乾燥する季節に増える咳…。秋の咳には要注意!【薬剤師監修】

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乾燥する季節に増える咳…。秋の咳には要注意!【薬剤師監修】

秋は空気が乾燥し、カラダの水分が失われやすい季節。

この時期になると、肌や髪の毛など、カラダの外側が乾燥していると感じる人も多いのではないでしょうか?

 

これにあわせて、カラダの内側となる喉や気管支などの呼吸器が乾燥していると、咳の症状が出ることがあります。

 

スキンケア用品で肌を乾燥から守るように、喉も乾燥から守ることで咳の症状を改善していきましょう。

 

今回の記事では、秋に咳が出やすくなる原因と特徴、喉を乾燥から守る方法などを徹底解説していきます。

秋に咳が出やすくなる理由

秋に咳が出やすくなる理由

秋に咳が出やすくなるのは、喉や気管支などカラダの内側が乾燥しているため。

 

具体的には、乾燥によって喉や気管支の潤いが少なくなることで炎症が起こり、咳や痰が出やすくなります。

 

さらに、秋の乾燥した空気が喉の粘膜を刺激することで、咳だけでなく痰や喉の痛みなどの症状もあらわれやすくなっています。

乾燥による咳の特徴

乾燥による咳の特徴

喉や気管支などの呼吸器系が乾燥して出る咳には、「痰は少量で粘性が強く切れにくい」という特徴があります。

 

その他にも、

 

 乾燥した咳で痰がない

 鼻や喉の乾燥を感じる

 喉のかゆみや痛みを感じる

 

などの特徴があれば、乾燥が原因で咳が出ている可能性があります。

喉を乾燥から守る方法

喉を乾燥から守る方法

秋の乾燥から喉を守るための基本は、乾燥しない環境を作ることです。

 

ここからは、喉を乾燥から守る3つの方法について解説していきたいと思います。

1.室内の湿度は40~60%

喉の乾燥を防ぐためには、室内を加湿ことが効果的です。

 

湿度は40%以下になるとウイルスが飛散しやすくなり、60%を超えるとカビやダニを発生させる原因になります。

加湿器を使用して、湿度を40~60%に保つようにしましょう。

 

加湿器がない場合は、濡れたタオルを部屋に干したり、入浴後に浴室のドアを開けておいたりするのもおすすめです。

2.水分補給

秋になって涼しくなると、汗をかく機会が少なくなるため、ついつい水分補給を忘れがちになってしまいます。

 

カラダの水分量が低下しないように、意識的に水や白湯などを飲むようにしましょう。

 

外出先や仕事中など、すぐに水分補給ができないときは、のど飴やトローチを使用するのも効果的です。

3.呼吸を意識

口呼吸をしていると、喉が乾燥してしまいます。

日中は口を閉じることを意識して、鼻呼吸をするようにしましょう。

 

鼻呼吸をすることで、秋の冷たくて乾燥した空気が鼻の中で加温・加湿され、カラダに必要な熱や湿気を取り込むことができます。

 

また、鼻呼吸をすることで空気に含まれる細菌、ウイルス、花粉などの体内への侵入も防ぐことが期待できます。

病院の受診目安

病院の受診目安

秋は喉が乾燥し、咳が出やすくなる時期ですが、それ以外の原因で咳が出ているかもしれません。

 

次のような症状のいずれかがある場合には、内科や呼吸器内科の受診をおすすめします。

 

咳が2週間以上続いている

夜間や早朝になると咳が出る

息も吸えないほど激しい咳が出る

冷たい空気やホコリ、ペットの毛などを吸うと激しく咳き込む

咳とともに、痰や息苦しさ、微熱などの症状が続いている

乾燥による咳症状には漢方薬もおすすめ

乾燥による咳症状には漢方薬もおすすめ

空気は秋が深まるとともに徐々に乾燥していき、冬になって暖房器具を使用するようになるとさらに乾燥がひどくなります。

 

乾燥した空気が肺に入り込むと、肺の粘膜の潤いがなくなり、咳や痰など呼吸器のトラブルが起きやすくなります。

 

乾燥による咳に対しては、根本改善が期待できる漢方薬を服用するのもおすすめです。

 

 

 

 

咳の症状がある方におすすめの漢方薬

●滋陰降火湯(じいんこうかとう)

喉に潤いがなく、痰が出づらくて咳込んでしまう場合や乾いた咳の場合に用いられます。

 

●麦門冬湯(ばくもんどうとう)

喉や呼吸器、胃部に潤いをあたえ、咳や口の中の乾燥を改善します。

 

 

ご紹介した漢方薬は、喉の乾燥からくる咳に効果を発揮しますが、咳の出る原因が乾燥以外だった場合、効果を実感できない可能性があります。

漢方薬を使用する前には、専門家に相談をしましょう。

 

漢方薬に詳しい病院や薬局などが、通院できる距離にあるか調べた際に、もし身近に相談先が見つからなかったら、オンラインで漢方薬のプロに個別相談ができる『あんしん漢方』という便利なサービスもあります。

乾燥から喉を守って、秋を満喫

秋は空気の乾燥により、喉や気管支が乾燥して咳が出やすくなる季節です。

 

対策として、室内の湿度管理や水分補給、鼻呼吸の習慣などを解説してまいりました。

また、症状が長引く場合は、医療機関を受診することをおすすめします。

 

秋は乾燥対策が必要な季節ですが、行楽シーズンでもあります。

カラダの外側と内側、両方の乾燥対策をしっかり行い、秋を満喫しましょう。

監修者プロフィール

監修者プロフィール

あんしん漢方薬剤師

山形 ゆかり(やまがた ゆかり)

 

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。

病院薬剤師を経て食養生の大切さに気付く。

牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニューも開発。

 

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」では薬剤師を務める。

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