ココロとカラダの健康に!香りの力と自然の恵みについて

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精油についての注意事項

良い香りで益虫を誘ったり、害虫を遠ざけたり、カビや酸化から身を守ったり、植物成分がぎゅっと凝縮されている精油は、植物を水蒸気蒸留法や熱水蒸留法で留出する事が出来ます。こうして留出した精油は十から数百の揮発性化合物からなる高濃度で複雑な化合物です。科学者による臨床研究も徐々に増え、肯定的な研究結果も報告されているものの、精油に含まれるこれらの成分が人体に与える影響を追跡する事は難しく、解明されていない部分が多いと言われています。精油はアラビアやヨーロッパで古くから治療に用いられてきたが、漢方同様に効果や適応に関しては伝承や経験による部分が大きく、用法や安全性に関する検証が十分に行われていないのが現状です。

 

この精油は気化したものを吸入すると嗅覚刺激として中枢神経系に働きかけ、皮膚に塗った場合は皮膚を通過して体内に入り、経口投与すると胃や腸などの粘膜から吸収され、全身へ行きわたります。つまり体内に吸収されやすいという事なのですが、同じ精油であっても使用法や吸収される経路の違いによって薬理作用が異なり、人体に与える影響も変わってくる事が分かっています。精油を使った治療を正しく行えばストレスや不安症状、鬱傾向の人々に対し、抑うつ症状の緩和に有効である可能性が示されたり、マッサージに用いると鎮静作用や睡眠の質を向上させるといった様々な効果がありますが、使用法を間違えると肌荒れやアレルギーなどのトラブルを引き起こす可能性がある事もわかっています。認識しないといけないのは自然由来である為、副作用がないという理解は誤りであり、天然や自然のモノだからといって過剰に摂取、使用しても安心・安全という事ではないという事です。

 

それでは、これから精油を正しく使用する際に気をつける点を紹介します。

原液を直接肌につけない

皮膚に使用する場合、原液では刺激が強いため、必ず薄めてから使用しましょう。誤って精油の原液が直接皮膚についた場合、すぐに流水で洗うことが重要です。赤み、刺激、発疹など皮膚に異常がみられた場合は、医師の診察を受けましょう。最初は問題が無くても、継続して高濃度の精油を使用する事でアレルギー反応が出る事があります。

精油を飲用しない

精油を飲用する事は特にリスクが大きいと言われています。基本的に精油を飲用する事は避けるべきだとされています。理由として精油は水に溶けず、飲用する際に直接粘膜に触れ体内に吸収されるからです。精油を薄めずに皮膚に使用してもトラブルになるのだから直接粘膜に触れたらリスクが大きくなる事は想像出来ます。

子供には使用しない

3歳未満の乳児・幼児には、芳香浴法以外は行わない事です。3歳以上の子どもでも、使用にあたっては十分に注意が必要です。

ペットには使用しない

ペットの治療やノミ取りに精油を使うことが流行した事があったが、それに伴いペットの中毒事例が報告されています。動物は食性の違いによって、化学物質の代謝や分解能力に違いがありますが、肉食動物の猫やフェレットは、遺伝的に精油の代謝能力が特に低いことがわかっています。

まとめ

まとめ

多くの化粧品にも使用されている精油は漢方のように長い歴史の中で育まれてきた療法の1つであり、体内への吸収もよく、リラックス効果など様々な良い効果がある事がわかってきていますが、間違った使用法によってトラブルが増えてきています。高濃度であれば良く効くという訳では無く、トラブルへのリスクが高まります。健康のための栄養剤も過剰摂取する事で身体に負担をかけてしまう事があります。精油も同じく、高濃度で使用することは、身体の負担になってしまいます。精油の扱いは自己責任ではあるのですが、効果があるからこそ、気をつけないといけない事がある事を頭に入れて、精油の正しい使い方を守り、生活に取り入れてみましょう。

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