【医師監修】手術不要のプチ整形?業界で主流の『エラボトックス』ですっきり小顔になれるのか
テレビや雑誌で毎日みかけているモデルや芸能人の人たちは、みんなすっきりとしたフェイスラインで、今や小顔が美人の条件のうちの一つでもあります。
そんな小顔には憧れてはいるけれど、「エラは骨格レベルの問題で、改善するには骨を削るしかないのでは…。」と思っている人もいるのではないでしょうか。
ところが、最近では小顔の形成にはボトックス注射を打つだけのエラボトックスという方法が主流で、施術も気軽に受けられるようになっています。
そこで今回は、筋骨格のスペシャリストとも言われる美容整形外科医監修のもと、エラボトックスをまだ試したことがないという方のためにエラボトックスについてご紹介してまいります。
そもそも、エラの張りの原因とは?
エラの張りに悩んでいる方は、エラ=骨格の問題だと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、エラの張りは骨格だけの問題ではなく、筋肉の張りの問題であるとも言えるのです。
人間の顔には30以上の筋肉が集まっていて、様々な動き、表情を作ることができます。
その中でも、エラの部分にあたるのは「噛む筋肉」の部分です。
噛む筋肉(咀嚼筋といいます)には、咬筋、側頭筋、外側翼突筋、内側翼突筋の4つがあり、中でも私たちがエラと呼んでいる部分が、咬筋と呼ばれる筋肉なのです。
この咬筋が食べ物の咀嚼や、歯のくいしばりによって発達しで大きくなり、角ばった印象を与えているのです。
咬筋にアプローチすれば小顔になれる?
一昔前の美容整形では、骨を削ることによって小顔を形成する方法が採られていました。
しかし、骨も人間の重要な器官であるため、削れる範囲が小さく、その割には手術も大変で体への負担もかなり大きなものでした。
その点、咬筋は骨と比べて大きいため、アプローチできる範囲を広く取れ、また大がかりな手術も必要なく、咬筋を小さくすることができます。
つまり咬筋を小さくすれば、エラの張りが小さく目立たなくなるため、小顔に近づけるということなのです。
筋肉を小さくする方法とは?
みなさんにイメージして欲しいのですが、あまり運動をせず筋肉のない人の体は華奢な印象で、体を鍛えている人は腕も脚も逞しく大きく見えますよね。
筋肉が発達すると、見た目は大きく逞しい印象になります。
エラが張っている人は、つまり「エラ部分の筋肉が大きく逞しく発達している」状態であるということです。
では、その筋肉を小さくするには、どうすれば良いのでしょうか?
それは「筋肉を動かさないようにさせる」ということで叶えられます。
みなさんの中には、「運動を定期的にしていたときよりも、運動を止めてしまった時のほうが足が細く見えた」というような経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
それがつまり「筋肉を動かさないことで、筋肉を衰えさせた=小さくさせた」ということです。
とはいえ、咀嚼筋である咬筋を意識して動かさないようにするのは、人として生活し、食事をしている以上は不可能です。
そこで、ボトックスの力を使って咬筋のみを使わないようにさせる、というのがエラボトックスということになります。
中には「咬筋が使えなくなると噛む力がなくなり食事ができないのではないか」と心配になる方もいらっしゃるかもしれませんが、先にお話したように咀嚼筋は他に3つありますので、敏感な方は最初は少し噛みにくさを感じる場合もあるかもしれませんが、生活に差し支える程度のものではないと考えて良いでしょう。
「ボトックス」とはどういう薬?
ボトックス(A型ボツリヌス毒素)とは、筋肉の動きを止めて小さくさせる筋弛緩剤の一種です。
「毒素」と聞くと少し驚いてしまいますが、医療の現場では顔の引きつりの症状や頭部が片側に傾いてしまう病気(斜傾)を治療するために利用されています。
筋肉の動きは、末梢神経と筋肉が触れ合う部分に、アセチルコリンという神経伝達物質が末梢神経から放出され、それを筋肉が受け取ることにより収縮=動くという仕組みになっています。
ボトックスはそのアセチルコリンの放出を抑制し、筋肉が動くことを妨げる作用があります。
つまり、エラボトックスでは咬筋にボトックスを打ち、咬筋が動くことを妨げ、筋肉を小さくさせることで小顔に導くという仕組みなのです。
小顔効果が出るまでにはどのくらいかかるの?
ボトックス自体の効果(アセチルコリン放出の抑制)はすぐに出ますが、「筋肉が小さくなる」には時間がかかります。
エラボトックスとして小顔効果が現れるには、2週間~1か月を要すると言われています。
ですから、エラボトックスを打ったその日のうちに小顔効果が現れることはありません。
また、健康な人の体は「正常な状態に戻す」という働きをしますから、アセチルコリンを放出しなくなった末梢神経の近くにまた新たな末梢神経が伸びてきます。
アセチルコリンを受け取れず動いていない筋肉を再び動かすため、つまり、筋肉が動くという正常な状態に戻すためにそのような働きをするのです。
そのため、しばらく動かないことで小さくなっていた咬筋もしばらくするとまた動き出し、発達し、大きくなってしまいます。
ですから、小顔効果を持続させるには、エラボトックスを複数回打つことが必要になります。
目安としては、3~4か月に1回を4~5回続けるのが良いとされています。
その後はメンテナンスとして1年に1回打つのが適切でしょう。
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