【薬剤師執筆】「むくみ脚」のだる重さが消える!?春むくみ解消方法【美脚ケア】
春になると暖かくなり、ファッションが春服へと移行するため、脚を出す機会も増えてきますよね。
そんな中、脚のむくみが気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
また、むくみ脚による、だる重さにお悩みの方も多いかもしれません。
今回の記事では、春のむくみ脚の原因と対処法についてご紹介していきます。
脚のむくみのメカニズム
脚のむくみは、体内にある液体のバランスが崩れた結果、脚に余分な液体がたまっている状態を指します。
体内には血液とリンパ液があり、血液は心臓から送り出され、全身を巡って細胞に酸素や栄養を届けます。
一方、リンパ液は血管の外に漏れ出した血液の一部や、血管から出た老廃物などを回収する役割をもっています。
脚のむくみは、この血液やリンパ液の循環がスムーズに行われなくなることが原因とされています。
脚のむくみがひどくなる原因
脚のむくみを悪化させる原因として、どのようなことが考えられるのでしょうか。
以下では、主な原因を3つご紹介します。
1.季節や気候の影響
朝晩は冷え込むのに対し、日中は気温が上昇する春。
一日のうちで気温が大きく変化する季節です。
気温の変動が大きいと、血管が緊張して血流が悪くなり、脚がむくみやすくなります。
また、春は低気圧と高気圧が頻繁に入れ替わるので、気圧の変化も大きくなります。
気圧が低下すると、血管内の水分が血管の外に漏れ出すため、血液の循環が悪くなり、むくみが悪化しやすくなります。
2.長時間座ったままの姿勢
長時間同じ姿勢でいることで、脚に血液がたまって循環が悪くなり、脚のむくみが生じます。
また、通常脚の筋肉は下半身の血流を重力に逆らって下から上へと流しています。
同じ姿勢でいることにより、脚の筋肉がこわばり伸縮しにくくなってしまうと、血流が滞り、脚のむくみにつながるのです。
3.栄養素の不足
栄養素の不足も脚のむくみをひどくする原因となります。
以下の栄養素が不足すると、脚のむくみを引き起こすことがあります。
・ビタミンB1
糖質の代謝を助ける栄養素であり、不足するとエネルギー代謝が低下し、むくみの原因となることがあります。
・ビタミンB6
タンパク質の代謝を助ける栄養素であり、不足すると体内の余分な水分が排出されにくくなり、むくみを引き起こすことがあります。
・マグネシウム
血管を拡張させる作用があるため、不足すると血管が収縮しやすくなり、血流が悪化してむくみを引き起こすことがあります。
・カリウム
体内の余分なナトリウムを排出する作用があるため、不足するとナトリウムが体内にたまりやすくなり、むくみを引き起こすことがあります。
脚のむくみを解消する3つのセルフケア
春のむくみ脚を解消するためには、以下のようなセルフケアがおすすめです。
1.マッサージやストレッチをする
マッサージやストレッチをすることで、筋肉が刺激され、血液の循環が促進されます。
心臓から遠い部分から近い部分へとマッサージをすることで、血流やリンパの流れがよくなります。
時間がないという方は、就寝時に脚を高くして寝ることもおすすめです。
長時間座り仕事をする場合は、血流を促進するために、30分に一度脚を伸ばしたり、足首を回したりして、筋肉を刺激しましょう。
カリウムやビタミンなどを摂取する
積極的にカリウムなどのミネラルやビタミンが含まれる食品を摂りましょう。
それぞれの成分を多く含む食品としては、以下が挙げられます。
・カリウム
バナナ、アボカド、ほうれん草、きゅうり、ブロッコリーなど
・ビタミンB1
豚肉、ごま、大豆製品など
・ビタミンB6
まぐろの赤み、牛レバー、ニンニクなど
カラダを温める
カラダを温めることは、血管の拡張や血流の改善に役立つため、むくみの解消につながります。
カラダを温める方法としては、温かい飲み物を飲む、シャワーを浴びる、湯船にゆっくりつかるなどがおすすめです。
むくみ解消には漢方がおすすめ
脚のむくみに悩む方は、漢方薬の活用もおすすめです。
むくみの原因としては、
「心臓の働きが低下することで余分な水分がたまる」
「肝臓の働きが低下することで水分や塩分が排出できない」
「リンパの流れが悪い」
などが考えられます。
むくみの改善には、
・水分の循環をよくして老廃物や塩分を排出する
・血流をよくすることで、心臓や肝臓の機能を回復する
といった働きをもつ漢方薬を選び、根本改善を目指します。
漢方薬は、余分な水分だけを排出するため、カラダに必要な水分まで取り除いてしまうという心配がありません。
また、むくみの根本改善を目的とするため、いつもむくみに悩む方には特におすすめです。
<むくみでお悩みの方におすすめの漢方薬>
・五苓散(ごれいさん)
比較的即効性があり、どんな体質の方にも使いやすい漢方薬です。
水分代謝を促し、体内の水分バランスを整えることでむくみに用いられます。
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
疲れやすく、貧血症状のある方に向いている漢方薬です。
「血(けつ)」を補い、「水(すい)」の巡りを改善することで、むくみの他、冷えやめまいにも用いられます。
・防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
「気(エネルギー)」を補って胃腸の働きを高めるとともに、余分な「水」の排出を促すことで肥満(いわゆる水太り)やむくみを改善します。
ここではいくつかの例を挙げましたが、漢方薬は自分の体質に合っていなければ期待する効果が見込めないだけでなく副作用が起こることもあります。
自分に合った漢方薬を選ぶためにも、漢方に詳しい専門家や薬剤師に相談してみてくださいね。
なかなか時間がなくて調べる時間や相談しに行く時間がないという方には、漢方のプロにオンラインで個別相談ができ、その人に合った漢方を見極めて、自宅まで郵送してくれるサービスもあります。
<参考>
まとめ
いかがでしたか?
春は環境変化などもあり忙しく、不調の対策を後回しにしがちですが、むくみやすさにお悩みの方は今回ご紹介した対策をぜひ試してくださいね。
自分に合った対策を取り入れ、春むくみを改善し、美脚を目指しましょう!
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師
中田 早苗(なかだ さなえ)
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。
病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
健康・美容情報を発信するYoutubeチャンネル「Medical Health - メディヘルス -」では、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。