【医師監修】寒いのに汗…。もしかして更年期?緩和するための効果的な方法とは
更年期の症状を緩和する方法(3)プラセンタを摂る
近頃、美肌・アンチエイジング目的で摂取されている「プラセンタ」ですが、もともとは、更年期障害のためのお薬。
美容のイメージが定着してしまったため、知らなかった方も多いかもしれませんね。
実は、プラセンタは厚生労働省からも認可されている更年期症状改善のためのお薬です。
アミノ酸、ビタミン、核酸、成長因子などが豊富に含まれているため、心身を元気にし、更年期の症状を緩和してくれる効果が期待できます。
注射で使用されるヒトの胎盤から抽出されたプラセンタには、ラエンネックとメルスモンという2種類の薬剤があります。
どちらもアンチエイジングに使用されていますが、更年期障害に対しては、特にメルスモンに治療効果があります。
いちばん良いのはお医者さんにプラセンタの注射をしてもらうことですが、セルフケアとしてはプラセンタのサプリメントを利用するのも良いかもしれません。
更年期の症状を緩和する方法(4)がんばらない
更年期はなかなか自分の体や心が言うことを聞いてくれなくなり、「どうして?!」と悲しくなってしまいがち。
でも、それは自然の摂理。
思い通りにならない体にムチ打ってはたらかせるのではなく、「今は体を休ませる時期なんだな。」と考えて、
頑張りすぎないようにしましょう。
ストレスは、更年期症状を悪化させてしまう原因になってしまいます。
「夕食をお惣菜で済ます」
「家族に家事を手伝ってもらう」
「お気に入りのアロマオイルで体をケアする」
など、がんばりすぎず、自分をいたわってあげる練習をしましょう。
更年期症状の改善には「ホルモン補充療法」も選択肢に。
先ほども述べた通り、更年期障害の原因は「女性ホルモンの減少」です。
症状でお困りの際は、「ホルモン補充療法(HRT)」を選択肢に入れても良いかもしれません。
ホルモン補充療法は、アメリカでは何十年も前から浸透しており、メジャーな治療法です。
その名の通り、更年期にともない減少していく女性ホルモンを必要最小限だけ補充することで、更年期症状を緩和します。
更年期障害の根本原因である「女性ホルモン」にアプローチするので、最も効果が期待できる方法です。
ホルモン補充療法でがんになる?
日本で未だホルモン補充療法があまり普及していない理由は、「ホルモン補充療法でがんになる」というイメージが強いからではないでしょうか?
ホルモン補充療法とがんとの関連性に関して、明確なことは言えませんが、近年の研究では「関係ない」「むしろホルモン治療を受けていたほうが乳がんによる死亡率は低い」といった報告もあります。
また、更年期症状に対して必要なホルモンはエストロゲンですが、黄体ホルモン(プロゲステロン)も併用することが、より安全な投与方法とされています。
もちろん過信することはできませんが、定期的な検診を受けていれば過度にホルモン補充療法を恐れる必要はないかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?
本日は、更年期の症状を緩和するための方法をご紹介しました。
更年期というのは今まで毎月耐えてきた「生理」に幕を閉じるための、クライマックス。
何十年も付き添ってきた女性ホルモンが分泌されなくなるわけですから、体に異変があるのは自然なことなんです。
重要なのは、それをどう乗り切るか、ということ。
体の声に耳を傾けて、適切な選択をすることで、風を受け流すようにスムーズに乗り越えたいものですね。
監修医師プロフィール
麻布モンテアール・レディースクリニック 院長 山中 智哉
[学歴]
1998年 山梨医科大学(現山梨大学医学部)卒
2002年 同大学院卒
[資格]
・医学博士
・産婦人科専門医
・抗加齢医学会専門医
[現在]
麻布モンテアールレディースクリニックで院長として不妊治療に従事
[クリニック]