【薬剤師執筆】女性のほうが熱中症になりやすい? からだを守る予防法とは
「連日の暑さで、熱中症にならないか心配」
「熱中症になりやすい人の特徴って?」
「熱中症を予防する方法が知りたい」
このような悩みや疑問をかかえていませんか? 熱中症は、重症になると命にかかわる危険性がありますが、日頃の心がけで予防できます。
そこで今回は、熱中症になりやすいタイプや対処法について、薬剤師がご紹介します。
そもそも熱中症って?
熱中症とは、高温多湿な環境下で体温調節機能がうまく働かず、体温の上昇やめまい、だるさ、頭痛などのさまざまな症状を起こす病気のことです。
悪化すると40度以上の高熱や意識障害など、命にかかわる症状がでる場合もあります。
熱中症になりやすい人とは
熱中症になりやすい人には、以下のような特徴があります。
・生理中の女性
・筋肉量の少ない女性
・乳幼児
・高齢者
女性は、水分をためる役目を果たす筋肉が男性よりも少なく、月経時の出血とともに水分が排出されるため、脱水気味になる傾向があります。脱水気味の状態では汗をかいて体温を下げられないため、熱中症になりやすいのです。
乳幼児や高齢者は、体温調節機能が未熟であることや、機能の衰えによって体内に熱がこもりやすいので、熱中症リスクは高い傾向にあります。
室内でも油断禁物。からだを守る熱中症予防法
以下では、日常生活にとり入れやすい熱中症予防法を3つご紹介します。
こまめに水分補給をする
体内の水分が不足していると、汗をかいて体温を下げることができません。のどが渇く前からこまめに水分補給(1日あたり1.2Lが目安)をしましょう。
スポーツドリンクなど、塩分や糖分を含む飲料は水分の吸収がスムーズにできます。汗で失われた塩分の補給も可能です。
鉄分を摂取する
暑い夏は汗を多くかくことで鉄分が失われるため、貧血になりやすい季節でもあります。貧血で食欲が落ちて、夏バテ状態にもなりかねないので注意が必要です。
体内の鉄分が足りなくなると、全身に酸素を運ぶ「へモグロビン」が減少し、運ばれる酸素量も減少します。その結果、動悸や息切れ、だるさといった症状がでます。
汗をかく習慣をつける
汗をかかないと体温調節がうまくできないため、汗をかく習慣をつけることが大切です。日常生活のなかで、運動や入浴によって汗をかき、からだを暑さに慣れさせましょう。
普段から汗をかく習慣がない人は、暑い屋外でもなかなか汗をかけずに、体内の熱を放出できない傾向にあります。そのため、夏バテや熱中症を引き起こしやすいのです。
睡眠をしっかりとる
睡眠不足になると体温調節機能が低下し、熱中症のリスクを上昇させる可能性があります。
しっかりと睡眠をとって、翌日の熱中症を予防しましょう。また、暑い夜はエアコンや扇風機を適度に使って睡眠環境を整え、寝ている間の熱中症を防ぎましょう。
漢方薬で内側からの対策もおすすめ
熱中症対策には、普段の生活習慣を見直すとともに、漢方薬の活用もおすすめです。
熱中症対策には、「胃腸の働きを活発にして食欲をとり戻す」「消化・吸収をよくして栄養を全身に運び、体力を回復する」「体内の水分バランスを整えて、不要な熱を汗と一緒に外に出す」ような漢方薬を選びます。
また、漢方は水分を巡らせることでからだに潤いを与え、自律神経を整えて睡眠の質を上げたり、疲れを軽減したりするなど、夏の暑さに負けないからだ作りもサポートします。
ここでは、熱中症対策に用いられる漢方薬を2種類紹介します。
熱中症対策におすすめの漢方薬
・清暑益気湯(せいしょえっきとう):暑さに弱く、食欲不振やだるさで悩む方におすすめの漢方薬です。暑さによって消耗した「気」を補い、夏の暑さで弱った胃腸を丈夫にします(※1)。
・五苓散(ごれいさん):余分な水分を排出することで、体内の水分バランスを整えます。口の渇きや頭痛がある方にもおすすめです(※2)。
漢方は、動植物や鉱物などをもとにした生薬を組み合わせて生成します。自然の恵みを利用する漢方は、化学合成した西洋薬とは違い、副作用リスクも低いのが特徴です。
人それぞれの症状や体質に合わせて選ぶことで素早い効き目を感じられ、体質を根本から改善することができます。
しかし、体に適した漢方薬を使うなら、医師や薬剤師など、漢方に精通した専門家による診断と処方が大事です。体に合っていないと、効き目が十分に出ないだけでなく、思わぬ副作用に見舞われる場合もあります。
いま、自宅で実践できる漢方として注目を集めているのが、「あんしん漢方」というオンラインサービスです。あなたの症状や体質に合うパーソナルな漢方をモットーに、本当に最適な漢方薬を導き出してくれます。
診断、処方、漢方薬の購入から配送まで、すべて自宅にいながら完結できるのもメリットのひとつ。初回のお試しプランもあるので、気軽に体験も可能です。
●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=21243ze0kire0001
まとめ
連日の暑さで熱中症が心配されますが、熱中症に負けないからだづくりが大切です。
乳幼児や高齢者、脱水症状になりやすい女性は、熱中症を引き起こしやすい傾向にあります。日頃からこまめな水分補給をこころがけ、汗をしっかりかく習慣をつけましょう。
専門家に相談して漢方薬をとり入れることもおすすめです。熱中症に負けないからだづくりをして、夏を楽しく過ごしましょう!
参考文献
(※1)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ清暑益気湯エキス顆粒(医療用)」https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=9152
(※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ五苓散エキス顆粒(医療用)」https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=7941
<この記事を書いた人>
薬剤師 稲嶺 千春
北陸大学薬学科卒業後、製薬企業や調剤薬局に勤務。
様々な経験をする中で、対症療法ではなく、漢方による根本治療の大切さを実感する。漢方薬の力をより多くの方に広めるために、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」で情報発信をしている。
●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=21243ze0kire0001