【専門家監修】漢方を味方につけて、痩せやすいカラダへ。「漢方入門」

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【専門家監修】漢方を味方につけて、痩せやすいカラダへ。「漢方入門」

アラフォーはだんだん痩せにくくなってくるお年頃。

 

話題のダイエット法を参考にしても、なぜかビクともしない体型や体重にストレスを感じ、我慢しきれずドカ喰いや甘いものに手を出してしまうという悪循環に…。

 

そうなりがちな方は、無理なダイエットを一旦ストップして「なぜ痩せにくいか」に目を向けてみませんか?

 

体質や太ってしまった理由を探るには、人それぞれの体質に向き合う「漢方」の考え方を取り入れるのがオススメです。

 

ここでは漢方のダイエットへの活かし方をご紹介していきます。

漢方って難しい? そんなことはありません。

漢方って、「漢」は中国、「方」は治療法のことを指すそうです。

 

その名の通りもとは中国生まれですが、実は日本独自の医学。

日本人の体や気候風土に合わせて発展・進化したといわれています。

 

漢方と聞くとまず「漢方薬」が思い浮かぶと思いますが、お薬だけではありません。

細いハリやお灸でツボを刺激する「鍼灸」や、体質や栄養を考えた食事をする「食養生」などを含めた医学理論全般のことを指します。

 

ツボや薬の名前が漢字ばかりだし、ちょっと難しそう…というイメージも先行しがちですが、実はかつての日本人にはとっても馴染み深いものだったのですね。

不調を「気」「血」「水」の3つのめぐりから見る

不調を「気」「血」「水」の3つのめぐりから見る

漢方では基本的に「人間の体は自然の一部」として、人も自然も同じシステムで生き、全てが連動していると考えられています。

 

人の体は「気」「血」「水」の3つのめぐりで構成されていて、それぞれがバランスよくめぐっているのが健康な状態。

 

きれいな水はサラサラと流れ、水が溜まって古くなると汚れていくというように、自然の摂理を体の働きにあてはめて捉えます。

どれかが不足していても、過剰でも、滞ったり、偏ったりしても、不調や病気が起こりやすいとされているのです。

 

特に女性は、月経や出産などで体の中のバランスが大きく変わります。

また、アラフォーともなると家庭や社会での役割への責任もあり、心身にかかる負担は相当のもの。

病気まではいかなくても、何かしら不調を感じやすいことも多いでしょう。

 

漢方の治療では、主に「気」「血」「水」のめぐりのバランスを崩している要因に対して漢方薬や鍼灸などを施し、その人にとってちょうどいい状態に整えていくことで、健康で美しい体づくりをめざしていきます。

気(き)

「元気がない」「気力がわく」の言葉の通り、目には見えないけれど、人の体を支えるすべての原動力のようなもので、最も重要な要素です。

 

気のめぐりが悪くなるとイライラや気分の高ぶりといった精神や神経の不調が起き、不眠などにつながるとされています。

 

血(けつ)

全身の細胞組織や器官に栄養を与える、主に血液のこと。

血が多いと闘争的になったり、少なくなると貧血が起きたり肌ツヤが悪くなります。

 

また、血が滞った状態になると「瘀血(おけつ)」が起こり、月経不順などを招きます。

血行不良による冷えなども「血」のせいです。

 

水(すい)

口に入れたものを体の役割に合わせた形にして体を潤すもの。

体液や分泌液、尿など、血液以外の液体のことを指します。

水分の代謝や免疫システムにも大きく関わります。

 

水のめぐりが悪くなると、むくみや乾燥、排尿障害につながります。

 

「証」で人それぞれの体質や体力を表す

「証」で人それぞれの体質や体力を表す

先ほどの不調を起こしている3つのめぐりに加え、個人の体力の充実度や体質、病気への抵抗力などをはかる基準が「証」です。

 

声が大きくガッチリとしていて一見パワフルに見える「実証」や、体の線が細くおとなしい印象の「虚証」があります。

そして、熱が体にこもっている状態を「熱証」、ひどい冷え性の「寒証」も基準となります。

 

また、急性の「表症」、慢性の「裏症」も考える必要があります。

ダイエットの悩みと一口にいっても、この6タイプ、またはそれぞれの混ざったタイプ(たとえば実熱証)があり、それぞれにあった治療法は違うということ。

体力充実の「実証」

力があり余っている状態。

エネルギーの過剰分が不調の潜在要因となっている人。

 

体力不足の「虚証」

エネルギーが足りない状態。

体力が弱り、病気への抵抗力が落ちている人。

 

熱がたまった「熱証」(陽証ともいうこともある)

ほてり、のぼせを感じる人。

脈が早く、高血圧な状態。

 

冷えすぎる「寒証」(陰証ともいうこともある)

寒気や冷えを感じる人。

代謝が悪く、体が重だるい状態。

 

急性の症状「表症」

病気が急性であり、初期と思われ、病気がカラダの浅いところや表(オモテ)の部分にあると考えられる状態。

 

慢性の症状「裏症」

病気が、進行して、病気が深部にまでおよんだ状態。

 

 

※実・虚、寒・熱、表・裏のどちらに転んでも不調を招きやすい状態です。その中間の「中間証」が一番健康に近いといえます。

 

漢方薬って、他の薬とどう違うの?

漢方薬って、他の薬とどう違うの?

体質や生活習慣なども含めて体のバランスを見直し整えていく漢方治療。

中でも漢方薬への注目は年々高まっているそうです。

 

とはいえ、「これまでにもダイエットサプリなどを散々試したけど…」と、他の“服用するもの”とどう違うのかが気になりますよね。

 

漢方薬は、2種類以上の自然素材の生薬を組み合わせて作られた、医学的に認められている薬です。

 

生薬とは、植物の根や茎、貝殻や鉱物など薬効成分を持ったもので、それを蒸したり乾燥させたりして、数種類組み合わせることで様々な症状に作用するようにできています。

 

漢方には即効性がないというイメージがあるかもしれませんが、体質や症状に合えば比較的早く効果が現れることも。

 

また、漢方だから安全で副作用が全くないというわけではありません。

体に合わないまま思い込みで飲んでいると悪化することもあるのです。

 

ですので、漢方外来や漢方専門薬店・薬局でご相談なさることをオススメします。

西洋薬(医療用医薬品)との違い

西洋医学は症状に対して局所的に治療します。

検査数値や他覚症状といった客観性が重視されます。

 

西洋薬は、科学的に合成した成分でできているもの。

本来体がすべき働きを補うので即効性がありますが、完治しないまま薬の服用をストップすると元の症状に戻ってしまうことも。

 

最近では、西洋医学が主流の一般病院でも、西洋薬と漢方薬のそれぞれの得意分野を生かして併用する傾向もあります。

 

健康食品、サプリメントとの違い

ビタミンやミネラルなど、不足しやすい栄養素をカプセルや粉末、飲料など服用しやすい形にした栄養補助食品。

あくまで食品のひとつで、病気や症状を治すことを目的としたものではありません。

 

また、漢方薬などと違い、法律などでの規制もほとんどないので、ニセモノも多く出回っていますので、注意が必要です。

 

民間薬との違い

学術的な根拠のないものも含まれます。

昔から体によいと言い伝えられてきた生活の知恵なので、服用方法や量などに地域差があります。

 

主にひとつの素材で作られます。

例:ハーブ、アロエ、ドクダミ、杜仲 など

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