【現役医師監修】歯磨きだけでは不十分?歯垢を根こそぎ流す「口腔洗浄機」とは
毎食後に歯磨きもちゃんとしているし、
フロスだって定期的にやってるし、
マウスウォッシュもしている。
それでも無くならない「口臭」や「口のねばつき」、さらには「むし歯」まで。
オーラルケアでお悩みの方、意外と多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのが「口腔洗浄機」。
口腔洗浄機とは、水圧の力で歯に残った汚れをしっかりと落としてくれるという、優れたガジェット。
「でも、しょせん水でしょ・・・?本当に汚れが落ちるの?」
なーんて侮ることなかれ。
各メーカーが工夫を凝らして開発した口腔洗浄機は、歯ブラシやフロスだけでは取れなかった歯垢を根こそぎ落としてくれます。
本日は、そんな口腔洗浄機の魅力についてお話ししていきたいと思います。
歯ブラシで取れる汚れはたったの〇割?
歯のエチケットというものは、人とコミュニケーションをとるうえで欠かせないもの。
「あれ、もしかして私ってニオってる・・・?」
そんな風に気になっているときって、自然と口数も減ってしまうし、大口開けて笑うこともできなくなって、なんだかうまくコミュニケーションが取れなくなりますよね。
だからしっかり歯磨きもしているし、フロスも、マウスウォッシュもしている。
にもかかわらず、なかなか無くならない「口臭」や「ねばつき」。
一体、どうしてでしょうか?
それもそのはず。
実は、歯ブラシだけで取れる汚れは、全体のたったの6割と言われています。
ただ歯を磨いただけでは、まだ4割も汚れが残っているということです。
また、フロスをしたとしても、まだまだ汚れは残っています。
歯ブラシとフロスで歯垢などの汚れを完全に取ることは、不可能なのです。
歯垢を根こそぎとる「口腔洗浄機」とは?
そこでおすすめなのが「口腔洗浄機」!
歯ブラシやフロスはしっかり行っているけど、口腔洗浄機を使っている、という方は未だに少ないのではないでしょうか。
口腔洗浄機は、ノズルから噴射される水によって、歯に残っている食べカスや歯垢を取ってくれるという優れモノ。
水圧が非常に強いため、歯ブラシやフロスでは取り切れなかった歯周ポケットの汚れもしっかりと洗い流すことができるのです。
この口腔洗浄機を日ごろから使用することで、口臭、ねばつき、歯周病、むし歯などを予防することができます。
口腔洗浄機ってイタイ・・・?
「水圧で洗い流す」と聞くとやっぱり気になるのが「痛み」。
そんなに強い水圧を当てるとなると、やっぱり痛いんじゃないの・・・?
と不安に思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。
これに関しては個人差があるのでなんとも言えませんが、やはり初めて使う方はその刺激にビックリしてしまう方も多い模様。
歯垢を根こそぎ落とすのですから、それは仕方のないことではありますね。
とはいっても、我慢できないほどの痛みではなく、
大半の方は1~2週間もするとその刺激に慣れてしまうようです。
※ただ、歯茎への当て方次第では逆に傷つけてしまうことになるので気を付けてください。
むしろ、「その刺激が気持よくて病みつきになってしまう・・・」なんて方もたくさん。
水圧によって歯茎がほどよく刺激されるため、慣れるととても気持ちいいようです。
口腔洗浄機には2種類がある?
そんな気になる口腔洗浄機、いざ家電量販店に買いに行くと、あまりにもたくさんの商品があって「一体どれを選べばいいの・・・?」と迷ってしまう方も多いかもしれません。
まず決めなくてはいけないのは、「どのタイプの口腔洗浄機を選ぶか」ということ。
口腔洗浄機には、大きく分けて2つの種類があります。
「据え置きタイプ」と「持ち運びタイプ」です。
あなたが口腔洗浄機に何を求めるかによってもどちらを選ぶべきかが異なりますので、まずはそれぞれの種類について知っておきましょう。
口腔洗浄機のタイプ(1)据え置きタイプ
据え置きタイプの口腔洗浄機の特徴は、ノズルとタンクが別れており、コードでつながっているということ。
タンクが大きいため、こまめな給水をする必要が無く、また強い水圧でお口の中を洗浄することができます。(もちろん、水圧を調整することも可能。)
充電の必要が無いため、「使おうと思ったら充電がなくなっていた!」なんて心配もありません。
唯一のデメリットは、「持ち運びができないこと」と「置いておくスペースが必要」ということ。
口腔洗浄機は高圧の水を噴射するため、周りに水が飛び散ってしまいがち。
そのため、水が飛び跳ねても良い「洗面所」か「お風呂」で使用するのがおすすめです。
洗面所にある程度のスペースが無い場合や、洗面所をできるだけ汚したくない、という場合は、据え置きタイプは向かないかもしれません。
お風呂に持ち込むことができる「持ち運びタイプ」を選びましょう。
口腔洗浄機のタイプ(2)持ち運びタイプ
持ち運びタイプの特徴は、ノズルとタンクが一体化しているということ。
それにより、場所を選ばずどこでも使うことが可能です。
ワイヤレスなので、外出先でも使用することができます。
洗面所ではなくお風呂場で使用したい!という場合はこちらのタイプを選んだ方が良いでしょう。
ただし、持ち運びタイプの口腔洗浄機は、据え置きタイプと比べて水圧がやや弱い傾向があったり、こまめに給水しなければいけないというデメリットもあります。
その点はあらかじめ考慮にいれておきましょう。
とはいっても、歯を洗浄するのに十分すぎる水圧は出ますし、給水もお風呂場なら簡単に行えるため、とりたてて大きなデメリットというわけではないでしょう。
充電が必要なので、使いたいときにすぐ使えるように前もって充電しておく必要があります。
口腔洗浄機で注目すべきスペックについて
以上の2つが、まず決めるべき大まかな分類です。
据え置きタイプにするか持ち運びタイプにするか決めたら、今度は口腔洗浄機の「スペック」で選んでいきましょう。
口腔洗浄機を購入する際は、以下のようなポイントに着目して選ぶと良いかもしれません。
(1)タンクの容量
まず着目すべきは、タンクの容量。
製品によってタンクの容量はまちまちですが、これが小さいと、洗浄中こまめに水を補給しなければなりません。
タンクが大きいほどこの手間が省けるので、やはり少しでも容量が多い方が使いやすいのは確かです。
とはいっても、高圧の水流を歯茎に長時間当ててしまうと逆に痛めてしまうため、1回の水の補給で2分間も持てば十分です。
(2)水流のタイプ
また、水流のタイプにもさまざまな種類があります。
たとえば、最も一般的な「ジェット水流」に加え、
水流に細かいバブルを混ぜることで歯茎へのあたりを柔らかくした「バブル水流」。
さらに、水流中の気泡がはじけるときの衝撃で超音波を発生させる「超音波水流」などなど。
さまざまな水流タイプが存在します。
ひとつの水流タイプでも十分ではありますが、切り替え式の口腔洗浄機だと色々な洗い方ができるのでオススメです。
(3)水圧調整機能
意外と重要なポイントが「水圧調整が可能かどうか」ということ。
水圧調整ができないタイプだと、もし仮に「水圧が強すぎて痛い・・・」と感じても、その強さで使い続けるしかありません。
また家族で使用する場合、「子供は弱めの水圧で」「大人は強めの水圧で」というように切り替えることができないので、大きなデメリットとなります。
特に使い始めは弱めの水圧から試していき、慣れてきたら段階的に強くしていくことが推奨されています。
どんな水圧でも気にしない!という場合は良いかもしれませんが、できれば水圧調整機能はあった方が無難です。
価格相場はどれくらい?
さて、ここまで口腔洗浄機の選び方についてお話ししてきましたが、やっぱり一番気になるのは、お値段。
お高そうなイメージがある口腔洗浄機ですが、一体おいくらくらいで購入することができるのでしょうか?
製品によっても異なりますが、平均でいうと、約5,000円~7,000円ほど。
「あれ?意外と安いかも?」と思われたのではないでしょうか。
口腔洗浄機は、据え置きタイプ・持ち運びタイプ問わず、だいたいが1万円以下で購入することができます。
逆を言えば、10,000円を超す口腔洗浄機はかなり高級な部類に入ると言われるでしょう。
機能やスペックなどをよく考慮して、自分のニーズに合った口腔洗浄機を選ぶようにしましょう。
まとめ
本日は「口腔洗浄機」についてお話ししました。
口腔洗浄機は、テクノロジーの発展とともに生まれた、画期的なオーラルケアアイテム。
歯ブラシやフロスなどと並び、今後のスタンダードとなっていくでしょう。
将来の歯の健康は、日々どのようなお手入れをするかにかかっています。
早速口腔洗浄機をはじめて、歯のケアをグレードアップしてみてはいかがでしょうか?
監修医師プロフィール
医療法人社団スタデン理事長
田中 和之 氏
"確かな技術・痛くない・待たせない・丁寧な説明"をポリシーに診療を行う医療法人社団スタデンの理事長。
審美歯科歴17年以上の経験を有し、審美歯科の症例数は5,000件を超えている。
勤務クリニック名:九段下スターデンタル