていたのですが、この話を聞くと断然コラーゲントリペプチドを摂りたくなりますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本日は「次世代コラーゲンセミナー」の内容をご紹介しました。
コラーゲンの研究って、こんなに進んでいたのですね。筆者も目からうろこでした。
まさか肌だけでなく体全身の健康にかかわっていたなんて、驚きです。
今まで「コラーゲン摂取なんて意味ないよ!」と思っていた方も、これを機にコラーゲンの素晴らしさを再評価してみてくださいね♡