【医師監修】コロナ禍に到来した矯正ブーム!マウスピース矯正の費用や期間、メリット・デメリットなどを徹底解説
コロナ禍でステイホームが浸透したことにより、多くの人の生活スタイルが以前と変わりました。
おうちでできるエクササイズやお料理、読書、映画観賞など新しい趣味を見つけたという方もいるでしょう。
そんな中、人と接する機会が少なくなったこの機会にマウスピース矯正を始める人が増加しているといわれています。
本記事ではマウスピース矯正について、審美歯科治療やインプラント治療も得意とする専門医監修のもと、メリットやデメリットだけでなく、これから始めようと思っている人が持ちやすい疑問に対する答えなどを詳しく解説していきます。
「マウスピース矯正」とは?
マウスピース矯正とは歯科矯正の一種で、ワイヤーやブラケットを使用せず、自由に取り外しが可能なマウスピース型の装置を利用して少しずつ歯を動かしていく矯正です。
無色透明のマウスピースを使用するため、少し見える程度では目立ちにくく、周囲の人に気づかれにくいまま少しずつ歯を矯正できます。
「マウスピース矯正」に向いている人
マウスピース矯正に向いている人は、
・一般的なワイヤー矯正の見た目に抵抗がある人
・矯正中にもしっかりと歯を磨きたい人
・抜歯をはじめとした大掛かりな処置が必要なく歯並びを良くしたい人
だといわれています。
また、金属アレルギーの心配もありません。
「マウスピース矯正」をする際に気になること
マウスピース矯正をするにあたって値段や期間、痛さに対する疑問や不安を持つ人は多いでしょう。
ここではマウスピース矯正に関するよくある疑問にお答えします。
「マウスピース矯正」の料金は?
ウスピース矯正もワイヤー矯正と同じく保険適用外ですので、料金はクリニックごとの方針や治療内容によって違いがあり、約10万円から100万円程度と、さまざまです。
マウスピースの作成にどれだけ手順をかけるかによってその精度は金額に比例しますので、歯科医師とよく相談しましょう。
マウスピース矯正治療にかかる主な金額は、治療前の検査代(最重要)、治療中の診察料や調整料、装置の費用に加え、治療完了後の定期検診です。
「マウスピース矯正」にかかる期間は?
マウスピース矯正にかかる期間は患者さんに必要な移動量によって違います。
参考として、主に前歯を中心とした上下を矯正する場合は数ヶ月から1年半、奥歯を含めた全体を矯正する場合は1年から2年かかるといわれています。
ワイヤー矯正にも言える事ですが、矯正は歯の周囲にある骨を無理のない範囲で矯正していくために1ヶ月に1mm程度しか動かせ
ません。
目標の位置に動いたあとも、元に戻ろうとする力を抑えるために期間が必要です。
「マウスピース矯正」は痛いの?
マウスピース矯正はワイヤー装置を利用した矯正に比べると痛みが少ないといわれています。
何よりも、ワイヤー矯正装置自体が口内で引っ掛かり傷をつけるという心配がありません。
しかも、あまりに痛みが酷い場合には一時的に取り外して休ませることも可能です。
「マウスピース矯正」のメリット
マウスピース矯正について上記で少し理解が深まったと思いますが、ここではそのメリットをご紹介します。
自分で自由に取り外せる
マウスピース矯正のメリットの1つ目は「自分で自由に取り外せる」という点です。
ワイヤーを利用した矯正では装着にも取り外しにも歯医者さんが必要ですが、マウスピース矯正はマウスピースを歯にはめ込むだけなので、オンライン会議や食事中、写真撮影時など必要なときに自分で簡単に取り外すことができます。
装置が目立たない
マウスピース矯正のメリットの2つ目は、通常の矯正器具に比べて装置が目立たないという点です。
マウスピースは無色透明なので、少し見えたくらいでは周囲にも気づかれにくく、悪目立ちすることもありません。
もちろん装着したまま普通に会話することもできます。
口内を清潔な状態に保てる
マウスピース矯正のメリットの3つ目は、口内を清潔な状態に保てることです。
ワイヤー矯正の場合は、毎食後ワイヤーと歯に挟まった食べカスを取り除くのが大変ですが、マウスピースであれば簡単に取り外すことができるため、マウスピースも歯もいつも通り磨くことができます。
金属アレルギーの心配がない
マウスピース矯正のメリットの4つ目は、金属アレルギーへの心配が不要なことです。
ワイヤーを使用する場合は常に金属が体に触れている状況ですが、マウスピースは樹脂でできているのでその心配がありません。
「マウスピース矯正」のデメリット
マウスピース矯正には、上記でご紹介したようなメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。
デメリットをきちんと理解した上で、マウスピース矯正をするかどうか検討するようにしてください。
長時間・長期間の装着が必要
マウスピース矯正のデメリットの1つ目は、長時間・長期間の装着が必要という点です。
マウスピース矯正は簡単に取り外せるものの、1日に長時間装着しておく必要があります。
当院では1日あたり18時間以上の装着を指導しております。
基本的に外すのは食事、歯磨き、入浴時のみ(温度が上がると変形しやすい恐れがある)を想定しています。
マウスピースとはいえ、慣れるまで口の中に長時間装置を入れておくことはストレスになるでしょう。
治療にどの程度の期間を要するかは、始める前に聞いておく必要があります。
装着中の制限がある
マウスピース矯正のデメリットの2つ目は「装着中の制限があること」です。
具体的には、飲食の面で大きな制限があります。
マウスピースを装着しているときにものを食べたり飲んだりすると、マウスピースにその汚れが付着し、通常よりも虫歯になりやすくなってしまいます。
飲食前にマウスピースを外し、普段の歯磨きは入念に行いましょう。
対応できないケースがある
マウスピース矯正のデメリットの3つ目は「マウスピース矯正では対応できないケースがある」という点です。
目標とする移動量や方向、その他条件によって対応できないケースがあります。
ただし、これは矯正開始前に判別できますので、イレギュラー対応として途中からワイヤー矯正に切り替えるケースはほとんどありません。
歯並びの検討には「セファロ分析」が有効です。
これは50年以上前から検討されている手法で、頭部を決められた位置で固定したX線写真を参照し、歯列の理想的な位置を想定するものです。
これには撮影だけでなく歯科医師の知識と経験も要求されます。
多くのクリニックが実施していますがコストにも影響するので、歯科医師に相談してみましょう。
まとめ
いかがでしたか?
コロナ禍で人と会う機会が減ったことで自己研鑽や自分磨きに励む人が増えたといわれており、その中にはマウスピース矯正をする人も含まれています。
マウスピース矯正には「目立ちにくい」「痛みが少ない」といったメリットがある一方で「完了までに長い期間がかかる」「食事中に気をつけなければいけない」などのデメリットもあります。
矯正を検討している場合は、このようなメリットやデメリットを検討した上で矯正の方法を決めると良いでしょう。
監修医師プロフィール
医療法人雄愛会 高谷秀雄歯科クリニック 院長・理事長
高谷 秀雄(たかたに ひでお)
歯科医師(歯科口腔外科)
[経歴]
2008年 鶴見大学歯学部卒業
2008年~2009年上尾中央総合病院初期研修医
2009年~2010年 東芝林間病院 麻酔科・歯科口腔外科
2010年湘南東部総合病院 歯科口腔外科 常勤勤務
2014年湘南美容外科・歯科クリニック 分院長就任
2016年栃木県宇都宮市で高谷秀雄歯科クリニックを開設
「断らない医療」をモットーに、患者さんとのコミュニケーションを大切にし、ひとりひとりに合った歯科治療の提供を心がけた病院を目指している。
専門分野は、親知らずの抜歯、口腔癌等 歯科口腔外科領域全般。
審美歯科治療・インプラント治療も得意とする。
[クリニック]
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