【薬剤師執筆】おりものの量・ニオイ・色に正解はある?

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【薬剤師執筆】おりものの量・ニオイ・色に正解はある?

女性のカラダにおいて重要な役割を果たしているおりものですが、アラフォー世代になるとホルモンバランスの変化から、その形状が変化しやすくなります。

 

これまでと違うおりものの状態に、「何か病気の兆候ではないか」と心配になる方は多いものです。

 

そこで今回は、おりものの量やニオイ、色が変化する原因や、おりものの変化が気になるときの対策について解説していきたいと思います。

おりものは健康のバロメーター

おりものは健康のバロメーター

おりものは子宮や膣、汗腺からの分泌物が混ざり合った、粘度のある酸性の液体です。

膣内の潤いを保って粘膜を守り、膣内に侵入した病原菌などを洗い流して清潔に保つ働きがあります。

 

また、排卵期にはゼリー状に変わり、分泌量が増えることで受精の手助けもしてくれます。そして排卵期が過ぎると、おりものはいつもの形状に戻り、分泌量も減るのです。

 

このように、おりものの状態は生理周期や女性ホルモンの分泌量によって変化しています。もし、何かしらの病気があったり、女性ホルモンのバランスが乱れたりした場合には、おりものの様子が異なってきます。

 

そのため、おりものは女性の健康状態を表すバロメーターであるといえるのです。

良くあるおりものの変化

良くあるおりものの変化

以下では、よくある自然なおりものの変化と、気を付けるべきポイントについて解説していきます。

1.量が増える

おりものの量が増える原因としては、排卵期妊娠初期ストレス疲れ過剰な洗浄行為などが考えられます。

2.ニオイが強くなる

おりものには乳酸菌の一種が含まれるため、通常、少し甘酸っぱいようなニオイがするものです。

生理周期の変化や食生活の乱れ、ストレスなどが原因で、ニオイが強くなることもあります。

 

ただし、生臭いニオイや悪臭がする場合には注意が必要です。

病気や感染症などの可能性も考えられますので、早めに婦人科を受診することをおすすめします

3.色や形状の変化

おりものは一般的に透明や白っぽい色が多いものですが、生理前や生理中、妊娠中、更年期などでホルモンバランスが変化すると、黄色や茶色、ピンク色などに変わることがあります。

 

気を付けたいのは、おりものが黄色や緑色、白っぽいカッテージチーズ状になった場合です。

黄色や緑色のときには細菌感染症トリコモナス原虫やクラミジアなどによる性感染症子宮内膜炎や卵管炎などの病気が原因として考えられます。

また、おりものが白っぽいカッテージチーズのような状態のときには、カンジダ膣炎の可能性があります。

 

これらの変化がある場合には、早めに婦人科を受診することが大切です。

おりものの変化が気になるときのケア

おりものの変化が気になるときのケア

ここからは、おりものの量やニオイ、色などの変化が気になるときのケア方法を解説していきます。

1.パンティーライナーを使う

おりもので下着が汚れるのが気になる場合は、パンティーライナーを使用しましょう。

パンティーライナーを頻繁に取り替えることで、デリケートゾーンを清潔に保つことができます。

 

消臭機能を備えた素材もありますし、肌触りや大きさなどもさまざまです。

用途によってお好みの製品を見つけておくと安心です。

2.デリケートゾーン専用のソープを使う

デリケートゾーン専用のソープは、デリケートなお肌と同じpHバランスの弱酸性で、刺激の少ない製品となっています。

 

デリケートゾーンを洗うときは、通常のボディソープではなく、デリケートゾーン専用のソープを使うことがおすすめです。

3.洗いすぎない

おりもののニオイが気になってデリケートゾーンを清潔に保とうと思うあまり、洗いすぎてしまうことがあるかもしれません。

 

しかし、洗いすぎはかえって良くありません。

洗いすぎると、必要な常在菌をも洗い流してしまううえ、お肌が乾燥してしまうこともあるため注意しましょう。

おりものの変化が気になるときは漢方薬もおすすめ

おりものの変化が気になるときは漢方薬もおすすめ

気になるおりものの異常には、漢方薬を飲むという対策もおすすめです。

漢方薬は、婦人科でも自然由来の治療薬としてよく処方されています。

 

おりものの変化にはホルモンバランスの乱れやストレス、疲労、陰部への血流不足などが大きく関係していると考えられています。

 

そこで、気になるおりものの症状には

 

・ホルモンバランスの乱れを整える

・自律神経を整えてストレスが原因のおりものの異常を軽減する

・血流を良くして膣に栄養を与え、自浄力作用を回復させる

・水分の循環を良くして老廃物を排出し、おりものを軽減する

・消化、吸収機能を良くして免疫力を高める

 

などの作用をもつ生薬を含む漢方薬を選び、根本改善を目指します。

 

漢方薬なら、毎日決められた量を飲むだけで手軽に心とカラダ全体のバランスを整えることができます。

また、おりものだけでなく、「デリケートゾーンのかゆみ」「排尿痛」などの症状に効果が認められている漢方薬もあります。

 

そこで一部ではございますが、気になるおりものにおすすめの漢方薬を3種類ほどご紹介させていただきます。

 

●温経湯(うんけいとう)

生殖器を巡る血液(栄養)と気(エネルギー)の流れを良くすることで、下腹部を温めておりものに働きかけます。

手足がほてり、唇が乾く方におすすめです。

 

●竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)

下腹部にたまった余分な水や熱を取り去ることで、おりもののニオイを和らげます。

比較的体力があり、残尿感や熱感、排尿痛に悩む方におすすめです。

 

●加味逍遙散(かみしょうようさん)

血液(栄養)の巡りを良くし、体内にたまった熱を発散させ、女性ホルモンのバランスを整えます。

あまり体力がなく、疲れやすさや精神不安といった症状がある方におすすめです。

 

漢方薬を選ぶときには、ご自身の体質に合ったものを選ぶことが大切ですが、漢方の専門家にオンラインで個別に相談ができ、アナタに合った漢方を見極め、ご自宅まで郵送してくれる画期的なサービスあんしん漢方なんかをご利用いただくのもいいかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今日は、女性の健康状態が「おりもの」にあらわれることを解説してまいりました。

量やニオイ、色などには個人差もあるため、ご自身の基準を知っておくことが重要です。

 

色やニオイが普段と大きく異なる場合、かゆみや痛みなどがある場合には、念のため医療機関を受診することをおすすめします。

ご自身の健康を守るためにも、定期的な自己チェックや婦人科検診を受けることも大切です。

 

また、更年期におけるホルモンバランスの変化が原因である場合には、漢方薬も大きく力を貸してくれるため、試してみるのもいいでしょう。

 

<この記事を書いた人>

まとめ

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師

碇 純子(いかり すみこ)

 

薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)

神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。

現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。

 

世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

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