【医師監修】ホルモン補充療法とは?期待できる効果やよくある質問をご紹介

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【医師監修】ホルモン補充療法とは?期待できる効果やよくある質問をご紹介

動悸・息切れ・発汗・のぼせ・頭痛……そんな更年期障害の症状に悩まされていませんか。多くの女性が経験するものとはいえ、つらいものですよね。人によっては不眠や不安などの精神的につらい症状も出るため、憂鬱な気持ちを抱えて過ごす人も多いでしょう。本記事では、更年期障害の症状を緩和できる可能性がある「ホルモン補充療法(HRT)」についてご紹介します。

ホルモン補充療法とは?

ホルモン補充療法とは?

ホルモン補充療法とは、更年期障害の治療方法のひとつです。閉経が近くなり卵巣の働きが下がると、ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に低下します。エストロゲンの分泌が急激に低下すると、身体が変化に対応しきれず、さまざまな症状が出るのです。

 

ホルモン補充療法では、必要最小限のホルモンを補充して身体の変化をゆるやかにすることを目的としています。治療に抵抗を持つ人もいるようですが、症状の緩和を考える人にはおすすめです。日本ではあまり有名ではありませんが、欧米ではポピュラーな方法。絶対に受けるべき、というわけではありませんが、症状がつらいなら前向きに検討してみましょう。

ホルモン補充療法の具体的な治療方法

ホルモン補充療法の具体的な治療方法

ホルモン補充療法では、エストロゲンのほかに、黄体ホルモンを併用します。2種類のホルモンを組み合わせるのは副作用を抑えるためです。

 

使用されるエストロゲンには以下のような種類があります。

 

飲み薬

貼り薬

ゲル剤

 

取り扱う薬の種類はクリニックによって違います。人により合うタイプが違うため、すべての種類を揃えているクリニックも少なくありません。医師との相談のうえで選べる可能性があります。

ホルモン補充療法に期待できる効果

ホルモン補充療法は、エストロゲンの低下に伴う症状への効果が期待できるといわれています。

 

冷え

のぼせ

発汗

息切れ

皮膚のかゆみ

粘膜の乾燥

おりものの異常

 

更年期障害と呼ばれる症状のうち、エストロゲンの低下が原因と見られるものに効果を発揮します。さらに、骨粗鬆症の予防やアルツハイマー病の予防にも効果が見られる場合があるのが大きな特徴です。

ホルモン補充療法で考えられる副作用

さまざまな効果に期待できるホルモン補充療法ですが、副作用もあります。主な副作用は以下のようなものです。

 

不正出血

乳房の張り

乳房の痛み

おりもの

 

たいてい副作用は1~3か月で落ち着くといわれていますが、副作用が強すぎる場合は医師に相談してください。様子を見ても症状が落ち着かないなら、他の病気ではないか検査をする場合もあります。

ホルモン補充療法でよくある質問

「更年期障害がつらい」と感じていても、いざ治療するとなると不安なもの。そこでホルモン補充療法でよくある質問をいくつかご紹介します。

 

不安要素があるなら、払拭のためにもぜひチェックしてみましょう。

ホルモン補充療法は何歳まで続けるもの?

治療を開始したあとに気になるのが「やめどき」ですよね。基本的にホルモン補充療法には、いつまでという目安がありません。

 

症状が改善して日常生活が楽になったら、やめるのも良いでしょう。ただし突然やめると、また症状が出る可能性もあります。そのため医師と相談しつつ、ゆるやかにやめるのがおすすめです。

閉経前でもホルモン補充療法は始められる?

医師が目安とするホルモンの値はあるものの、閉経前でもホルモン補充療法は開始できます。早発閉経であるなら、30代・40代前半での治療スタートも可能です。

 

ホルモン補充療法をしたいと考えているのなら、まずは医師に相談してみましょう。

ホルモン補充療法によるがん発症のリスクは?

ホルモン補充療法が子宮体がんのリスクを高める可能性は低いということが実証済みです。一方でごくわずかですが「乳がんの発症率が上がる」という報告もあります。ただしホルモン補充療法をすると乳がんでの死亡率が下がるというデータもあるのです。

 

ホルモン補充療法実施の有無に関わらず、乳がん検査は必要なもの。発症率が上がるといってもごくわずかであるため、それほど不安に感じる必要はないと考えられます。

ホルモン補充療法には健康保険が適用できるの?

ホルモン補充療法には健康保険が適用できます。健康保険が適用になるのは、更年期障害の治療が目的だからです。そのため治療費もそれほど高額になるわけではありません。安心して病院を受診してくださいね。

ホルモン補充療法ができない人もいるの?

ホルモン補充治療ができない人もいます。治療ができないのは、以下のような人です。

 

・妊娠中の人

・脳卒中や心筋梗塞などの既往歴がある人

・乳がんや子宮内膜がんの治療中の人

 

ホルモン補充療法をしても問題ないか、医師としっかり相談しましょう。もしホルモン補充療法が難しい場合は、漢方治療を取り入れる方法もあります

まとめ

まとめ

冷え・のぼせ・発汗……実際に更年期障害の症状が出て、そのつらさに苦しんでいる人も多いでしょう。そんな症状の緩和に効果が期待できるとされているのが、ホルモン補充療法です。もし更年期障害の症状に苦しんでいるのなら、ホルモン補充療法の利用を考えてみるのも良いかもしれません。

 

また、ホルモン補充療法は骨粗鬆症の予防にもつながるといわれています。費用の面でも健康保険が適用されるので安心です。

 

つらい症状に悩んでいるならクリニックを受診して、医師に相談してみてくださいね。快適に過ごすためにも、ぜひ前向きに検討してみましょう。

監修医師プロフィール

監修医師プロフィール

医療法人 大美会 理事長

大阪美容クリニック 院長 南 真実子

 

[経歴]

大阪医科大学医学部卒業後、初期研修を経て大阪医科大学産婦人科教室に入局。

主に、腹腔鏡手術、不妊治療、周産期治療などに従事し、産婦人科専門医を取得。

検診業務にも従事し、マンモグラフィー読影認定医を取得。

女性がいつまでも健康で美しく輝いていられるよう、更なる高みを目指して、美容医療、アンチエイジング医療を行う。

大手美容クリニックで活躍後、2017年に大阪美容クリニックを開院。

婦人科・美容皮膚科を通じて、女性をトータルにサポートできるよう診療を行っている。

 

[保有資格・所属学会]

産婦人科専門医

マンモグラフィー読影認定医

 

[クリニック]

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