【現役医師監修】あなたは自動派?手動派?目まぐるしい電動歯ブラシの種類と正しい使い方
みなさんは普段、何で歯を磨いていますか?
歯ブラシ・歯磨き粉・デンタルフロス・糸ようじ・歯間ブラシ・口腔洗浄機と、世の中にはさまざまな歯磨きグッズが存在します。
中でも、毎年順調に普及率を伸ばしているのが「電動歯ブラシ」です。
ブラシ部分が回転や振動することによって、手で磨くよりも効率的に歯を磨くことができます。
今回はそんな「電動歯ブラシ」について詳しく見ていきたいと思います!
電動歯ブラシを使うメリットは?
どのような種類があるの?
価格の幅はどれくらいなの?
などなど、電動歯ブラシに関わる疑問について考えていきたいと思います。
そもそも電動歯ブラシとは?
電動歯ブラシとは、その言葉の通り電源を入れると自動でヘッドが動く歯ブラシのこと。
電動歯ブラシには主に4種類あり、振動式・回転式・音波式・超音波式に分けられます。
振動式歯ブラシ
ヘッドの部分が左右や前後に往復し、「スライド式」とも呼ばれています。
往復運動で歯についた汚れを落としていきますが、振動回数は毎分数千回に及びます。
電動歯ブラシの中では比較的安価で、数百円で買えるものもあったりします。
ただし、乾電池のものはパワーが弱くなります。
洗浄効果が高いですが、単純に高速で往復運動をするだけなので使い方を間違えてしまうと歯茎を傷つけてしまうこともありますので、無理のない正しい使い方を心がけましょう。
回転式歯ブラシ
丸い形状のヘッド部分が円を描くように回転します。
普通の歯ブラシでは届きにくい歯の裏側や境目などにブラシが行き届きやすいのが特徴です。
一般的な歯ブラシよりも先端がコンパクトな丸型なので、初めての方でも使いやすい形状になっています。
ただ、回転により遠心力が生じやすく、少々振動を大きく感じる方もいるかもしれません。
音波式歯ブラシ
振動式の歯ブラシに音波を発生させて歯の汚れを落としていきます。
ものにもよりますが、毎分3~5万ほど振動し、音波の振動による高速の流水や、細かい泡などが、毛先の届かない奥や隙間にまでアプローチしていきます。
毛先が当たらなくても、周囲2ミリの部分まで汚れを除去することができ、音波によって届きにくい汚れを落とすというのは画期的で、非常に注目を集めている商品です。
超音波式歯ブラシ
音波ブラシよりも高性能なもので、超音波によって細菌同士の連鎖を断ち切ることができます。
その結果、歯垢を付きにくくしたり、汚れを剥がしやすくしています。
また、超音波によって骨や歯茎の細胞が刺激され、活性化されるといわれており、歯周病やその他のお口のトラブルにも効果的です。
さらに、毎分100万〜150万回振動し、その音は人間の耳では聞き取ることができないほどです。
以上のように電動歯ブラシは4つの種類に分けることができ、それぞれが固有の特徴を持っており、価格や性能も大きく異なります。
電動歯ブラシと歯ブラシを比較してみた!
電動歯ブラシの種類や仕組みについて見てまいりましたが、実際のところ通常の歯ブラシとどのような違いがあるのでしょうか?
まずは、それぞれのメリットについて見ていきましょう!
歯ブラシのメリット
●手軽に磨ける
●値段が安い
●種類やデザインが豊富
●手ごたえで異変を見つけやすい
●自分にあったものを見つけやすい
電動歯ブラシのメリット
●全体を均一に磨ける
●短時間で汚れが落ちる
●歯の間の汚れも落ちる
●手が疲れない
歯ブラシでもある程度の汚れは落とすことができますが、歯と歯の間や奥歯を磨くのが難しいこともあります。
ブラッシングできない部分はデンタルフロスなどを使って掻き出す必要がありました。
それに対して、電動歯ブラシは種類にもよりますが、超音波の力でブラシの届かないところの汚れを落とすことができます。
その点では、短い時間で広範囲の汚れを落とすことができます。
続いて、デメリットについても見ていきます。
歯ブラシのデメリット
●磨きにくい場所がある
●時間がかかる
●ざらつきが残ることがある
●テクニックが必要
電動歯ブラシのデメリット
●価格が高い
●電池の交換・充電が必要
●使い方次第では歯や歯茎を傷める可能性もある
●機種によっては専用の歯磨き粉が必要
歯ブラシは自分自身で磨かなくてはならないため時間がかかります。
また、どうしても手の動きや力加減に違いが出てきてしまうので、均等に磨くことが難しく、磨き残しが生じてしまいます。
一方、電動歯ブラシのデメリットとしてはやはり価格が高いことが挙げられます。
比較的安価なものもありピンキリではありますが、安い商品は性能がイマイチなものも多く、それなりの性能を求めるとなるとどうしても価格が高くなってしまいます。
また、自分の力で動かしているわけではない(制御ができない)ぶん、使い方を誤ると口内を傷つけてしまう可能性もあります。
さらに、超音波や水流などが起きるので普通の歯磨き粉だと泡が立ちすぎてしまい、うまく磨けないこともあります。
また、普通の歯磨き粉では研磨剤の量が多すぎて、電動歯ブラシで使用すると歯そのものを傷つけてしまうなんてこともあります。
そのため、泡が立ちにくく研磨剤が適量の「電動歯ブラシ用の歯磨き粉」が必要な場合もあります。
このように歯ブラシにも電動歯ブラシにもそれぞれメリットとデメリットがあります。
歯ブラシとデンタルフロスを併用することで汚れを十分に落とすこともできれば、電動歯ブラシさえ使っておけば完璧というわけでもありません。
ご自身の口内環境や歯の磨き方に合った歯ブラシを見つけてみてください!
電動歯ブラシの正しい使い方
先程ご紹介した電動歯ブラシのデメリットで、
●使い方次第では歯や歯茎を傷める可能性もある
●機種によっては専用の歯磨き粉が必要
というものがありました。
そこで、ここでは電動歯ブラシの「正しい使い方」についてご紹介していきたいと思います。
電動歯ブラシの正しい使い方
①電動歯ブラシのスイッチを入れずに口の中に入れる
②電動歯ブラシが口の中に入ったら、電源をONにする
③ブラシ部分は軽く歯に当てる
④ブラシは自分で左右に動かさず、軽く当てた状態を保つ
⑤そのまま、ゆっくりと次の歯にスライドさせる
⑥全ての歯を磨き終わったら、電動歯ブラシを口の中で止める
⑦最後に口の中をよくすすぐ
電動歯ブラシは、むやみやたらとブラシを動かさないのがポイント!
動かすと歯間に汚れが残ってしまいます。
また、歯の磨き方のイメージを解説していきます。
噛み合わせ面を電動歯ブラシで磨きたい場合は、上の図のようにします。
歯に対して90度の傾きで持つと、噛み合わせ面を満遍なく磨くことができます。
歯の側面を磨く場合は、上の図のようにこちらも歯に対して90度で磨くと均等に磨くことができます。
他にも、歯茎の汚れが気になる場合は、45度に傾けることで、
歯と歯茎の間の汚れを効果的に落とすことができ、歯茎のマッサージにもなります。
この「90度」と「45度」を組み合わせて効率よく磨いていきましょう!
以上、今日は電動歯ブラシについて詳しく触れていきましたが、お分かりいただけたでしょうか?
正しい電動歯ブラシの使い方をマスターして、清潔で美しい歯をいつまでも維持していきましょう!
監修医師プロフィール
医療法人社団スタデン理事長
田中 和之 氏
"確かな技術・痛くない・待たせない・丁寧な説明"をポリシーに診療を行う医療法人社団スタデンの理事長。
審美歯科歴17年以上の経験を有し、審美歯科の症例数は5,000件を超えている。
勤務クリニック名:九段下スターデンタル
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