【管理栄養士執筆】美容や健康に必要なDHA・EPAを手軽に摂取できるレシピをご紹介
魚に多く含まれるDHAとEPA。昔流行ったお魚ソングのイメージで、頭に良いというイメージはあるものの、具体的にどんな効果があるのかを知らない方もいらっしゃるかもしれません。
DHA・EPAには、頭の回転を早くする以外にも、肌のくすみを改善したり、生活習慣病を予防したりとさまざまな効果があるとされています。この記事ではDHA・EPAの健康効果や手軽に摂取できるレシピをご紹介します。
肩こりから花粉症予防まで?DHA・EPAの健康効果
DHA、EPAはサバやイワシ、サンマなどの青魚に含まれる脂のことです。一般的に動物の脂は冷えると白く固まりますが、DHAとEPAは低い温度でもサラサラで固まらないのが特徴です。まずは、DHA、EPAの健康効果について解説します。
仕事の効率が上がるかも!?脳機能の向上
「魚を食べると頭が良くなる」という歌は有名ですよね。魚に含まれるDHAは脳の材料となる成分で、脳の中でも記憶や学習に関わる場所に集まっています。
情報処理に欠かせない神経伝達物質の量を増やす働きがあり、頭の回転が速くなるともいわれているので、魚を食べることで仕事の効率が上がる可能性も。EPAには、イライラを鎮めて情緒を安定させる効果があります。
くすみや肩こりを撃退!血流改善
DHAには血管の壁をやわらかくする効果があり、血液が勢いよく流れて血圧が上がりにくくなります。また、DHAとEPAには、中性脂肪を減らして善玉コレステロールを増やす働きもあり、生活習慣病予防に効果が期待できます。
血栓を予防して血流を促す作用もあるので、血行不良からくる冷え性や肩こり、肌のくすみなどの改善につながります。
花粉症が軽減?アレルギー予防
春や秋など花粉が多く飛ぶ時期、花粉症に悩む方は多いですよね。夏の終わり頃から10月にかけてブタクサやヨモギなどの花粉が飛ぶので、今のうちから対策しておきましょう。DHA・EPAにはアレルギーを引き起こす酵素を邪魔する働きがあり、花粉症やアトピー、喘息の予防が期待できます。
また炎症を抑える効果もあるので、肌トラブルに悩んでいるという方は積極的に魚を食べるのがおすすめです。
DHA・EPAを逃さず摂れる!アジのなめろう
DHA・EPAを逃さず摂るなら、生で食べるのがおすすめ。アジとみそ、香味野菜と一緒に叩き合わせたなめろうは、ご飯にもお酒にも合う一品です。お好みで大葉を加えたり、アジをイワシに変えたり、アレンジしてみるのもいいですよ。
材料(2人前)
・アジ(刺身用)……200g
・長ねぎ……1/2本
・ミョウガ……2個
・卵黄……1個
・白ごま……適量
(A)
・みそ……小さじ2
・すりおろししょうが……小さじ1
・しょうゆ……小さじ1/2
作り方
1.長ねぎとミョウガはみじん切りにします。
2.アジは荒いみじん切りにしましょう。
3.ボウルに1と2、(A)を入れてしっかりと混ぜ合わせます。
4.器に盛り付けて卵黄をのせ、白ごまを振りかけたら完成です。
汁ごと使って無駄なく摂取!イワシ缶のトマトパスタ
EPAやDHAは加熱すると溶け出てしまいますが、魚の缶詰を汁ごと使って料理をすれば、無駄なく栄養を摂取できます。缶詰を丸ごと使ったトマトパスタは、イワシの旨みとトマトの甘酸っぱさが合わさった深い味わいです。
材料(2人前)
・パスタ……200g
・イワシ水煮缶……2缶(400g)
・玉ねぎ……1/2個
・にんにく……1片
・輪切り唐辛子……小さじ2
・オリーブオイル……大さじ1
・塩……小さじ1/2
・カットトマト缶……1缶
・パスタのゆで汁……1/2カップ
・バジル……4枚
作り方
1.玉ねぎとにんにくはみじん切りにします。
2.鍋で湯を沸かして、パスタを表示時間より1分短く茹でて水気を切ります。
3.フライパンにオリーブオイルとにんにく、唐辛子を入れて香りが出るまで炒めます。玉ねぎを加えてしんなりするまでさらに炒めましょう。
4.イワシ缶を汁ごと全部とトマト缶、塩、パスタのゆで汁を加えて3分間煮込みます。その後パスタを加えてしっかりと混ぜ合わせます。
5.器に盛りつけ、バジルをのせたら完成です。
鮭とトマトの中華炒め
鮭にもDHA・EPAがたっぷり含まれています。いつもムニエルや塩焼き、ホイル焼きなど同じ調理法になってしまいがちな鮭を、オイスターソースを使った中華風の味付けで楽しみましょう。
材料(2人前)
・鮭……2切れ
・塩……ひとつまみ
・しょうゆ、酒……各小さじ1
・片栗粉……小さじ2
・トマト……1個
・長ねぎ……1本
・しょうが……1片
・サラダ油……大さじ1/2
・ごま油……少々
(A)
・オイスターソース……大さじ1
・しょうゆ、酒……各小さじ2
・砂糖……小さじ1/2
・片栗粉……小さじ1/3
・こしょう……少々
作り方
1.鮭は残ってる小骨を取り除き、両面に塩を振って5~10分おきます。水分がで出てきたらキッチンペーパーで拭き取りましょう。一口大のそぎ切りにして、しょうゆと酒で下味をつけ、片栗粉をまぶしておきます。
2.トマトは8等分に切り、長ねぎは2cmに切ります。
3.フライパンにサラダ油半量を熱し、鮭を入れて両面にこんがりと焼き色をつけ、一度取り出しておきます。
4.フライパンをキッチンペーパーで拭き取って残りのサラダ油を入れ、しょうがと長ねぎを加えて炒めます。油がなじんだら鮭とトマトを加えてサッと炒め、合わせておいた(A)を回し入れて炒め合わせます。
5.ごま油を加えて香りをつけたら完成です。
まとめ
魚に含まれるDHA・EPAには、記憶力アップや血流改善、アレルギー予防など、美容や健康に嬉しい効果がたくさんあります。魚を調理するのはなんとなくハードルが高いイメージがありますが、お刺身や缶詰を使えば手軽に栄養を無駄なく摂取できます。今回ご紹介したレシピを参考に、毎日の食生活に魚を取り入れましょう。
執筆者プロフィール
安達春香
3年間栄養士として老人ホームや保育園で実務経験を積んだ後、管理栄養士免許を取得。食品会社での研究開発に携わったことも。現在はフリーランスのWebライターとして、栄養に関する記事を専門に扱い、数多くのメディアにて執筆。難しく答えの出にくい栄養に関する知識をわかりやすく伝えることをモットーに活動中。