座りっぱなしで気になる脚のむくみ…なんでむくむの?対策は?
デスクワークをしていると、なぜか気になる脚のむくみ。座っていれば脚はむくみにくい、と思っている方も多いのではないでしょうか。実は、長時間座りっぱなしでいると、脚はさまざまな理由からむくんでしまいます。
今回は、デスクワークなど長時間の座り姿勢によって脚がむくんでしまう原因、またその原因を踏まえたむくみ軽減方法についてご紹介します。
脚がむくむ原因
ずっと座った姿勢でいたときに脚がむくんでしまうのには、下半身である脚特有の原因があります。ここからは、3つの原因について見ていきましょう。
ふくらはぎの筋ポンプ作用が働かない
ふくらはぎは、「第二の心臓」とも呼ばれるほど、全身への血液循環に深く関わっています。なぜなら、ふくらはぎの筋肉が使われることによって、付近の静脈から血液が心臓に向かって押し出されるからです。
心臓のポンプ機能によって全身へ巡る血液ですが、実は筋肉の力でも循環しています。これは、筋肉の収縮によって筋肉付近の静脈に圧力がかかり、血液が送り出されるからです。この作用を筋ポンプ作用といい、筋ポンプ作用は血液循環に大きな影響を与えます。
しかし、デスクワークをしていると、ふくらはぎを使うことはほとんどといっていいほどありません。ふくらはぎは心臓からの距離が特に遠く、そのふくらはぎの筋ポンプ作用が働かないとなると、血流が悪くなって下半身には血液がたまる一方。これがむくみの原因となっています。
お尻や太ももによって血管が圧迫される
お尻や太ももによる血管の圧迫も、血液循環を阻害する大きな理由の一つです。
お尻や太ももなど、脂肪や筋肉の集まる部位に体重がかかると、血管が圧迫され、血液が通りにくくなります。前にご紹介したように、心臓からのポンプは働いていても、ふくらはぎの筋ポンプが作用しなくなるので、血液は重力で下にたまっていきます。血液は血管から水を染み出し、その水がむくみの元になてしまうのです。
リンパの流れが滞る
座り姿勢によってリンパの流れが滞ることも、むくみにつながる要因となります。
リンパには老廃物を排出する役割がありますが、流れが滞るとその排出力も弱まってしまうためです。
体の中の老廃物は、リンパ液に取り込まれ、リンパ管を通して全身を巡ります。そして全身を巡る過程でリンパ節というフィルターのようなものを通過し、老廃物が濾されます。したがって、リンパ節が密集する部位は特にリンパの流れを良くすることが大事。逆に言えば、多くのリンパ節が存在する股関節が座り姿勢で圧迫されると、リンパ節の働きが弱まってしまうのです。
脚のむくみ解消法
足がむくんでしまう主な原因は、「ふくらはぎのポンプ作用が働かない」「お尻や太ももによって血管が圧迫される」「リンパの流れが滞る」の3つでした。
ここでは、その3つの原因にアプローチして、むくみを軽減する方法についてご紹介します。
ふくらはぎのポンプ機能を働かせるために
ふくらはぎのポンプ機能を働かせるためには、ふくらはぎを動かすということが大事です。
具体的には、定期的に立ち上がる、5~10分程度の短い時間でも歩く、簡単なエクササイズなどをするといったことでふくらはぎの筋ポンプ作用の効果を得ることができます。
できれば1時間に1回ほど立ち上がるのが理想ですが、難しければ少し意識するだけでも良いでしょう。また、エクササイズは、座ったままつま先を上下したり、足首を回したり、ふくらはぎを揉んだり、立った状態でつま先立ちと脱力を繰り返したり、という簡単なものでも効果が得られますよ。
加えて、ふくらはぎの筋肉量を増やすことでよりポンプ機能が促進されるのが、この筋ポンプ作用の特徴。そのため、ふくらはぎの筋肉を日ごろから鍛えておくのもおすすめです。
お尻・太ももの血管への圧迫を少なくするために
お尻や太ももの血管への圧迫を少なくするには、座る時の姿勢が鍵を握ります。
浅く腰掛け、上半身の力も使いつつ正しい姿勢で座りましょう。
浅く腰掛けることによって、太もも・お尻と椅子が接触している面積を減らすことができ、圧力がかかりにくくなります。そして、上半身の力を使うことで全ての体重が太ももやお尻にかかる、ということを防止できます。
加えて、自宅での座り仕事であれば、負担のかからない椅子を選ぶだけでも圧迫を減らすことが可能ですよ。
リンパを流すために
リンパを流すためには、前でご紹介したふくらはぎの簡単なエクササイズも効果的。
それ以外にも、ゆっくりとしたスピードで腹式呼吸を行う、足の裏を押してマッサージをするなどの方法もリンパを流す助けとなります。
まとめ
今回は、座った姿勢を取り続けることで起こる脚のむくみについて、原因と対策をご紹介しました。重力による影響を受けやすいのが下半身。むくまないためには、血流とリンパを流すということがポイントです。
脚のむくみに悩んでいる方も、意識していなかったという方も、これを機に意識してむくみ対策を始めてみてはいかがでしょうか。